*

ウォール・ストリート

公開日: : 最終更新日:2019/02/26 映画感想文

(ネタばれ注意)
待ちに待った「ウォール街」の続編。
「ウォール・ストリート/ マネーは眠らない」
私が題名を付けるなら、
「ウォール街PART2 / ゴードン・ゲッコーの逆襲」
かなw
かつて、Greed is Good! と豪語し、世界中の若者を金融の世界へ引きつけた男が、あれからどうなったのか?
彼が獄中の間に、ソ連は崩壊し、インターネットが登場し、911が起こり、、、、
世界は23年で様変わりした。
公式サイト
http://movies.foxjapan.com/wallstreet/

粋な出だしから始まる。
所持品の中に、でかい携帯電話が。
(ここで観客はニヤリとする。前作を象徴する小道具の登場に。そして23年の時とかつての栄枯盛衰を)
そして、黒人ギャングに高級リムジンのお迎えがある一方で、ゲッコーにお迎えはいない。
(ここでもニヤリ。前作のホームレスとビジネスマンを指差すシーンを思い出す)
出だしは完璧。
続いて、FRBが金融支援をするかどうか議論する場面の緊張感には目を見張る。
実際もこんな感じだったんだろうね。
あのシーン、誰が誰をモデルにしてるのか考えたけど、よく分からなかった。
多分、あれがバーナンキで、あれがガイトナー?って思いながら見てたけど、どっかに解説してるサイトはないかしら。
そして、懐かしのチャーリー・シーンが出るシーンには身を乗り出した。
ゲッコーを裏切るキッカケともなり、あれほど執着してたくせに、父親の航空会社を売っぱらって今や豪華な引退生活してるという皮肉には、ああ無情としかいえない。結局彼が一番グリードなのかも。
ほかにも、オリバー・ストーン監督は前作よりも頻繁に出演しており、サービス精神満点。楽しんで作ってるのがこちらにも伝わってくる。

しかし、、、
なんていうのか。
何かが足りない。
毒が無いし、キレが無い。
かつてハリウッドの問題児だったオリバー・ストーン監督なのに。
去勢されたかのような、平凡なファミリードラマになっている。
サブプライム、次世代エネルギー、新興国の進展、ネットによる告発など時事問題をたくさん盛り込んでるんだけど、何かが足りない。
前作のようなソリッドさ、資本主義を皮肉ってやろうという気概が足りない。
マイケル・ムーアの「キャピタリズム」のほうが、まだ反逆的だ。
とくに、あのラストシーンは最悪。
あれほど嫌ってた父親、失望した恋人を、あんなに簡単に許すのか?
やはり、オリバー・ストーンはもはや過去の人。
彼は「ナチュラルボーンキラー」までだ。それから劣化が始まった。
完全に「ソーシャル・ネットワーク」に食われてしまったし。
時代を的確に切り取れてないからなんだろうね。

いかんいかん。
悪口ばかり書いてしまったけど、それも前作が好きだからこそ。
悪くない映画なんだけど、前作が良すぎて、期待が大きすぎたから。

さて、この映画で印象に残ったセリフ。
ゲッコーも言ってたし、リーマンがモデルと思われる投資銀行の会長も言ってたセリフ。
「Money よりも Time のほうが大事だ」
そう、カネよりも時間が大事。

PS
さて、久しぶりにトーキング・ヘッズでも聴こうっと。

ad

    この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
    ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が良かったらビットコインで寄付をお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット



関連記事

映画『哀れなるものたち』を観て

全く事前知識なくて観た。観賞後もネットの論評も観てない。どう表現していいものか不思議な映画。  

記事を読む

no image

クリスマス・キャロル

ディズニー、アニメ、クリスマスと聞いて、 子供向き映画だと思う人がほとんどだと思う。 だが、しかし、

記事を読む

アンヴィル!

メタリカ、アンスラックス、元ガンズのスラッシュ等のミュージシャンからはリスペクトされるのに、なぜか3

記事を読む

人間の感覚を失う恐怖〜「サウルの息子」を観て

              numb 発音nʌ'm   (形容詞)麻痺している、感覚を失った    

記事を読む

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」を観て

  7月に観たインディ・ジョーンズの新作について、今更ながらブログに書く。   50歳を超えると、

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

生成AIで作ったキャラクターをLive2Dで加工しUnityで動かす(まばたき、話す)

  ChatGPT(DALL-E3)で作ったキャラクターをもとに、Ch

24時間のトランジットならビザなしで中国に入国できる(上海浦東空港での体験)

中国での入国を伴うトランジットについて、私は事前にググりまくって情報を

『東京都同情塔』を読んで

ChatGPTを活用して作ったという芥川賞受賞作「東京都同情塔」を読了

『ボーはおそれている』を観て

    3月1日の映画の日はミッドサマーの監督の最新作を鑑賞(ミッド

生成AIを使ったテレビニュース風の動画の作り方(HeyGen + Canva)

  イベントの宣伝用にこんな動画を作りました。   誰でも簡単に作れ

→もっと見る

    • 1676707総閲覧数:
    • 2今日の閲覧数:
    • 187昨日の閲覧数:
    • 1現在オンライン中の人数:
    • 2014年4月29日カウント開始日:
PAGE TOP ↑