イノベーションって何か知りたければ、映画『パッドマン』を観ればいい
最近よく、「起業しないんですか?」って聞かれる。
僕は、今の境遇に不満はないし、起業するモチベーションは全くない。
僕は、起業することが目的だと絶対失敗すると思ってる。
イグジットで儲けてやろうってのも同じ。
強烈な使命感のもとに、行動していくうちに、いつの間にか起業してたと言うのが理想だと思うので、使命感がない今はその時じゃないし、絶対に失敗する。
1ヶ月くらい前に
インド映画「パッドマン」を観た。
簡単に言うと、インドで低価格、衛生的な生理用ナプキンを製造する機械を発明した人の実話。
冒頭で言った「強烈な使命感」がイノベーションを起こすっていう映画だ。
イノベーションって何か知りたければ、起業したこともない大学の高名な先生やアクセラレータの話なんか聞かなくても、映画「パッドマン」を観るだけでいいと思う。
この映画の主人公は妻が生理にナプキンではなく汚い布を使ってることを知り愕然とする。
妻のために生理用ナプキンを買うも、その値段の高さに驚愕する。
愛する妻の健康のために、ナプキンの自作を始めるが、周囲から頭がおかしいとか変態扱いされる。妻のためにやってることなのに妻からも「恥」扱いされ、女にとって「恥」くらいな死を選ぶとさえ言われる。
古い慣習が刷り込まれてる人に何を説明しても難しい。
新しいことを起こす人は変人扱いされる。
すごくもどかしい思いで観た。
そして、ある決定的な事件から、妻は実家に帰り、主人公は村を追われる。
しかし主人公は諦めない。
「妻の恥を尊厳に変える」
と不退転の決意をする
ここは凄くエモかった。
胸熱だった。
涙が流れた。
村を追われた主人公は、大学教授の家に使用人として住み込み、インターネットでナプキン製造機のことを知る。
ここがこの物語のポイント。
大学教授は「ピッチイベントに出てこの機械を購入する資金を集めよう」とアドバイスするのだが、主人公は、この機械を自分で作ることにした。
機械はとても高額で、この機械を買ったところで、高いナプキンを売り、自分が儲かるだけ。
主人公の目的はインド中の女性が安いナプキンを入手できること、
機械を買ったところで、問題の解決にはならない。
起業が目的の人間ならば、ピッチで資金調達、そしてウハウハってところだろうが、その選択はしなかった。
ナプキンを安く製造する機械を自分で作ると言う選択肢をとった。
まさに、MAKE魂「なければ自分で作る」
イノベーションは、誰かのためにという情熱が必要だが、情熱だけではダメだ。
「なければ自分で作る」というメイカー魂が必要なのだ。
その後の展開は、映画を観てのお楽しみなのだが、
随所随所にエモく胸熱なシーンがあり、
涙もろくなった私は、何度も何度も涙した。
映画の終盤、国連での演説シーンには、それまでの苦悩が解放されて、一気に胸熱だった。
とにかく、起業を考えてる人、メイカー、に是非観てほしい。
イノベーションには
「強烈な使命感」と「Make」が必要なことが改めて分かる。
この主人公は、愛する妻を助けると言う使命感のために行動を続けていくことで、いつの間にかイノベーションを起こしていた。決してイノベーションを起こそうと思ってやったことじゃない。
高いお金を払って偉い先生のイノベーション講座なんか行く必要ない。
この映画を見るだけでいい。
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