映画「それでも夜は明ける」と現代の奴隷
黒人監督の作品として初のアカデミー作品賞をとった
「それでも夜は明ける」
を観ました。
よく分からない邦題ですが、まあいいでしょう。
(原題は 12 Years a Slave 直訳すると「12年間の奴隷生活?」)
今までの人種問題を描いた映画は、白人の立場から描いたものが多かったですが、黒人監督によるこの映画がアカデミーを受賞したことは、とても歴史的に大きな意味があり、とても感慨深いものがあります。
人種差別問題をスタイリッシュに描いたスパイクリーの「Do The Right Thing」から25年たってやっとこの日が来たのだと。
映画の感想なのですが、
それにしても、
ひどい、ひどすぎる。
その一言です。
人間が同じ人間に対して、なぜ、こんなヒドいことをすることができるのだろうか?
2時間とちょっとの間、ずっとアメリカの白人への嫌悪感を感じながら観ました。
目を背けたくなるようなシーンが続きますが、それでも、しっかりと目を開いて観なければいけない、現代に生きる人間全てに必見な映画なのだと思いながら。
私たちが憧れるアメリカという国家は、罪も無いアフリカの人たちや、インディアンたちの犠牲によって成り立っているということを忘れてはいけません。
とはいえ、これは、過去の話ではありません。
奴隷は、この21世紀にも根絶されていないのです。
その数は、全世界で約2100万人とも3000万人とも言われています。
Global Slavery Index(世界奴隷指数)というのがあるのですが、
この驚くべき実態に唖然とするばかりです。
こちらのリンクを観てください。
http://www.globalslaveryindex.org/

驚くべきことに、奴隷なんか関係ないと思ってた我が日本にも76000人〜84000人の奴隷がいるとされています。
実は、日本はアジア諸国などからの人身売買の目的地・中継地になっており、国連からも注意を受けている人身売買大国なのです。
といっても、自分はまったく関係ないと思っているかもしれません。
しかし、私たちのこの便利で快適な生活は、世界中の強制労働を強いられている人たちから成り立っています。
スマートフォンは中国で奴隷に近い低賃金労働のもとで作られているかもしれませんし、
おしゃれなファストファッションはバングラディッシュやカンボジアで低賃金のもと製造されているかもしれません。
実際に、アパルトヘイトのころ、給料の3ヶ月分で購入したダイヤモンドは、南アフリカの黒人の強制労働で採掘されたものでした。
自分の生活は何人の奴隷のもとに成り立っているのかを教えてくれるサイトがあります。
http://slaveryfootprint.org/

どこに住んでるか?
宝石を何個持ってるか?
服をどれくらい持ってるか?
など11個の質問に答えてみてください。
自分の生活は何人の奴隷の犠牲のもとに成り立っているのかが分かり、
その事実に愕然とするはずです。

このように、フラット化する世界、グローバルな社会では、奴隷問題は人ごとではないのです。
アカデミー賞の受賞スピーチで
スティーブ・マックイーン監督はこの映画を今も奴隷で苦しむ世界中の人たちに捧げると言ってました。
奴隷がなくなる日は、いつ来るのでしょうか。
明けない夜はない。
そう信じたいものです。
少なくとも、私たちは誰かの犠牲のうえに、生きていることを忘れてはいけません。
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