フェルマーの最終定理
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本
久しぶりに、読書の備忘録。
友人のブログを見て、面白そうだったので、これを読みました。
http://www.miraie-corp.com/shimada/2011/06/post-78.html
フェルマーの最終定理!
この式を覚えてますか?
そう、ピタゴラスの定理。
ピタゴラスイッチではありません。
このように2乗では成り立つんだけど、
3乗ではどうなんだろ?
どうも解がなさそうだ。
では、4乗は? 5乗は?
なんか、なさそうだ。
てなわけで、フェルマーの最終定理とは、
この方程式は、nが2より大きい場合には整数解を持たない。
フェルマーの最終定理って、名前からして、凄く複雑な式を連想するけど、こんなに単純。
で、フェルマーは意味深にこういう言葉を残してる。
「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」
いやー、なんか、ミステリアスで、いいねえ。
世界不思議発見って感じ。
しかし、式は単純なんだけど、それを証明するのは、チョー難しい。
350年もの間、たくさんの数学の天才たちが挑み、破れていった。
しかし、破れる過程で、数学は進歩し、次の世代に託されていく。
フェルマーに魅せられた数学者達のドラマはとてもドラマチックで興味深い。
その数々の数学者のなかから、2人が印象に残った。
男尊女卑激しい17世紀後半のフランスで、フェルマーの最終定理へ大きな一歩を踏み出した女性数学者ソフィー・ジェルマンの話は、現在の女性の社会進出、ダイバーシティの問題を重ねると、とても示唆に富んでいる。
そして、20世紀に入り、フェルマーの最終定理の証明に大きなヒントとなった「谷山=志村予想」の谷山豊と志村五郎。
この本を読んで、はじめて知った。
日本人が、こんなに大きな貢献をしてたなんて。
「谷山=志村予想」を証明すれば、「フェルマーの最終定理」も証明できるということらしい。
そして、ついに、アンドリュー・ワイズが、1993年に証明する。
「ここで終わりにしたいと思います」
しかし、その後重大な欠陥がみつかり、またもや失敗となると思われたが、
コリヴァギン=フラッハ法の足りないところを岩澤理論(ここでも日本人が!)で補う事で、1995年に証明を完成させた。
証明したときのシーンにはとても感動した。
自分がやったわけじゃないのに、読んでる自分も達成感を味わうと同時に喪失感も味わった。
もう終わったんだと。
これは、ワイルズの物語でもあるが、人類の偉大な数学者たちの知恵が次世代、次世代と継承していく様子を描いた、人類の発展の物語でもある。
そして、本書のすごいところは、極力難解な用語を使わず、フェルマーの最終定理に魅せられ、挑戦して行った人たちのドラマを描いている点だ。
だから、数学が嫌いな人、苦手な人でも、普通に読めると思うし、数学への魅力が湧いてくるのではないかと思う。
真理を探究すること、知的好奇心を追求することの素晴らしさに興奮するはずだ。
ふと思う。
なんで、学校では、数学の面白さを教えてくれなかったのだろう?
って人のせいにしてもいけないね。
自分がアホだっただけなんだから。。。
こういう天才の話を知るといつも思う。
われわれの文明は、先人達の叡智によって、築かれている。
自分は天才じゃないから、人類の発展には何も貢献はできていない。
ただ乗りしているだけの野蛮人にすぎない。
でも、少なくとも彼らに敬意と尊敬の念を持とう。
そして、才能ある人間を見いだし機会を与えることができる人間にならなければいけないと思う。
それが、せめてもの凡人の役割なのだから。
PS。
この本には、数にまつわるいろんな話があるので興味がつきない。
完全数の話とか。
πの話とか。
素数の話とか。
確率の話とか。
(例)
サッカーの試合、レフェリーをいれて23人。
この中で同じ誕生日の人がいる確率は?
などなど。
それらの話は読者の特権なので、ここまで。
PS。
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