*

ワイルド・スワン

公開日: : 最終更新日:2018/06/07 中国,

尖閣諸島の問題、
劉暁波氏のノーベル賞
と最近、中国の暗黒面が目についてきた。
近年の高度成長に目を眩まされ、
中国は共産党の一党独裁国家であることを忘れていた。
中国共産党の本質は、毛沢東の時代からそれほど変わっていないのかもしれないという恐ろしさを感じる。
と、ふと昔読んだ ユン・チアンの『ワイルド・スワン』を思い出した。
これは、近年の中国を理解するには、最適の本だと思う。

清朝末期から1990年代まで、波乱の時代を過ごした三世代の女性の物語。
とくに、著者自身が体験した毛沢東の文化大革命のくだりには目を見張る。
文化大革命とは、人間の嫉妬や私怨をうまく利用して、国の隅々まで恐怖を浸透させ人民を支配した時代だ。
中国人民を実験台とした毛沢東の妄想の壮大なる実験ともいえる。
造反
教育革命
新しい人間を作る
旧世界を壊して新世界を作る
といったスローガンは、
気に入らない人間を血祭りに上げることに置き換わった。
髪が長いからブルジョアで反動的。
人道行為は偽善的なブルジョア思想。
知識人はブルジョアで反動的とみなされ、中国全土で教師が生徒からリンチを受けていた。
本は焼かれ、寺、骨董品、芸術品も破壊された。
地主や資本家も「階級敵人」とみなされ、残虐行為の対象となっていた。
・・・・・・・
冗談みたいな話だけど、真実の話。
こういう暗黒の時代が文化大革命だった。
中国共産党は、文化大革命、天安門事件を経てるということを忘れてはいけない。
こんなことを書くと反中国思想の持ち主に思われそうだけど、
民間の中国はとても尊敬しているし大好きな国。(上海大好き)
ただ、政治(中国共産党)が胡散臭いと思ってるだけ。

PS.
文化大革命は他人ごとではない。
学校、職場、家庭など、外界から遮断されている空間では、程度の多少はあるが、文化大革命と同じことが起こっているはずだ。
それに気付いてないのなら、気をつけた方がいい。
あなたはその空間での紅衛兵的存在に違いない。

ad

    この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
    ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が良かったらビットコインで寄付をお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット



関連記事

深センをブラタツヤ

    香港から電車で深センに向かう。         九龍地区から約40分で イミグレ     地

記事を読む

上海ジャパニーズ

ついに、上海万博が開催されました。 盗作疑惑や会場の混乱など、いろいろな問題はありますが、つい

記事を読む

仕事するのにオフィスはいらない

サラリーマンのみなさま、毎日通勤電車に揺られてご苦労様です。 そういう私もその1人ですが・・・

記事を読む

『謎の独立国家ソマリランド』を読んで

  『謎の独立国家ソマリランド』という本を読んだ。     ソマリランド共和国は、アフリカのソマリ

記事を読む

『人間関係に必要な知恵は全て類人猿に学んだ』を読んで

  最近ベストセラーになった本のタイトル 「置かれた場所で咲きなさい」 という言葉が嫌いです。  

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

『東京都同情塔』を読んで

ChatGPTを活用して作ったという芥川賞受賞作「東京都同情塔」を読了

『ボーはおそれている』を観て

    3月1日の映画の日はミッドサマーの監督の最新作を鑑賞(ミッド

生成AIを使ったテレビニュース風の動画の作り方(HeyGen + Canva)

  イベントの宣伝用にこんな動画を作りました。   誰でも簡単に作れ

タランティーノの第1回監督作品「レザボア・ドッグス」を観たよ

  只今タランティーノの第1回監督作品「レザボア・ドッグス」がデジタ

映画『哀れなるものたち』を観て

全く事前知識なくて観た。観賞後もネットの論評も観てない。どう表現してい

→もっと見る

    • 1666096総閲覧数:
    • 1806今日の閲覧数:
    • 2171昨日の閲覧数:
    • 3現在オンライン中の人数:
    • 2014年4月29日カウント開始日:
PAGE TOP ↑