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「IoT Conference 2018 デジタライゼーションの未来」 備忘録メモ

 

6月15日に、このイベントに参加しました。

 

IoT Conference 2018 デジタライゼーションの未来

http://iotconference.jp/

 

 

半月前のことですが、せっかくなので、備忘録として残します。

 

参加費1万円(自費)の有料のイベントです。

奮発しました。

 

 

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さて、内容をざっと、箇条書きします。

当日の講演を聞きながらPCにタイプした自分用メモをコピペしたものですので、読みづらいと思いますし、実際の講演内容とは相違する点があるかもしれませんが、ご了承ください。

 

また、講演に来ないと分からないような重要なことは書いてませんので、あしからず。

 

 

 

1. 講演内容


(1)「Everything Goes Digital!~デジタルとアナログを繋いで新たな世界を想像する~」 / 株式会社ウフル


・今後5年で日本のデータの総量が5倍になるにもかかわらず,世界に占める割合は8%から5%へ低下する。 つまり,日本以外の国のIoTが急成長する。 

・現在のムーブメントは「デジタライズ」であり,ビジネスモデル全体をデジタル空間上にマッピングすることである。

・デジタライズの特徴は,物理的な場所の制約を受けないこと,時間的な制約をうけないこと(過去に戻す,未来に飛ばす),シミュレーションが可能(リアルタイム。なんども),コピー可能であること。

・X-Tech(Fin-Tech,AdTechなど当該業界以外のプレイヤーからベンチャーを中心にITを武器として参入しているビジネスモデル)が業界の垣根を崩し,業界自体を破壊する。

・IoTは現実世界からデジタルにつなげる手段であり,AIは人間が解析できる質と量を超えた大量のデータを分v析するもの。大量のデータを分析するからAIが必要になる。(データがないとAIは意味が無い。AIありきではいけない)

・IoTはカイゼンではない。わずか数%のカイゼンのためにリソースを投入するのではない。もっと大きな劇的に変わるかもしれないという視点が必要。継続的なカイゼン・目先のカイゼンではなく,それを破壊できるかという視点が必要。

・それぞれの部分最適ではなく,工場の外まで着目すること。(例えば,コマツのKOMTRAX) 

・いままでは「モノを作りました」で終わっている。 その後データを精緻にとること,自分たちの関与するところにコミットすること。製造業の定義が広がっており,モノを作るだけが製造業ではない時代になっている。課金ポイントはいくらでもある。

・今年は「産業別プラットフォーム元年」と呼ばれる。各業界のトップ企業がオープンなプラットフォームを提供する。(コマツのLANDLOG,ファナックのFIELD Systemなど)

・これは,データを自社だけで持つのではなく,どうぞどんどんデータを使って下さいというスタイル。

・自社の強みとなる様々な設備や機械の現場データを蓄積し,それを外部パートナーに開放して新たなサービスやアプリを作ってもらい,エコシステムを形成する。みんなが勝手に作ってくれることで,可能性が広がる。

・すべての企業,政府がデジタル化する時に来ている。さもなくば10年後までに今の企業の40%は姿を消すだろう。

・デジタル化が目的ではない。すべてがデジタル化する向かう中で,そのデータや分析が,どれだけアナログな現場にフィードバックできるかが重要で,競争力はそこで決まる。

 

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(2)デジタル化が描く未来 / シーメンス株式会社

 

・先進国で1円もうけるのに1番生産性が低いのは日本

・市場へ,より早く出すこと,既存の技術を組み合わせること,手間ひまをかけてはいけない。

・全部自分でやろうとしてはいけない。インダストリー4.0の共通言語である「RAMI4.0」に基づくべきだ。

・いくら設計が最先端のデジタル技術を持っていたといても製造現場にデジタルプラットフォームがないと,先進技術は役に立たない。全てをデジタル化しないといけない。

・シーメンスでは設計が終わったら5分後の大量生産が可能になる。

・アディダスのスピードファクトリーでは,導入後,自動化率は3%から50%にアップした。

・IoTの本質は,“汎用技術の組み合わせ”でできること。アマゾンやグーグルに対抗して自分たちでクラウドを開発することは無謀。そもそもアマゾンやグーグルの研究開発費は桁違いで勝てるわけがない。彼らに対抗してAIとか作ってる場合ではない。彼らのAIを利用すること。工場のことはこちらの方が知っている。

・我々製造業は繋げるところ(コネクション)に集中すること。アマゾン,グーグルは製造業のことは分からない。

・WindowsなどOSはモノの違いを吸収する。かつてマウスやプリンターにはドライブが必要だったが,今はOSのおかげでプラグ&プレイが可能になった。同様にIoTもプラグ&プレイになる。クラウドはアマゾンを利用し,我々はOSを目指す。

・シーメンスの「MindSphere」はプラットフォームではない。OSだ。多くの大企業に利用いただいている。

・大企業だけでなく,北陸の中小企業アイデンに低価格で「MindSphere」を導入し,つながる工場が実現できている。

・IoTは,初音ミクと同じ UGC(User Generate Contents)である。 IoTによって,すべてのひとが開発者になる。

・IoTのポイントは「標準品を組み合わせ、ユーザーがそれを自在に活用し、”勝手に体験を生みだす”こと」にあり、シーメンスはその基盤を提供する。

 

 

(3)生活に浸透するチャットボットやスマートスピーカーが変える未来 / LINE株式会社


・LINEでは,個人間の会話情報は取得できないが,企業と個人のチャットデータを取得し,それをマイクロソフトのAIで分析している。

・AIは既にコモディティ化しており,今後はAIにどれだけデータを提供できるのかが競争の源泉になる。

・LINEの主力事業は,広告,Fintech, AIである。LINEは日本では圧倒的だが,テンセントのWeChatが脅威であり,テンセントの状況は常にチェックしている。LINEの次の戦略はWeChatの戦略をみたら分かると思う。

・AIスピーカーはアマゾン,グーグルの独壇場であるが,日本人の60%が毎日使っているLINEは日本語のデータでは負けない。日本語AIのデファクトを狙う。

・現在は,アプリはまったく売れない時代だ。アプリをわざわざダウンロードしてそれを毎日使わせるなんて凄く難しい。自社でアプリを作るくらいなら,日本人の60%近くが毎日使うLINEをプラットフォームとしてアプリケーションを作るべきだ。

(WechatのMiniProgramのようにLINEもLINE内で完結するアプリ開発環境を提供)

・たとえば,LINEのAPIを使って,水やりをするようデバイス,戸締りをチェックするサービス(Leafee),自動販売機に組み込んだLINE Beaconによるスマート自動販売機(KIRIN)など実際に事例が出てきた。

・LINEは,中国勢に席巻される前に,2018年度中に日本中にQRコード決済を普及させる。

 

 

(4)AIが加速するデジタルトランスフォーメーション / 日本電気株式会社 


・2050年には地球2つ分の資源が必要,ギャップをうめるには,ITC,デジタルしかない。デジタルトランスフォーメーション(AI,IoTなどの最新テクノロジーを使って,ビジネスや社会をよりよい方向へ変革させる)の時代だ。

・NECは製造業ではなく,もはやデジタルトランスフォーメーション企業である。

 

【事例】

・医療社団法人KNI(東京都八王子市) へのAIによる病院の自動化(RPA,AIを駆使したデジタルホスピタル)

・セブンイレブンジャパンの冷蔵庫の故障予知。セブンイレブンでは現在、店舗の冷蔵庫などの機械の点検は加盟店がやってる。故障したら機会損失が発生する。保守員が巡回しなくても,AI,IoTを駆使して,故障予知するシステムを提供している。

 

 

(5)アディティブマニュファクチャリング・ソリューションがもたらすものづくりの未来 / 株式会社ストラタシス・ジャパン

 

・ストラタシスは,工業用3Dプリンタで世界シェア50%近くあるアメリカの企業

・ストラシス創業者が,グルーガンで娘のためにおもちゃを作ったときに3Dプリンタのアイデアがひらめき,ビジネスにした。

・3Dプリンタはもとは名古屋の人が発明した技術であるが,パテントをとらなかった。

・3Dプリンタが普及したのは,大量消費から多様消費へ転換したから。 プロトタイプではなく,いきなり製品を作ることができる。

・アディティブ・マニュファクチャリング(Additive Manufacturing,略してAMとよばれる)とは,積層造形とか不可造形といわれ,一般的には3Dプリンティングのことをいう。

・なぜ今AM(Additive Manufacturing)なのかというと,大量消費から多様消費の時代において,デザイン自由度,部品点数の削減,コストダウンといった点から急速に普及している。

・IoTと3Dプリンタは親和性がある。プリント行程で中にセンサーいれることができる。AMは,途中で機械をとめて。中にセンサーをいれることができる。パーツアダプテーション(後付)も3Dプリンタの得意分野だ。

・日本では,現場に3DCADがないとか,属人的理由(治具は先代からお世話になってる鉄鋼屋さんに頼むとか,メタルじゃないといけないという拘りなど),フィギュアなどを作る小型3Dプリンターのイメージが先行しているなどで,普及が遅れている。

・一方で,世界をみると,エアバスのA350の部品100点は既に3Dプリンターで作っているし,ほかにもNASAのOrion Mission,シンガポールエアライン,UPS,HackRodのシャシー,ドバイ未来財団の3Dプリンター家,アディダスの3Dプリントシューズなど数多くの事例がある。

・GEでは,今あるすべての製品をAMに置き換えることを目指している。

 300種類の部品,60名の設計者 -> 1種類の部品,6名の設計者

 50種類の生産設備 -> 1種類の生産設備

 5社のアフターセール -> 1社の保守ソース

 40のデータ -> 1つのデータ

・ストラタシスが運営している「GRAB CAD」 というサイトでは,世界中のCADデザイナーやエンジニアから400万もの3DCADのデータがオープンで無料で公開されている。(3DCAD界のYouTube,GitHubといえる)

・GRAB CADの登録者は,日本人は1万人だが,中国4万人,韓国4万人,シンガポール1万人,北朝鮮2000人である。 日本人は,アジアでは下から2番目(その下は北朝鮮)

・日本人は,英語ができない,オープンイノベーションに理解がないとか,AMに限らず,こういったところで国際競争力が落ちていることが分かる。

・GRAB CAD内ではGRAB CADチャレンジというコンテストが頻繁に開催されている。企業が設計条件を提示し,懸賞金をかけて世界中のデザイナーに設計を依頼する場となっている。(GE,エアバス,NASAが実際に利用している)

・最近GEが募集したコンテストの優勝者は,インドネシア人,GE製品のある部品の84%の軽量化を実現した。

・登録したデザイナーがランキング化されており,世界中から自分の技術を試すため,学習のために,デザイナーが集まってくる仕組みが形成されている。

 

 

(6)デジタルトランスフォーメーションを担う組織づくり / 株式会社デンソー

 

・自動車部品メイカーも急速にデジタル化へ移行している。背景として,現在はITのカンブリア大爆発であり,変化は急にかわる,それが今だ。 今までの歴史から,馬車から車,携帯からスマホなど,変化は一気に来る・

・日本のITエンジニアは,75%がITベンダー企業,25%がユーザー企業に所属している。USAはほぼ逆で,72%がユーザー企業,28%がITベンダー企業に所属している。 ITはITベンダーにやらせるといった受託・人月モデルによって,ユーザー企業にエンジニアがいないのがデジタライズが遅れている原因のひとつだと思う。

・自動車業界の潮流として,CASE (Connected:つながる,Automous :自動運転,Sharing :所有から利用へ,EV :電動化)といわれるが,なかでもSとEが怖い。車の数が減る。部品が減る。だから早くMaaS(Mobility as a Service)にとりかかる必要がある。だから,デンソーはITエンジニアを人材を自社にとりこむために,デジタルイノベーション室を作った。

・社内で新規にデジタルイノベーション室をつくるときは,「俺たちがする」という上から目線な態度はだめで,泥臭いところも最後は面倒を見るというスタンスで他部署の信頼を得ることが必要だ。また,やりたい人が集まる仕組みが必要で,外部に発信することでエンジニアが集まる仕組みを構築した。

・新規事業を興すディスラプター(破壊者)のアプローチには大きく3点ある。①ゼロからイチを創る(デザイン思考,サービスデザイン)、②早く作る,安く作る(クラウド,オープンソース)、③作りながら考える,顧客とともに創る(内製化,アジャイル開発)

・デジタル化は,徹底的にオープンソース,クラウドを使い小さく始めること。チームの規模は小さいほうがいい。多いとコミュニケーションコストがかかる。

 

 

 

2.所見 


登壇者全員にほぼ共通の見解は,事前のマーケティング重視の計画的大量生産の昭和平成モデルでは,非連続なイノベーションが起こる今の時代では通じないということ。

 

キーワードは,スモールスタート,アジャイル開発,内製化,汎用化だ。

 

また,今年は「産業別プラットフォーム元年」といわれるように,各業界のトップ企業がデータを共通利用するプラットフォームをAWSなどのクラウドを利用して構築する流れになっており,オープンでない企業は淘汰されるであろう。

 

つまり,アジャイル,スモールスタートできる汎用的な環境は整っているので,中小企業でもコンサル会社,IT企業に頼ることなく,自社である程度デジタライズが可能ということ。

もしくは,各業界トップ企業のプラットフォームに加わり,業界として生き残る道を探るべきだ。

そうでないと生き残れない。

 

 

最後に,個人的な経験則でいうと,コンサル会社,自治体,学者先生の講演よりも,実際にIoTビジネスの最前線にいる民間企業のカンファレンスの方が,危機感が肌感覚で伝わってくるし,大きな知見を得ることができる。

 

 

 

 

 

 

P.S.

お弁当が出るセミナーは初参加。

ウヒョー。

 

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