差別化の難しい時代で生き残るためのヒント ~映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観て

本年度のアカデミー賞作品賞の「スポットライト」を観ました。
ボストングローブ社のジャーナリストたちが、多数の神父による幼児への性的虐待を教会が組織ぐるみで隠蔽していたスキャンダルを暴くという実話を映画化したものです。
まずは、とても丁寧な映画だなーという印象を持ちました。
ボストンだけで90人近くの神父が性的虐待をしていたという内容自体は衝撃的なのですが、映画自体は相当地味です。
ジャーナリストたちが取材を重ね、裏を取り、丹念に事実を掘り下げていく過程を、地味な映像、抑えた演技で進めていきます。
日本に住んで無宗教な私には、ピンときませんが、ボストンのようなアメリカの地方において教会は絶対的な地位・権力があるらしく、ボストングローブ社は読者の半数がカトリック教徒にもかかわらず、その教会のスキャンダルを暴くことは、とても勇気があることだったのではないかと想像できます。
たとえ相手が誰であろうとペンで戦う。そういったジャーナリストの情熱を感じるので、地味だけど深く映画の世界へ没頭できたのだと思います。
ところで、わが国では新聞の購読者は減少を続けています。
今や20代に至っては8%しか新聞を購読しておらず、新聞はすっかり高齢者のメディアであると言えます。
(情報ソース)
20代でも新聞は約1割しか読んでいない…主要メディアの利用状況をグラフ化してみる(2015年)
http://www.garbagenews.net/archives/2153474.html
日本の新聞は、政府の発表や、企業のプレスリリース、海外ニュースをそのまま載せるだけのメディアと化しています。
プレスリリースの前に掲載することをスクープっていう人がいますが、放っておいてもいずれ大衆に公開されることを、スクープとは言いません。
公開される事実を載せるだけでは、ジャーナリズムとはいえず、NAVERのまとめサイトと大して変わりありません。
そういった状況で、新聞がインターネットに勝てるわけはなく、若者が新聞を読まなくなったのも至極当然なことなのでしょう。
この映画では、最初は1件の性的虐待事件でした。
その事件は、誰もが知っていた情報でした。
その加害者個人を糾弾するだけでは、一時的に騒がれるかもしれないけど、代表者が謝罪して終わりになるだけでしょう。
「システムの不正を暴かないと意味がない」
という主人公のセリフが印象的です。
その1件を丁寧に取材していくにつれ、点と点がどんどんつながっていき、最終的には全世界の教会を巻き込んだスキャンダルに発展しました。
こういった取材力に裏打ちされた記事、それが新聞のストロングポイント、価値であり、インターネット時代を生き残る武器と言えるのでしょう。
これは、そのまま他の業界にも当てはまることです。
1つ1つは価値がないものや価値に気がつかないものを繋げて価値のあるものにし提供することが、コモディティーにならず大競争時代を生き抜く術なのだと、改めて感じうるところでした。
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