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ジョブズ・ウェイ

公開日: : 最終更新日:2016/02/13 スティーブ・ジョブズ,

スティーブ・ジョブズが10月5日に死去された。
以降、あらゆるメディアで、彼の特集が組まれ、彼の偉大さを讃える記事を目にする。
さながら、ここ数日はIT業界のみならず経済界はジョブズ一色だった。
一民間企業の経営者の死がここまで社会的影響を与えることなど、私の知る限り、きいたことがない。
たんなる一経営者という枠を超え、ロックスターのようでもあり、神と呼ばれたりもする。
そのように神格化、絶対化されるジョブズだが、外部の人間が書いている記事ばかり。
そこで、今回紹介する本の著者は、アップルでジョブズの片腕だったジェイ・エリオット氏。
よって、より具体的、詳細な記述で興味深い内容になっている。
ほとんどはジョブズのリーダーシップ、経営にふれる内容だが、実際その場所にいる人間でないとわからないであろう細かな描写やジョブズの人間的な一面もかいまみれる。
ソニーの盛田昭夫氏との会食のエピソードなどとても興味深かった。
このように、今までのジョブズ本とは一線を画しており、深くジョブズを理解するには最適な本だと思う。

長い前置きはここまで。
さて、
ジョブズの根幹をなすもの。
それは、
「製品に対する情熱」
これに限る。

「偉大な製品は、情熱的な人々からしか生まれない」
(スティーブ・ジョブズ)

だからこそ、完璧を求め、妥協せず、製品に関わることの細部全てにまで口うるさく詰めることができる。
遠慮なくダメ出しができる。
アップルの直営店の床材まで細かく注文するほどだし、
完成間際の製品をゼロから作り直させたりする。
そして、
情熱があるからこそ、対立する人間への説得力に迫力がある。
情熱があるからこそ、遠慮なく首を切ることもできる。
すべては、アップルのため。
すべては、自分の理想とする製品のため。
暴君、独裁者といわれるが、情熱があればこそ。
我々はえてして
「私が求めていたものと違うけど、まあいいか」
と妥協することがある。
でも、それは真に情熱を持って仕事をしていないこと。
そうはいっても、彼は真のビジョナリーだからこそ、ブラック企業並みの待遇でも、想像力がある優秀な人間はついていくし、彼の無理難題にもチャレンジする。
世界を変える仕事をしていると信じているから。
我々は海軍ではなく海賊なのだから。
9時から5時まで働けばいいと思う人間とは対局に位置する。

もう1つ大事なこと。
一般消費者の意見をきいてはいけない。
一般消費者は自分が何をほしいか分かってないから。

「もしその昔、何が欲しいかを顧客にたずねたら、『もっと速い馬』という答が返ってきただろう」
(ヘンリー・フォード)

経営者は、ビジョナリーであるべきだ。
自分が暮らしたいと思う世の中が実現するように、その助けとなる製品、サービスをつくる。
ゆたかな想像力が必要だ。
既存にあるものを改良していくという発想ではない。
それに利益が先にきてはいけない。
あくまでも製品が第一だ。

経営者は、独裁者であるべきだ。
えてして新しいものにはコンフリクトが立ちはだかる。
過去の成功体験は革新性の足かせになる。
独裁者ならば、アイデアの障害になるものは取り除くことができる。
iMacを制作しようとしたときには、担当者から30個のできない理由で反対された。
でも「CEOの俺がいうから」の一言で済む。
民主的な企業では、こうはいかない。

新しいアイデア、革新的なアイデアが浮かぶとする。
なぜやろうとしない?
なぜためらうのか?
自問自答しよう。
そしてリスクをとっていこう。
リスクをとらないことは、長期的な視野では、最大のリスクであるのだから。

スティーブ・ジョブズはもういない。
しかし、われわれの心に、その精神は生き続けている。
あとは、各自それをどう体現していくかだ。

最後に、2005年スタンフォード大学でのスピーチより

You have to trust that the dots will somehow connect in your future.
You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever.
Because believing the dots will connect down the road, it gives you confidence to follow your heart; even it leads you off the well-worn path.
And that will make all the difference.
(Steve Jobs)

PS、ワンモアシング
本書でたびたび紹介されている、1984年のアップルのCM。
監督はエイリアン、ブレードランナーのリドリー・スコット。
ジョージ・オーウェルの1984をぶち壊せ!
人間を解放するツールがMacなのだ。
Macを持つことは管理社会から自由になれるのだというメッセージ。

【ジョブズ関連本の過去エントリー】
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3753799
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼンテーション
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3601396
iPodを作った男
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2065276

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