戦場の掟 (BIG BOY RULES)
公開日:
:
本
2008年 ピューリッツァー賞受賞の渾身のルポ。
イラクにおける民間警備会社の実態を追う。
内容をかいつまんで紹介
■民間警備会社とは
アメリカは根拠のない作り話に基づいてイラクで戦争を始めたが、イラクの反政府勢力に手を焼き、戦闘部隊の兵力が足りないので、傭兵を雇った。
そして、あっという間に数百の軍事会社が生まれ、1000億ドル産業にまで成長した。
この傭兵市場は大盛況で「イラク・バブル」と呼ばれるほどだ。
仕事内容は、軍事基地の警備、武器弾薬・食糧を満載した補給物資輸送車の護衛などだ。
人権保護団体、マスコミまでも傭兵を雇っている。
共和党、民主党も、民主主義を広めるために傭兵を使っているのは、なんたる皮肉。
それらの軍事会社は、こじつけの名前「民間警備会社」と呼ばれる。
すさまじく危険な仕事なので、報酬は高額だ。
(例)日給500ドル~600ドル
そのため、金に目がくらんだ人間が世界中から集まってくる。
それ以外にも、競争社会からの脱落者、犯罪者、スリルを求める者など世界中から膨大な人々が雇用される。
雇用されるのは簡単だ。
クレセント社では、電子メール1本でだれでも就職できる。
経験は不問、実戦が訓練だ。
しかし注意事項を1つ、
拉致されたら給料は支払われません・・・。
■メリットとデメリット
米政府にとっては、とてもメリットが大きい。
危険な任務を民間警備会社へ外注すれば、表向きの軍事費が減るし、表向きの死傷者の数が減るからだ。
2008年米兵は3万人、民間警備会社の社員(傭兵、コック、運転手、管理職など)は19万人もいた。
(民間警備会社の社員は死傷者の数には入れていない)
しかし、デメリットはとてつもなく大きい。
民間警備会社には規制がなく、イラクの法律は適用されない。
その結果「おれたちのことはおれたちが決める」という「ビッグ・ボーイズ・ルール」という暗黙のルールが適用される。
中でも業界最大手のブラックウォーター社は、民間人を虐殺するなどの蛮行で、イラク人の反米感情を増大させている。
ブラックウォーター社は、国務省の外部組織として米大使館の地域安全保障部に直属している。
そう、国務省のおかかえの警備会社なのだ。
そのため、なにをやっても罪を問われない。
殺人にもおとがめなし。
ブッラクウォーターを裁くことはできない。
ブラックウォーターを活動できないようにできるのは、米国国務省だけだ。
しかし、ブラックウォーターがいなければ、国務省がイラクで何もできなくなる。
このように、今、イラクで何が行われているか、戦争ビジネスについて知るために、本書はお薦めです。
また、傭兵を感情を持った1人1人の存在として描いており、なかでも、大学生活に生きている実感を持たず、生きる目的を戦争に追い求めた若者の青春物語等も展開されてますので、若者にこそ読んでもらいたいものです。
PS.
本書巻頭で、ホリーズの 「KING MIDAS IN REVERSE」の歌詞を引用。
I’m not the guy to run with
‘Cos I’ll throw you off the line
I’ll break you and destroy you
Given time
おれはいっしょに逃げる相手じゃないぜ
おまえを振り切って
叩きのめしてぶっ殺す
いつ何時でも
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