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ノマドと社畜

公開日: : 最終更新日:2022/06/26

今日は3月31日 日曜日。
明日は、ほとんどの日本人にとって、新年度が始まる日です。
そんな希望に燃える時期の出ばなをクジくようですが、日曜日の夜になると、憂鬱になる人が多いことでしょう。
サザエさんが「ンガ、ング」とか「ジャンケーンポーン」って言ってるのを片目に、なぜか憂鬱になります。
(最近サザエさんを見てないので、ンガングではなかったらごめんなさい)
いわゆるサザエさん症候群というアレですね。
そして、月曜日の朝になるとTwitterでは、
「絶望の朝」
というツイートをよく見かけます。
かつて、アメリカのPOPグループ「バングルス」は「MANIC MONDAY」(憂鬱な月曜日)と歌いました。
イギリスのバンド「ニューオーダー」にも「BLUE MONDAY」という曲があります。
どうやら、世界中のみなさん、人類の多くは、月曜日がお嫌いなようです。

さて、こんなときは、のび太君を見習って、
「会社に行きたくないなあ。
会社に行かなくても、楽にお金を稼げないかあ。
ドラえもーん、なんとかして」
ジャジャーン
「のび太君、そういう君には「ノマド」
もう会社に行かなくても大丈夫。
パソコンだけあれば、場所と時間に縛られない人生が送れるんだよ。
ほら、スタバで林檎マークのパソコンを開いてドヤ顔してる人たちみたいに。。。」

最近、「ノマド」という言葉をよく聞くようになりました。
ノマドとは「遊牧民」のこと。
僕たちにとって、ノマドの定義は、上記のドラえもんの説明のイメージがほとんどでしょう。
「スタバでMacを叩いてる人」というイメージ。
ブログやメルマガで生計をたてる。
ソーシャルメディアがあれば世界中が顧客。
セルフブランディングでなんとかかんとか。。。。

うーん
こうやって、書いてみると、なんだか胡散臭いです。
しかし、僕もそうですが、ノマドを賞賛している本やブログを読んだりすると、胡散臭さを感じず、これこそ新時代のライフスタイル、かっこいいって思ってしまい、自分でも簡単になれるような気になり、実践しようと思ってしまいます。
もう社畜はイヤだ!
僕はノマドになる!
ノマド王になる!

自己啓発セミナーや、アフリエイト、FX、ネットワークビジネスなど、僕のようにサザエさん症候群になる人たちは概して「楽して儲ける」的な囁きにとても弱いです。
一歩踏み込んだら最後、地獄が待っているにも気がつかず、薄々怪しいと思いつつ、まさか自分が引っかかるはずは無いだろうと、この手の詐欺商法、貧困ビジネスに引っかかってしまうことでしょう。

最近、あなたの周りで「ノマド」という言葉を口に出している人がいませんか?
それは、ノマド病の初期症状です。
処方箋を煎じましょう。
それは、Twitterでの過激な発言が大人気の@May_Romaさんこと谷本真由美さんの
「ノマドと社畜」

ノマド病になりかけている人の机の上やカバンの中にそっと入れたら効果テキメン間違いなし。

この本は、日本での勘違いされたノマドのイメージを修正し、世界で急速に進行しているワークスタイルの変化、それに対して僕たちはどうしたらよいのか、著者のTwitterの過激発言とは対照的に、丁寧で論理的な語り口で、僕たちにヒントを与えてくれます。
ノマドとは決して楽なものではありません。
世界に通じるスキルを持ったプロフェッショナルでないと、たちまち貧困に陥ってしまうことでしょう。
まさにノマドとは、「包丁1本もって渡り歩く料理人」「カンナを持って渡り歩く職人」「外人部隊の傭兵」並のスキルを持った人間でないとつとまりません。
オシャレなカフェで仕事するイメージでノマドになってしまったら最後、本人はノマドで自由になったつもりが、やってる仕事は、単なる低賃金の外注業者で終わってしまい、派遣社員よりも待遇がヒドく、たちまち最底辺の貧困に陥ってしまうことになるでしょう。
そして、こういう人に限ってプライドが高く、こんなはずでは。。。と過剰に肥大化した自己評価と現実のギャップを認めず、辛い人生を歩むことになるでしょう。

そうはいっても、グローバル化、IT化により、世界的にノマド的な働き方が広がっていくことは間違いないです。
だからこそ、多くの人たちが勘違いしてる安直なノマド論ではなく、世界中が競争相手のハイパーコンペティションの時代、これからの人生をどうサバイブしていくかが、懇切丁寧に述べられています。
私のように40歳を過ぎてノースキルで会社人生の先が見えたオッサンはともかく、これからの日本を背負っていくたくさんの若いひとたちに読んでもらいたいと思います。
僕も学生時代、遅くても20代にこのような本に出会えていたら。。。と思うほどです。

ノースキル、能無しの会社員にとっては、絶望の時代が目の前に来てます。
バングラディッシュの田舎の青年が1億円の年収を稼ぐ一方で、先進国の一流大学を卒業したとしても職にあぶれ、よくても無給インターンで搾取される時代。
サザエさん症候群、絶望の朝なんて、甘ったるいことなんて言ってる場合でない時代、本当の絶望の時代が、もうそこに来てます。
本書は、その現実を直視できるよい機会になることでしょう。
ページ数は少なくすぐに読める量ですし、Kindle対応でワンクリックで今すぐ読めるので、是非こちらをクリック!


【参考】
IT化、グローバル化のによるワークスタイルの変化に僕たちはどう対応すべきか。
以下の本も参考になると思います。
ハイコンセプト
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4157250

ワークシフト
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4551777

10年後に食える仕事 食えない仕事
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4295348


P.S.
せっかくなので、
BANGLES の MANIC MONDAY

NEW ORER の BLUE MONDAY も

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