ワイルド・スワン
尖閣諸島の問題、
劉暁波氏のノーベル賞
と最近、中国の暗黒面が目についてきた。
近年の高度成長に目を眩まされ、
中国は共産党の一党独裁国家であることを忘れていた。
中国共産党の本質は、毛沢東の時代からそれほど変わっていないのかもしれないという恐ろしさを感じる。
と、ふと昔読んだ ユン・チアンの『ワイルド・スワン』を思い出した。
これは、近年の中国を理解するには、最適の本だと思う。
清朝末期から1990年代まで、波乱の時代を過ごした三世代の女性の物語。
とくに、著者自身が体験した毛沢東の文化大革命のくだりには目を見張る。
文化大革命とは、人間の嫉妬や私怨をうまく利用して、国の隅々まで恐怖を浸透させ人民を支配した時代だ。
中国人民を実験台とした毛沢東の妄想の壮大なる実験ともいえる。
造反
教育革命
新しい人間を作る
旧世界を壊して新世界を作る
といったスローガンは、
気に入らない人間を血祭りに上げることに置き換わった。
髪が長いからブルジョアで反動的。
人道行為は偽善的なブルジョア思想。
知識人はブルジョアで反動的とみなされ、中国全土で教師が生徒からリンチを受けていた。
本は焼かれ、寺、骨董品、芸術品も破壊された。
地主や資本家も「階級敵人」とみなされ、残虐行為の対象となっていた。
・・・・・・・
冗談みたいな話だけど、真実の話。
こういう暗黒の時代が文化大革命だった。
中国共産党は、文化大革命、天安門事件を経てるということを忘れてはいけない。
こんなことを書くと反中国思想の持ち主に思われそうだけど、
民間の中国はとても尊敬しているし大好きな国。(上海大好き)
ただ、政治(中国共産党)が胡散臭いと思ってるだけ。
PS.
文化大革命は他人ごとではない。
学校、職場、家庭など、外界から遮断されている空間では、程度の多少はあるが、文化大革命と同じことが起こっているはずだ。
それに気付いてないのなら、気をつけた方がいい。
あなたはその空間での紅衛兵的存在に違いない。
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