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「空気」の研究

公開日: :

私はKYって言葉が大嫌い。
空気読めない?
それがどうした!

我々を支配しているその「空気」って何なんだろう?
人間って、それぞれみんな頭いいはずなのに、集団になると愚かになること多し。
その理由のほとんどが「空気」のような気がする。
「あの場の空気じゃ、しょうがない」
「君のいうことは正論だけど、空気を読んだほうがいいよ」
こんな場面、よく出くわすよね。

一体「空気」って、何なんだろうと思い、
この本を手にした。


読んだ直後の感想。
チョー、難しい。。。

内容をちょっと紹介しますと。
著者はルソン島従軍、マニラ収容所の経験から
そもそもなぜ太平洋戦争をしたのかという問題提起から始まる。
軍上層部は、海も陸も空も熟知し、米軍の戦力も熟知したエリート集団のはずなのに、無謀な戦争に突入することを止めれなかった。早期終結することができなかった。
軍上層部の人たちの戦後のこれらの発言にヒントがある。
「私は当時ああせざるを得なかった」
(連合艦隊司令長官)
「全般の空気よりして、当時も今日も戦艦大和の特攻出撃は当然と思う」
(軍令部次長)
まさしく「空気」である。。。

空気とは、
臨在感的把握の絶対化に基づく対象による被支配のこと。
われわれは対象を臨在感的に把握してこれを絶対化し、
「言必信、行必果」なものを、純粋な立派な人間、
対象を相対化するものを不純な人間と見るのである。

。。。。???
む、むずかしい。
万事この調子なので、とても難解。

もっと、すすめよう。
一神教の人たちは、神が唯一絶対的な存在であり、他はみな相対化される。
われわれ日本人は、多神教なので物事を相対化するようなことは苦手だ。
つまり、反対意見をいうことができない。というか反対意見すら思い浮かばない。
そうはいっても、絶対化の対象が無数にあるので、その対象が次から次へと変わり、絶対的対象が時間的経過によって相対化されやすい世界である。
それが絶えず対象から対象へと目移りがして、しかも移った一時期はこれに呪縛されたようになり、次に別の対象に移れば前の対象はケロリと忘れる。
だから日本人は熱しやすく冷めやすい、
よく言えば、その場の空気に臨機応変に巧みに対応する。
われわれは、常に何らかの命題
例えば
「忠君愛国」
「正しいものはむくわれる」
など
を絶対化し、そういった命題を臨在的に把握し、その”空気”で支配されてきた。
言葉の偶像支配である。

そうはいっても、明治以前の日本人は、「空気」に「水」で対抗してきた。
空気に「水を差す」ことで対抗していた。
「水」とは事実のことである。
「アメリカと戦争しよう」という意見に対し、
「金も資源もないよ」
と水を指せば、あの戦争はそもそもできなかったはず。
なんで、水を指せなくなったのか?
そのへんの考察もあるのだが、いかんせん超難解なので、各自本書を読んでご理解くだされ。

その他、
なぜ日本人のサラリーマンは会社の不正をかばうのか?
なぜ日本人の秘書は政治家の不正をかばうのか?
それは孔子の
「父は子のために隠し、子は父のために隠し」
から来てるという洞察には興味深い。

空気の支配から逃れるためにはどうするか?
具体的な解決策は提示されていないが、
空気の存在を理解するだけでも、とても有益な書であった。
空気って、おそろしい。
空気が読めないがために、いじめられ、自殺する人もいる。
空気に流されないように生きて行きたい。
そして、水を指す人間って、嫌われるけど大事なこと。
皆が同じ方向を向いているときに、
ちょっとでもワキ見ができる視野の広い人間になりたいものだ。

(参考)
KYをテーマに英語でスピーチをしたことがあります。
そのスピーチの原稿がこれ。
Let’s KY!
http://tatsuya1970.blogspot.com/2011/07/lets-ky.html

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