思考の整理学
「東大・京大で1番読まれた本」というオビにつられて購入。
1986年インターネットの登場の前の本なので、いささか古いと感ずるところはあるが、なるほどといえる箇所がたくさん。
それにエッセイ調の文章で気楽に読める。
学校は自分じゃ飛べないグライダー人間を量産している。
自力で飛ぶ飛行機人間はつくらない。
学校では従順さが尊重される。
勝手に飛び上がったりするのは規律違反。
やがてそれぞれにグライダーらしくなって卒業する。
グライダーで安心できないのは、
コンピューターという優秀なグライダー能力の持ち主があらわれたからである。
自分で飛べない人間はコンピューターに仕事を奪われる。
学校がどんどんグライダーを社会へ送り出すから、グライダーがあふれる。
飛行機はグライダーにとって迷惑な存在である。
創造性がやかましく言われだしたのは、これではいけないという反省が生まれつつあるのを物語っている。
ただ、まだ、本当の創造の方法は考えられていない。
ほんとうにこれが24年前?
インターネットはもちろんウィンドウズもない時代、この慧眼には目を見張る。
しかし状況は24年前と変わってないような気がする。
逆にグライダー人間が増えているのではないかと。
ということで本書は、
自分で飛ぶことのできる飛行機方人間になるにはどうしたらよいかをテーマとした書である。
読書、ノートのとり方など、いろいろな方法が書かれているが、
その中で、なるほどと思ったところは、
■忘れる
思考の整理とは、いかにうまく忘れれるか、である。
忘れて、「時の試練」による古典化という整理ができる。
■とにかく書いてみる
三多
・看多 ・・・ 多くの本を読む
・做多(さた)・・・ 多く文を書く
・商量多・・ 多く工夫し、推敲する
■良い考えの生まやすい状況
①三上 (馬上、枕上、厠上)
②三中 (無我夢中、散歩中、入浴中)
いずれも「最中」である。
そのつもりになれば、いたるところで妙想が得られる。
そして、
インブリーディング(inbreeding)〔同系繁殖、近親交配〕はよろしくない
というくだりには激しく同意する。
現代社会でよく使われるダイバーシティ(多様性)に通じるところだ。
インブリーディングは生物学的に遺伝上の問題をおこすのはよく知られているが、知的な分野でもよろしくない。
たとえば、同族会社は弱体化しやすいし、
大学でも、専門分化、知的分業は、似たもの同士を同じところに集めるので、新しい思考を生み出さない。
どんな分野、環境でも、異質な要素を混ぜることが大事なのだ。
PS.
良いアイデアは、日常のふとしたときに出てくる。
アルキメデスは入浴中に比重の原理を発見し「ユーリーカ」と叫んだ。
決して会議室ではない。
フリスクのCMも語ってる。
ad
- Tweet
-
この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット
関連記事
-
Tatsuyaが選ぶ2016年ベストBOOK
年末恒例のTatsuyaの今年を振り返る自己満足シリーズ第3弾。 今回は、もともと
-
なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?
平社員のときはエースだったのに、、、 上司からも同僚からも「仕事ができるヤツ」だとチヤホヤされてた
ad
- PREV
- 7つの習慣 (第2の習慣:目的を持って始める)
- NEXT
- 1Q84 BOOK3