プロフェッショナルの原点
「もしドラ」効果で空前のドラッカーブームです。
でも、ドラッカーの本は難解そうなので購入にふみこめれない方には、こういった名言集とかエッセンシャル版がお薦めです。
仕事で成果をあげることは、組織の発展のためだけでなく、個人の自己啓発のため、そして現代社会全体の発展のためにも重要な意味を持ちます。
本書は成果をあげる能力を修得するために必要なことを、数々のドラッカーの著書、講演などから抽出したものです。
ドラッカーの名言を一言一句噛み締めながら、自身の仕事に活用していきましょう。
それでは、備忘録として私がマーカーで線で引いた箇所を抜粋します。
自らを変えようとする必要はない。スタイルはすでにできあがっている。
それが自らのやり方である。強みでないことをする必要はない。
ノーということを覚えなければならない。
成果をあげるリーダーは、顧客のニーズと自らの強みをいうまく結びつけている。
忙しい人たちが、やめても問題のない仕事をいかに多く行っているかは驚くほどである。
なすべきことは自分自身、自らの組織、他の組織に何ら貢献しない仕事に対してノーと言うことである。
地位や仕事に関係なく、時間のかかる手紙や書類の四分の一は、くず籠に放り込んでも誰も気がつかない。
私の知っているうち最も能力のある政治家は、第二次世界大戦前のドイツの首相ハインリッヒ・ブリューニングだった。彼は本質を見抜くことができた。だが、あまりにも数字に弱かった。人に任せればいいのに延々と予算に時間を使っていた。失態というべき仕事のやり方だった。そのため、やがてヒトラーの台頭を招いた。
得意でもないことに時間を使ってはならない。
いまさら自らを変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。
得意とする仕事のやり方を磨くことに力を入れるべきである。優れた人事は人の強みを生かす。弱みからは何も生まれない。
成果を生むには、利用しうる限りの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。強みこそ機会である。強みを生かすことは組織に特有の機能である。
人事がうまくいかなかったからといって、異動させられた者が無能だということにはならない。
その人事を行った者が間違ったにすぎない。
仕事をこなせない者をそのままにしておいてはならない。
動かしてやることが組織と人に対する責任である。
あらゆる組織において、上司にどう対処するかで悩まない者はいない。
実のところ、答えは簡単である。
上司の強みを生かすことである。
しかも上司の強みを生かすことは、部下自身が成果をあげる鍵でもある。
可能なかぎり上司を効果的に働かせ成果をあげさせることが、部下たる自らの義務であり利益であることを認識することである。
結局のところ、昇進していく上司の部下になることが、成果をあげるためのベストの方法である。現実は企業ドラマと違う。
部下が無能な上司を倒し、乗り越えて地位を得るなどということは起こらない。
上司が昇進できなければ、部下はその上司の後ろで立ち往生するだけである。
なすべきことは、上司を改造したり再教育したりして、彼らをビジネススクールや経営書がかくあるべしとするモデルに合わさせることではない。
あるがままの上司が、個性ある人間として存分に仕事ができるようにすることである。上司を不意打ちから守らなければならない。
ビジネスの世界に、うれしい不意打ちはない。
責任のあることについて不意打ちされることは、恥をかかされ傷つけられることである。
上司を不意打ちから守ることは部下たる者の仕事である。
さもなければ、部下を信頼しなくなる。当然である。
第一になすべきことは、自らの強みを明らかにし、その明らかになった強みに集中することである。
成果を生み出すものに、その強みを集中させることである。
第二になすべきことは、その強みをさらに伸ばすことである。
第三になすべきことは、無知の元凶ともいうべき自らの知的な傲慢を知り、それを正すことである。
並以下の能力を向上させるために無駄な時間を使ってはならない。
強みに集中して取り組むできである。
無能を並の水準にするには、一流を超一流にするよりはるかに多くのエネルギーを必要とする。
しかるに、あまりに多くの人たち、組織、そして学校の先生たちが、無能を並にすることに懸命になっている。
資源にしても時間にしても、有能な者をスターにするために使わなければならない。
廃棄とは、あらゆる種類の組織が自らの健康を維持するために行っていることである。
いかなる有機体であっても老廃物を排泄しないものはない。さもなければ自家中毒を起こす。
既存のものの廃棄は、企業がイノベーションを行うようになるうえで絶対必要なことである。
翌朝自分が絞首刑に処されるという知らせほど人の心を集中させるものはないとは、かのサミュエル・ジョンソン博士の言葉である。
同様に、製品やサービスが近いうちに廃棄させることを知ることほど関係者の心をイノベーションに集中させるものはない。
紀元前440年頃、ギリシャの彫刻家フェイディアスはアテネのパンテオンのひさしに建つ彫像群を完成させた。
それらは今日でも西洋最高の彫刻とされている。
だが、彫刻の完成後、フェイディアスの請求に対しアテネの会計官は支払いを拒んだ。
彫像の背中は見えない。誰にも見えない部分まで彫って、請求してくるとは何ごとか。
それに対して、フェイディアスは答えた。
そんなことはない。神々が見ている。
【参考】
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
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