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共に在りて 〜陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日

公開日: : 最終更新日:2018/03/11 , 東北 , , , ,

先週、陸前高田に行って参りました。
見渡す限り何も無い、あるのは瓦礫の山、
その光景が未だに頭から離れません。

さて、
本日は、震災関係の本をご紹介します。

著者は東京在住のライターで、
実家は岩手県陸前高田市の真宗大谷派岩峯山正徳寺。
本書は、震災後の避難所となった正徳寺の記録です。
当事者の目線と卓越した文章力が、読む者の心を揺さぶります。

震災当日の郷里の情報がなく不安な日々
そして「壊滅」という情報が入ってきた時、
このあたりのページは、
涙なくしては読めません。
たしかに、あの日はまったく情報がなく、陸前高田についての第一報は「壊滅」でした。
それを聞いたときの著者のショック、深い悲しみを思うと、
そして自分の家族に同様のことが起こると思うと、
思わず本から目をそむけるほどでした。

このように、
著者の卓越した文章の力は、テレビやYouTubeの画像よりも、
読者に震災のリアルを伝えます。
改めて、文章の力を感じました。

「朝には紅顔ありて、夕べには白骨となれる身なり」
(蓮如上人の「白骨の御文」)

本書は全編にわたって、無常観が流れます。
震災という理不尽さ、無常さ、
しかし、前に向かって生きていかなければならない。
お坊さんは、その手助けができる存在。
死者を弔い、生存者に死者との区切りを付けさせ、前に向かって生きる手助けができる。
どんなに文明が発達しようとも、どんなに高度に教育を受けたセラピストがいようが、
人間のよりどころは、やはり宗教なのでしょうから。

一刻も早い東北の復興を願ってやみません。

[参考]
陸前高田市の市長さんの書も是非。
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4010142

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