セカ就! 世界で就職するという選択肢
10月6日の日経新聞の1面の特集記事に、
日本の就活で内定をとれなかったけど、単身ベトナムに渡り、生き生きと働く女性の話が掲載されてました。
「ベトナムにひきつけられる日本人女性 自由さが魅力」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM04039_U3A001C1000000/
今の学生には凄まじい就活戦線が待っています。
内定をとれずに自殺する人もいます。
よしんば、就活を乗り切ったとしても、
・少子高齢化でマーケットが縮小していく社会
・小さなパイを奪い合う社会
・中高年が退場せず、若者を搾取する社会
・人口の50%もいる女性を有効活用できない社会
こうした社会が待っています。
少し前なら、そこで一生もがき続けるしか選択肢は無かったです。
しかし、ちょっと日本のすぐ近くのアジアに目を向ければ、どこもかしこも急成長のまっただ中です。
わざわざ少ないパイを奪い合って疲弊しなくても、ベトナムで働く女性のように、成長著しいアジアの国々で働くという選択肢、
があるってことを知る人は意外に少ないです。
世界就職
略して「セカシュー」
これは、その入門本です。
セカ就! 世界で就職するという選択肢 森山 たつを 朝日出版社 |
これはフィクションなのですが、作者が実際に会って話を聞いた人たちの実体験をベースとしています。
登場人物は
ブラック企業を辞めてインドネシア就職(23歳男性)
スーパーの契約社員からシンガポール就職 (26歳女性)
貿易会社派遣社員からのタイ就職(29歳女性)
Web制作会社からのマレーシア就職(25歳男性)
大企業から香港就職(37歳男性)
彼らは、エリートでも、バイリンガルでもない、ごく普通の普通の若者たちです。
そんな彼らが、もがきながら、アジアでチャンスをつかんでいく様子を軽快なタッチで描いています。
読み進むうちに、いつの間にか彼らを自分に置き換えてることでしょう。
セカシューとはどういうものなのか、具体的にイメージすることができるに違いありません。
誰かに未知のものを理解させるには、まずはフィクションにしたらいい。
マジメなドキュメンタリーよりも、物語の方が取っ付きやすいから。
広島の原爆の悲惨さを知るには、まずは「はだしのゲン」を読めばいい。
ドラッカーのことを知るには、まずは「もしドラ」を読めばいい。
そして、全体のおおまかなことがイメージできる。
興味がわけば、もっと掘り下げればいい。
だから、著者は、セカシューという選択肢を多くの若者に広める手段として、小説という形式を選んだのだと思います。
日本の高度成長期には、
地方の学生たちは、チャンスを求めて、夜行列車に乗って、東京に上京しました。
今、日本の成長は止まりましたが、お隣のアジアの国々は高度成長期を続けてます。
インターネットやLCCのおかげで、アジアの距離は縮まりました。
昔の地方の学生と同じ感覚でアジアに渡り、働くことができる時代になりました。
普通に生活をしていたらそういった潮流に気づきませんが、
そういうことに気づいてる人は、どんどんアジアに出ていってます。
私の知る限りでも、2名の若者が日本企業のシンガポール現地法人へ転職し、ご活躍されています。
就活で疲弊する前に、
学生や20代の若者に読んでほしい。
こういう選択肢があることを知ってもらいたい。
で、
そういう自分はどうかって?
こんなこというのは卑怯だけど、
私は、あと10年若ければ絶対チャレンジしてたはず。
こちらもどうぞ。
セカ就!外伝 親子で世界就職 森山 たつを 森出版 |
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