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フォースクエア 位置情報の威力

公開日: : 最終更新日:2014/09/24 フォースクエア, , ,

初めて携帯電話を見たとき、どう思いましたか?
「電話ボックスで電話すれば良いじゃん」
初めて写メを見たときどう思いましたか?
「別に携帯で写真撮る必要ないじゃん」
初めてフェイスブックやTwitterのことを聞いたとき、どう思いましたか?
「何が面白いのか、よく分からない」

で、今はどうでしょうか?
人間は新しいモノ、自分に理解できないモノを見た時に、2通りに分かれます。
「面白そう」と積極的に好奇心を持つ人と、
「そんなの無くても困らない」と否定的に思う人に。

最近、どこかに行くたびに、スマホを取り出して、なにやらイジる人が増えています。
「◯◯なう」
「◯◯にチェックイン!」
自分はここにいるよと、友達に教えるのです。
で、それが、どうした?
それの何が面白いの?
そういうことを言う人は、携帯電話や写メに懐疑的だった人と同じ。
馬車があるから車はいらない、飛行機は危ないから乗らない、テレビに魂をとられるからテレビは見ない。
一般市民ならいざしらず、個人相手のお店をしている人、お店を相手に仕事をしている人は、避けては通れません。
位置情報サービスは今後のメガトレンドになることは必至ですし、まだまだ日本では競合は少ないので、早くとりかかるべきことかもしれません。

今回はその位置情報サービスの最大手「フォースクエア」について解説した
『フォースクエア 位置情報の威力』
をご紹介します。
本書の著者は「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼンテーション」「スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション」のカーマイン・ガロですので、たんなる解説本ではなく、圧倒的な取材量と構成力で位置情報サービスの本質に迫ります。

フォースクエアは2009年にニューヨークで産声をあげ、全世界での会員数は2000万人以上で、会員の増加ペースはTwitter以上と言われてます。
フォースクエアの最大の特徴は、メイヤー。
メイヤー(市長)とは、
一番多くそこに訪れている人のこと。
私個人的には近所のスーパーとか居酒屋、スポーツジムのメイヤーになってます。
で、
それの何が面白いのか?
さっきの話と同じですが、
そういうことは聞いてはいけません。
やってみなければ分かりません。
TwitterもFacebookも最初はそういう意見の人は多かったことを忘れてはいけません。

フォースクエア発祥のアメリカでは、フォースクエアはマーケティング上重要な位置をしめており、メイヤーを優遇する特典や、チェックインによるサービス、キャンペーン等でお客の競争心、ゲームを楽しむ心理をうまく商売に活用してます。
メイヤー専用の特等席とか、メイヤーの名前を店内に張り出すとか、メイヤー特別価格とか。
お店を持ってる人は、すぐにフォースクエアで自分のお店が登録されているかすぐ調べるべきだと思います。
たぶん勝手に誰かが登録してるかもしれないし、まったく存在してないかもしれない。
フォースクエア上に存在していないということは致命的になる時代が遠くない未来にくるかもしれません。
現にアメリカでは、知らない街にいくと、まずはフォースクエアを見て、近くにどういう店があってどういう特典があるかをチェックする人がでてきてます。
フォースクエアに無いということは、存在してないと同じことなのです。
お店を持っている人は、すぐに自分のお店を登録し、いろいろな特典、キャンペーンをフォースクエア上で展開するべきです。
初めて来た顧客用の特典とか、メイヤーへの特典 などなど
その他、おろしろいキャンペーンは好きに展開できます。
無料なので、状況に応じて自由自在にマーケティング、キャンペーンができます。
普通ならば、広告代理店を通じたりして、お金がかかり手間がかかることを、無料でリアルタイムでできることが、フォースクエアの魅力なのです。
本書では、たくさんの事例が紹介されており、
フォースクエアの活用方法がイメージできるよう、その一部をご紹介します。

午前11時から最初にチェックインした人に20ドルのギフトカード(スポーツオーソリティ)
午前11時から最初にチェックインした5人にタイムズスクエアの巨大看板に写真を掲示(タイムズスクエアのトイザらス)
友達3人と一緒にチェックインした人はどの商品でも24%割引(H&M)
メイヤーは無料でコーヒーが飲める(カフェ・コーヒー・デー/バンガロール最大のコーヒーチェーン)
メイヤーは毎夜VIP待遇(ザ・バンガード/ハリウッドのナイトクラブ)

などなど
日本でも最近ローソンがフォースクエアを使ったキャンペーンをしていたことは記憶に新しいですよね。

さあ、もうイメージができました。
この説明だけだと、なんだかクーポンだけの話の用に勘違いされるかもしれないけど、一番大切なのはゲーム性とソーシャル性です。
この「遊び心」が顧客をひきつけ、顧客との距離を近くし、ソーシャルで拡散されることから、爆発的にファンを作り出して行くことが可能なのです。
弱小商店が大手以上のファンを獲得していったような事例がこの本にはたくさん紹介されています。

そして、もっとも大切なことはフォースクエアを自分でやってみることです。
フォースクエアをブランディングに有効に活用しているNASAの方もこう言っています。

まず個人アカウントを取って自分で使ってみること。
ソーシャルメディアというのは、読んだだけではダメ。
使わなければいけない。
自分が使い方を分かっていれば、それをブランドのために役立てる方法が見えてくる。
ライバルが何をしているのか、特にうまく使っている人たちから学び取ることが大切だ。
そして、それをどうやって自分のビジネスに当てはめるのかを考えるのだ。

これはフォースクエアに限らず、全てに通じる言葉ですね。

スティーブ・ジョブズは、ほかのコンピュータ・ショップが失敗する中、アップルストアが大成功を納めた理由を聞かれて、こう答えました。

『ほかの店は「製品を売りさばく」のが仕事だった。アップルは「生活を豊かにする」のが仕事だった』

フォースクエアのような位置情報サービスも、顧客の生活を豊かにする手助けをし、顧客もそれに報いてくれることでしょう。

フォースクエアに限らず、今後は、ソーシャル、モバイルの時代にシフトすることは必至です。
まだまだ競争相手の少ない今だからこそ、ソーシャル、モバイルの世界へと、舵をとっていきましょう。

「標準的であるという観念を乗り越えろ。それは並外れた存在になる機会を奪う」
(ある演出家の言葉)


【参考】
カーマイン・ガロの著作
■スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン
[過去ブログ記事]
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3601396

■スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション
[過去ブログ記事]
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3753799

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