*

映画『万引き家族』を観て(ネタバレあり)

公開日: : 最終更新日:2018/07/03 映画感想文 ,

 

Manbiki

 

 

 

(注意)ネタバレあり

 

 

カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した「万引き家族」をみた。

 

 

私は、是枝監督の映画は、

「歩いても歩いても」

「そして父になる」

2本しか観てないけど、

その2本とも「家族とはなんぞや」というテーマで、観る者の心をエグってくる。

それも、テーマをゴリゴリに押し付けることなく、自然な描写で、静かに心をエグってくる。

 

本作も同様に、静かで淡々とした展開なのだが、児童虐待、年金詐欺といった現代社会の忌まわしき事件を背景に、不穏な空気が流れ、なんとも言えないやるせなさが心を突いてくる。

 

登場人物の背景などの説明が全くないから、脳はそれを補うために、画面・セリフに集中し、想像力が掻き立てられる。

是枝監督の映画は、観客に行間を読まさせる。

 

物語が進行する中、登場人物の会話、仕草、画面の様子から、徐々にいろいろなことが判明する。

最初、私は、リリー・フランキー演じる男の目線からこの家族に良い感情を持って物語に没入した。後半、ある真実がわかった途端に、私の脳は善悪の二次元論で語れないことに混乱した。

結局、この物語の真相の全ては明確に提示されず、観客に委ねられる。

 

映画中盤で冗談っぽく、リリーフランキー演ずる男が、万引き家族は「お金で繋がった関係」だと言う。その時は冗談だと気に留めてなかったあの台詞が伏線となって、後半で色々とグッとくる。お婆さんも、その他の人たちも、結局はお金だったのか、いや違うとか、心をかき乱される。

 

万引き家族は、弱い者たちが寄り添い、お金でつながれている疑似家族だったにかもしれないけど、実の家族以上に幸福だったように見えた。

だが、その幸福は永遠には続かない、いつかは壊れる脆いものだと、万引き家族の少年は心で理解してたのだろうか。

少年は、ある行動をとって家族を崩壊させ、それをリリーフランキー演じる男に告白する。告白後の毅然とした態度が男にとって残酷なシーンだったが、過去と決別し自分の未来を生きることを選択した少年の毅然とした態度に希望を感じた。未来は子供達の手にあるものだと。

 

そしてもう1人の子供はどうだったのか。

少年とは対照的に、少女は再び虐待のある救いようのない現実に戻ったかのように見える。

少女は何かに気づくが、映画は唐突にそこでプツリと終わる。

 

彼女の目には何が見えたのだろうか。

僕は、希望が見えたと思いたい。

 

  

 

 

 

 

 

 

ad

    この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
    ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が良かったらビットコインで寄付をお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット



関連記事

no image

心に残るエンドロール

私は映画館で映画を観るとき、エンドロールを最後まで観る派です。 私は映画を観始めると、主人公に感情移

記事を読む

スラムドッグ$ミリオネア

ファイナル・アンサー! 日本では「みのもんた」でおなじみのクイズ番組を使って、リアル・インドを描い

記事を読む

『ミッション:インポッシブルファイナル・レコニング』でストレス解消

  2025年5月30日   フライデーナイトは仕事帰りに『ミッション:インポッシブルファイナル・レ

記事を読む

no image

プラダを着た悪魔

今日の日曜洋画劇場はアン・ハサウェイ主演の『プラダを着た悪魔』だった。 何度観てもいい映画。 見終わ

記事を読む

Tatsuyaの2025年劇場映画ベスト3

  今年を振り返る自己満足企画「個人的映画ベスト3」です。 2010年から続けてるので、今年で15

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

2025年Tatsuya’s Blog 年間アクセスランキング

2025年最後のブログは、毎年恒例の 「Tatsuya’s blog

Tatsuyaの2025年劇場映画ベスト3

  今年を振り返る自己満足企画「個人的映画ベスト3」です。 2010

『羅小黒戦記2』を観た

2025年12月28日 今はネットでいつでもたくさん映画を観ることがで

アリ・アスター監督の新作『エディントンへようこそ』を観た。

2025年12月28日アリ・アスター監督の新作『エディントンへようこそ

『ズートピア2』を観た。

『ズートピア2』を観た。前作と同じく道徳の押し付けではなく楽しみながら

→もっと見る

PAGE TOP ↑