911と311、そして119
公開日:
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最終更新日:2016/07/31
本
今日は9月11日。
あのニューヨーク同時多発テロから10年が経つ。
そして、東日本大震災から半年が経つ。
911と311には類似点が多い。
今読み中のレベッカ・ソルニットの『災害ユートピア』という本より以下改変抜粋。
911も311も、国家は機能せず、市民が機能した。
市民が相互扶助と利他主義を発揮し、われわれの理想である直接民主主義が達成された。
権威が不在でも、市民の中には、市民社会を作る意志も能力もあるということだ。
しかし、市民がその機知を結集したとたん、国家は市民から地位を取り返そうとする。
国家の対応のまずさを、他の物にすり替える事で。。。
ブッシュは軍国主義と個人主義と大量消費主義で、アメリカを市民の手から取り戻した。
そして、911から今に至るまでアメリカの迷走が続いている。
そういう我が国も、311により国家の無能さが日に日に露呈されている。
911と同じくエリートパニックが随所に表れている。
市民や民間企業の方が迅速かつ的確に対応している。
一体、国家って何なんだろうって思う。
また、911のハイジャックへの対応は、理想の意思決定とは何かを考えさせられる。
権威主義的で中央主権型の上意下達モデルは、ツインタワー激突を防ぐ事ができなかったが、
市民単位で機能し力の分散した平等主義のモデル(ペンシルバニアで墜落した飛行機の乗客)はテロを阻止した。
上意下達モデルの限界、分散型のモデルの可能性を示唆する。
そして、昨今の「アラブの春」もそうだが、市民が結集すれば国家を凌駕する。
国家は市民を侮ってはいけない。
そして、911はイマジネーションについても考えさせられる。
「イマジネーションは知識よりも大事である」
(アルバート・アインシュタイン)
以下、トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』より改変抜粋。
911により、世界は一変した。
破壊的なイマジネーションが、世界中に満ちあふれた。
同時多発テロの中心的人物ハリド・シェイク・モハメドは、優秀な起業家と変わらない。
豊かなイマジネーションで同時多発テロを企画し、ベンチャー投資家であり優秀なサプライチェーン管理者であるビンラディンに売り込んだ。
9月11日の月日を反対にした11月9日は、ベルリンの壁崩壊の日だ。
われわれのイマジネーションは911ではなく119であるべきだ。
そのためには、環境がとても大切だ。
前向きなイマジネーションを現実に変えられるような環境を若者に与えることだ。
丘の上の豪邸に住んでいる人を見て、
「お父さん、いつかあいつを殺してやる」
と言うのではなく、
「お父さん、僕もいつかああいう人になるよ」
という子供に育てる事だ。
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