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スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション

「もしドラ」の影響もあってか
最近、しきりと、イノベーションって言葉をよくような気がする。
なんとなく、意味分かるけど、自分には関係ないって思ってた。
だって、理工系で技術力のある人たちの話でしょうから。
いえいえ、それは違う。
イノベーターと発明家って混同されるけど、
イノベーターとは発明家のことではない。
イノベーションとは、すばらしい人生を送るために、問題解決のアイデアを生み出すこと。
そう、誰もがイノベーターになれる。
お客様に商品を買ってもらうアイデアを考えた人もイノベーター。
部下のやる気を引き出す新しい方法を実現した人もイノベーター。
地域の学校を活性化する方法を思いついた専業主婦もイノベーター。
では、そういったイノベーションを起こすにはどうしたらよいか?
世界一のイノベーターであるスティーブ・ジョブズから学ぼうというのが、本書である。

イノベーションの技術的、学術的、組織論的なことはいっさい述べられてないし、
イノベーションを生み出すための具体的な方法もない。
でも、本書を読む事でジョブズの考え方、法則を知る事で、少しでもジョブズに近づけるはず。
また、ビジネス書という範疇を超え、ジョブズ流の自己啓発書ともいえる内容でもある。

本書ではジョブズのイノベーションを以下の7つの法則にわけて述べている。
1.大好きなことをする
2.宇宙に衝撃を与える
3.頭に活を入れる
4.製品を売るな。夢を売れ。
5.1000ものことにノーと言う
6.めちゃくちゃすごい体験をつくる
7.メッセージの名人になる
といろんなことが述べられてるが、
キーワードは
「情熱」だ。
繰り返し繰り返し「情熱」という言葉が出てくる。
そして「情熱」の源泉は、つまるところ
「大好きなことをする」
に限る。
ジョブズは、有名なスタンフォード大学の卒業式のスピーチでこう言ってる。

偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたのする仕事を愛することです。
まだ見つけていないなら探し続けなさい。
立ち止まってはいけない。
The only way to do great work is to love what you do.
If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle.

もう1つのキーワードはビジョンだ。
ひとことであらゆる人に理解できるビジョンが必要だ。
アップルのように。
「普通の人々にコンピューターを届ける」
A computer in the hands of everyday people
ただそれだけ。
「職場でもなく家庭でもない第3の場所」(スターバックス)
「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」(グーグル)
決して、あいまいで長ったらしいミッションステートメントではダメだ。
「お客さまの満足度を高めるためにソリューションを提供して。。。。」
キャビネットの奥にしまい込まれるのが関の山だ。

「何をしたいか10ワード以内で表現できないなら、私は投資しない」(セコイア・キャピタル)

そして、これも難易度が高いのだが、
顧客やコンサルタント、専門家、フォーカスグループの言う事を聞いてはいけない。
そもそも彼らは何も分かってない。
彼らのいうことをきいてたらマックやiPod,iPhoneは絶対にこの世にでてない。
なお、『イノベーションのジレンマ』という本に
顧客の声を忠実にきけばきくほど、競争に取り残され、破壊的イノベーションが起こったときに対応できなくなり衰退していった企業の例がたくさん紹介されてるので、ご参考まで。
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3670373

あとシンプルであること。
伝えること。
などなどたくさんあるが、これ以上は読んでのお楽しみ。
前作『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』と結構かぶってるけど、
2冊通読すれば、君もジョブズになれるかもしれない。
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3601396

最後に、
世界経済の先行きが不透明である昨今。
とくにアメリカは深刻だ。
でも不景気なときほどイノベーションが生まれやすい。
今もどこかでその芽が着々と生まれてるに違いない。
失業率を改善するにはイノベーションだ。
決して既存企業を守る事ではない。
1980年から2005年に米国で創出された雇用は、ほぼすべてが創業5年以内の若い企業によるもの。
だから国家を繁栄させたければ救済よりもスタートアップを増やすべき。
ピューリッツァー賞作家トーマス・フリードマンは言う。

持続可能な方法で失業率を引き下げたいのであれば、GMの救済や財政出動による道路工事の増大ではだめだ。
新しい会社を大量に、かつすばやく、生み出す必要がある。
救済から給与の高い仕事は生まれない。
そういう仕事はスタートアップだ。
では、スタートアップはどこから生まれるのだろうか。
頭がよく、クリエイティブで情熱を持ってリスクを取る人々からだ。

そう、アップルのキャンペーンのとおりだ。

自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えている…。
Think Different

PS
本書で気に入った言葉を抜粋

チームワークを学ばせるためにゴムボートで川を下らせるとか、創造性を学ばせるために派手な色の紙飛行機をつくらせるというのは、絶対に何かがおかしい
(カーティス・カールソン、ウィリアム・ウィルモット『イノベーション』より)
失敗を恐れれば、非凡な人生を送るという夢はついえます。
自分の情熱を信じれば、その恐れを乗り越えることができます。
(ビル・ストリックランド)
情熱こそが天才を生む
(アンソニー・ロビンス)
失敗は気になりません。
むしろ、失敗した回数で子どもを評価すべきだと思ってる。
おかしなことにトライし、たくさんの失敗を経験する子ほど、創造的なはずだからです。
(ジェームズ・ダイソン)
一番パワフルになれるのは、目的に向かって突き進んでるときです。
(オプラ・ウィンフリー)

情熱を傾けられるのはこれしかないというものを見つけること。
今まで身につけたものが活きない世界かもしれません。
そうであっても、勇気をもってそのことに取り組む事。
他人がどう言おうと、打ち込むのです。
(クリス・ガードナー)
大好きなことをしていれば、さまざまな形で魔法が働くようになると思います。
自分に変えられないことやまわりの人が自分をどう思うかを気にして時間を無駄にしないことも大事です。
(レイチェル・レイ)

時間は限られてます。
他人の人生を歩んで時間を無駄にしないでください。
(スティーブ・ジョブズ)

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