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『メタバース さよならアトムの時代』を読んで

公開日: : cluster, メタバース,

 

 

『引きこもりを加速する』

 

 

2年前、初めてバーチャルプラットフォームのclusterにアクセスした時に飛び込んできたこの言葉の印象がいまだに鮮明に頭に残っています。

こんなにも的確にサービス内容と対象者を表したコピーのセンスに驚きました。

 

そして、予言したかのように、新型コロナ感染症の世界的パンデミックがおこり、全人類が引きこもる時代が2年以上続いています。

バーチャル世界の住人は急激に増え続け、マーク・ザッカーバーグのメタバース宣言で、いっきに加速しました。

普通のサラリーマンである私でさえ、専門的スキルがなくても、cluster内でワールドを作ったり、イベントを開催できる世の中になりました。

 

一方で、メタバースという言葉が急激に世間に広まったことで、NFTを筆頭にいろいろな誤解が生まれてきたり、自己啓発・情報商材系な怪しいひとたちも参入してきました。メタバース協会乱立に見られるような利権や主導権争いも起こりつつあります。

 

そんなカオスの状況で、真打というべきか、日本を代表するメタバースプラットフォームclusterの社長の本が登場しました。

 

 

 

 

 

副題の「さよならアトムの時代」からギーク寄りだと思っていましたが、そんなことはなくメタバースの教科書といった内容です。テクノロジーに明るくない人にも分かりやすいです。

章の終わりには参考文献の記載があるなどとても丁寧に作り込んでいます。

 

この一冊でメタバースの定義、プレイヤー、技術、歴史が学べ、読み終わる頃には、それなりにメタバースを語れるくらいになれると思います。

もちろん本だけではダメで実際にメタバースで遊んでみないと感覚的なことは分からないですけど。

 

 

 

教科書的な内容である一方で、この本の一番見どころは著者の天才ぶりがいかんなく発揮される第3章「人類史におけるメタバース」だと思います。

 

本書の副題の「さよならアトムの時代」のとおり、本書では人類が肉体から解放されることの素晴らしさが繰り返し述べられています。

肉体あっての人間だと私は思いますので、この考えには感覚的に理解できていませんでしたが、この章で述べられている人類と計算の歴史をたどっていくとアトムが終焉する世界線に違和感なくたどり着きます。

 

十進法は人間の手の指の数から成立したというほど計算と人類の肉体は深く関わってきましたが、アラン・チューリングのコンピューターの発明が、人類を計算から解放しました。

そして、人間と機械が融合するサイバネティクスが加速し、最終的には機械が人間を計算するのがメタバースなのだという流れに、興奮して読み進んでいました。

 

 

 

これからのバーチャリティの時代は日本にとってどうなのだろうか。

 

昨今の円安に見られるように、失われた30年の間、薄氷の上でなんとか維持してきたものが、耐えきれなくなって氷にヒビが入り始めました。

 

こんな状況ですが、日本はメタバースで大いに復活するチャンスがあると著者はいいます。

ドラえもんで英才教育を受けた日本人は、メタバースの時代に必要な妄想力をもっているからだといいます。

 

妄想力を磨こう!

 

 

 

 

 

 

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