桐島、部活やめるってよ
僕は映画が好きだ。
2時間の間、主人公に感情移入することで、
せちがない現実を忘れることができるし、
世界で起こっている諸問題を教えてくれることもあるからだ。
でも、現実の世界では映画みたいなことはない。
かっこいい刑事はいない、テロリストと戦うこともない、冒険の旅なんかに出ることは無い。
ましてや絶世の美女と恋におちることもない、
僕たちにとっては、半径10メートルの世界、
他人にとってはどうでもいい世界が全てなんだ。
それって、他人にとっては、面白くもなんともない。
映画の題材にしても、面白くもない。
しかし、先日見た映画「桐島、部活やめるってよ」は違う。
僕のようなオッサンにとって、高校生の青春や恋愛なんて、まったくリアリティないし興味もない。そんなもんに2時間も拘束されるのは苦痛以外の何ものでもない。
しかし、この映画は僕のような枯れかけたオッサンでさえ、高校生の時代へタイムスリップしたかのように物語の世界へ没頭させてくれる。
大事件なんかなくても、有名な俳優なんか使わなくても、驚異の特殊効果なんか使わなくても、脚本と撮り方で、半径10メートルの話をネタにこれだけ素晴らしい映画ができるという見本だ。
ひとつひとつのシーンに無駄がない。登場人物ひとりひとりの微妙な心理描写、台詞の間、空気が絶妙だ。
そして、それらの全てを最後の1点のカタルシスへ持って行く手法が、コッポラなどの往年の巨匠へのオマージュを感じ、映画好きを唸らせる。
といっても、映画ファンを唸らせるだけのマニアックな映画ではない。
老若男女あらゆる世代の人間にオススメする。
高校のクラスのヒエラルヒーの上位にいるリア充から、下位にいるオタクまで
そして、体育会系の部活、文科系の部活、帰宅部と、
主要な登場人物だけで15人くらいいるのだけど、絶対だれかに自分を重ねて見れると思う。
高校生のころのトキメキ、せつなさ、夢、挫折感などその頃の自分を思い出すこと間違いない。
青春って、とても素晴らしい。
ほとんどは、絶対にプロなんかなりえっこないのに、
損得勘定なしに、毎日毎日一生懸命自分の好きなことを追い続け、もがき続けることのできたあの時代。
その素晴らしさ、それは何物にも代え難い宝物。
それらを「部活」というキーワードを通じて描いている。
たった半径10メートル以内の世界かもしれないけど、僕たち普通の人も、みんなそれぞれに、ハリウッド映画に負けないドラマを持っている。
それをうまく表現したこの映画に出会えたことに感謝。
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