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デフレの正体

公開日: : 最終更新日:2014/07/26 ,

いまさらながら、『デフレの正体』を読んだ。
去年の本なのに、最近facebookの友達が同時に2人、この本を読んでたので、
「この本を読みなさい」という啓示なのかと思い、今さらながら読んでみた。

口を開けば、
不景気だあ、不景気だあ。
自分の給料があがらないのも、リストラされるのも、
みんな不景気のせいだ。
100年に1度の不景気だからしょうがない。
だから、景気さえ良くなれば大丈夫。。。。

それは大きな勘違い。
景気、不景気なんて関係ない。

老人が凄まじい勢いで増えている。
消費する若者がどんどん減っている。
老人が激増し、現役世代が激減している。
それがすべての原因だ。

高齢者は消費しない。
「いつ病気になるか。何が起こるか分からない」というリスクに備えて
「金融資産を保存しなければならない」というウォンツだけは甚大にある。
だから、消費しようとしない。
つまり、高齢者の貯蓄の多くはマクロ経済学上の貯蓄とはいえない。
「将来の医療福祉関連支出の先買い」
というコールオプションの購入である。
流動性はゼロ%、他の消費にはまわらない。

さらに、企業は、所得が低くく消費性向の高い従業員の給料を削って、何も消費しない金持ちに配当をまわす仕組みとなっている。
この配当を受け取る金持ちのほとんどが高齢者だ。
そして高齢者は「将来の医療福祉関連支出」というコールオプションを購入し、消費はしない。

相続は資産が移転するたった1度のチャンス!
でも、相続人も高齢者なので、結局若者にはまわらない。

うーーん、なんということだ。
負のスパイラル。

だから、景気が良くなっても、関係ない。

日本のモノ作り復活?
いや、それは美しき誤解だ。
それはそれでとても大切なことだが、生産年齢人口の向上には何の役にもたたない。

移民の受け入れ?
それも焼け石に水だ。

出生率の向上?
絶対数が足りない。

じゃあ、どうしたらいいの?
著者はいろいろな提言を述べてるが、
その中からなるほどねと思ったのは、
まず、若い人へ所得移転するために、
企業の利益は、配当ではなく、従業員にまわせ。という提言。
使いもしない高齢者に配当をまわすのではなく、使ってくれる人たちにまわすべき。
「人件費を削ってその分を配当してます」って自慢する企業は、
「エコ関連のコストを削ってその分配当してます」と自慢する企業と同じく恥ずかしいもの。

次に、こういうときに必ず出てくる女性の就労問題。
女性とか男性がどうのこうのというジェンダーの問題は正直どうでもいい。
これは、単なる頭数の問題。
日本では約3000万人の専業主婦がいる。
そして、生産年齢人口の専業主婦は1200万人もいる。
えーー、こんなにも?
もったいない。
このうち4割が、1週間に1時間でもお金をもらって働くだけで、団塊世代の退職による雇用減・所得減がまかなえるとのこと。
なーんだ、身近なところに大きな解決策があるじゃん。

でも、そもそも何でこんなにも多くの人が働いてないのだろう。
実際、昔は、男女ともみんな働いてた。
専業主婦なんて、殿様くらいなもんだった。
日本は高度成長期をむかえると、人口激増による急増した雇用を吸収するために、女性に結婚退職を推奨するようになり、それがいつの間にか一般化された。
そして、それがいまだに続き、「男は仕事、女は家庭」という偏った考えが、あたかも古来からの日本の伝統文化であるかのように日本人全員に刷り込まれた。
そして、それが女性の社会参画を困難にしている。
高等教育を受けた女性が結婚や出産を期に辞職するのは、日本経済全体にとって大きな損失であるにもかかわらず。
だからこそ、女性の社会進出はどんどん取り組まなけれないけない喫緊の課題なのだ。
勘違いしてはいけない。
私はフェミニストでも何でも無い。
ただ、資源を有効活用するべきだと思ってるだけ。

その他、マスコミなどに踊らされて、思考停止になることへの警告も随所にみられる。
例えば。
我が国では有効求人倍率や失業率というものをよく景気の指標に使うが、それこそ問題を錯誤させる。
なぜそのものずばりの雇用者数の増減で論じないのか?
パンダが増えてるか減ってるか知りたかったら、パンダの落とした毛とか巣穴を数えるよりも、パンダの数そのものを数えるでしょう。
失業率が増加していても、それ以上に雇用者数が増加していれば、それは経済成長といえるのではないか。
地域間格差が拡大の一歩、高齢化が地方を蝕む
などと言われているが、
客観的に数字を読めば、そんなことはない。
絶対数を見れば、東京や大阪こそ、高齢者が激増し、現役世代が激減している。
にもかかわらず「率」でのべるから、肝心な事実を忘れてしまう。
高齢化とは、高齢者の絶対数の増加のことなのに、高齢化率で述べるから、子供を増やせばいいという勘違いを誘発させる。

マスコミや世間の空気に踊らされるな。
自分の目で見、自分で数字を読み、自分の頭で考えろ。
というように、当たり前だけど、自分で見て、調べることの重要性を繰り返しています。

景気が回復すれば大丈夫。
と思ってる人へ。
デフレは、景気循環の問題ではない。
我々は人口動態という大きなウネリの中でもがいている。
この本を読んで現実に目を向けよう。

P.S.
なお、世代間格差の問題を分かりやすく極端に描いた漫画
『若者奴隷時代』
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3087348
を全ての若者に捧げたい。

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