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希望の国

公開日: : 最終更新日:2019/12/30 映画感想文 ,

先日の総選挙で自民党政権が誕生しました。
我が国はいろいろな問題をかかえていますが、その1つ原発問題は今後どうなるのか注目されています。
私個人的には、賛成派、反対派、双方の意見ともに一理あるので、賛成なのか反対なのかを問われると、恥ずかしながら分からないとしか答えられません。
私は東北に数回ボランティアに行っただけの人間なので、安易に是非を言う立場でないですし、真のリアリティがないのが実感なところです。
もちろん政府は国益など総合的に考えて真剣に政策決定するはずでしょうが、そういった大きな視点で見ることはともかく、個人の生活サイズに視点を変えてみると、国益なんかどうでもよくなると思います。
園子温監督の最新作『希望の国』を観れば、
国益なんかよりも、原発反対という選択肢しかないように思えてきます。

園監督の前作「ヒミズ」は、荒れ球気味の豪速球で、若者の喪失感、絶望を描き、その若者と我が国を重ねることで、震災から復興する日本を応援するメッセージがこめられた映画でした。
もちろん根底には原発反対のメッセージが込められていました。
そして、本作は、遊び玉なしの直球だけのガチンコ勝負で、原発反対を唱えています。
園監督流の独特な演出は影を潜め、原発で被災した家族の物語を直球で描くことにより、原発問題に真っ正面から挑んでいます。
原発問題に過剰な演出は必要ないのでしょう。
だから、映画の内容はともかく、実際に原発で被害に遭うということがどういうことなのか、この家族に自分を投影することによって感じることができるのではないかと思います。

原発が無くなれば、
電力代金が上がる。
企業の経営を圧迫し経済が停滞する。
戦前のような生活に戻りたいのか?
賛成派の意見は一理あって否定はしない。
でも、そういう意見も、実際に被災すれば、吹っ飛ぶだろう。

原発賛成派の人、どっちか分からない派の人も
とりあえず、この映画を観よう。
そして、おのおの考えよう。
原発にどう向かっていけばいいのかを。

前作「ヒミズ」では、
残酷な人生、夢も希望もない人生だとしても
「とにかく生きろ」
という強烈なメッセージが胸に響きました。

今作も同じ。
どこに逃げても放射能から逃げることはできない。
でも愛があれば生きていける。

「とにかく生きろ」
それだけだ。

【参考:過去ブログ】
園監督の前作「ヒミズ」
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4120554

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