*

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観て

 

「理力」
 
僕がはじめてスターウォーズに触れたのは、小学生低学年のころ。
兄が購入した小説版だったと思う。
 
その小説版には、フォースのことを「理力」と訳されていた。
 
 
 
それから40年という月日が経った。
 
スターウォーズの最新作エピソード9「スカイウォーカーの夜明け」を観た。それも公開初日夜0時のカウントダウン上映。
40年も追っかけてきたので、それなりに感慨深かった。
でも、なぜか心には残らなかった。
『ロード・オブ・ザ・リング』のような完璧な大団円とはいかないまでも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『スターウォーズ/ジェダイの帰還』のように、「あー、ついに終わりかー」ってのを期待してた。
 
 
なぜ、心に残らなかったのだろう。
時代背景、ライバルの存在なのかなって思う。
 
 
最初のスターウォーズ(エピソード4~6)は無双だった。
過去にこんなに凄い映画はなかったから。
 
2番目のスターウォーズ(エピソード1~3)には、『ロード・オブ・ザ・リング』『ハリーポッター』という強敵がいた。
スターウォーズはすでに以前のように無双ではなかった。
観客の求めるものが以前とは比べ物にならないくらい刺激的になってきたことに呼応するかのようにジェダイの戦いがアクロバティックになった。ヨーダですらピョンピョン跳ねる。
時代に合わそうとする苦労が感じ取れた。
まだ、創造主であるジョージルーカスだからしょうがないですんだ。
肉体的なアクロバティックが現代風になったくらいで、まだフォースは東洋的精神からは大きく逸脱することはなかった。
 
このころは「理力」とは言わなくなり、「フォース」という言葉は、世界共通語になった。
 
 
そして今回のシリーズ。
前回のシリーズから今回の間には、マーベル・シネマティック・ユニバースという宇宙を形成したマーベルが大きな勢力になっていた。
マーベルがSF映画のデフォになった観客を満足させるには、マーベル並みの刺激で対抗するしかなかったのかもしれない。
 
 
前作「最後のジェダイ」でそれが一気にきた。
精神的側面が強かったフォースが強大になった。
 
レイアが宇宙空間で死なない。
ルークが超遠隔で戦う。
 
そして「スカイウォーカーの夜明け」
もはやドラゴンボールかのような強さのインフレの歯止めがきかなくなった。
 
フォースで飛行艇を止める。
スターデストロイヤーに匹敵するラスボスのフォース
 
 
 
そもそもスターウォーズは荒唐無稽な話なんだけど、それでも荒唐無稽の中でもそれなりの秩序って必要だと思う。
 
最初のシリーズのベンケノービ、ヨーダが説く「理力」は、東洋の自然観、世界観を反映して、とても深淵だった。
 
「ジョジョの奇妙な冒険」に登場すの最強生物カーズでさえ克服できなかった宇宙空間でレイアが死なない、フォースが飛行艇を破壊する。そんなアヴェンジャーズ的超能力になった時点で、僕の求めるスターウォーズではなくなった。
 
 
 
 
と、文句を言うのはやめよう。
そういうお前に作れるのかよって言われたらそれまでだし。
 
これだけ文句いうのも、スターウォーズが好きだから。
スターウォーズの最新作があるから。
 
 
 
このように世界中のスターウォーズファン1人1人にそれぞれの思いがあるスターウォーズという作品を、よくまとめて完結まで持っていったことは、映画史に残る偉業であることは間違いない。
 
 
 
いったん完結になったけど、スターウォーズの映画はまだまだ作られる。
 
僕は、次回作を見ても文句ばかり言うんだろうなあ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

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