トヨタの上司は現場で何を伝えているのか
これら珠玉の言葉の数々を目の前にすれば、
トヨタが世界最強の企業なのは当然だと誰もが思うだろう。
世界最強企業の改善の中から生まれた実践の言葉の数々。
心して読め!必ず目から鱗が落ちるはず。
その中から、私が目から鱗だったところを抜粋。
・厳しい競争で勝ち抜くには、並みの伸びではダメである。
相手をはるかに引き離す。相手を「10メートル離す」ではなく
「1周遅れ」にする発想でゆけ。
・個々の能率より全体の能率を
・2階級上の立場で考えろ
・改善に「人ごと」は無い
改善に「これは自分の」「これは他人の」という区分けはない。
問題に気づいたら知恵を出し、実行に移す。
誰もが問題のホルダー(当事者)になる。
~仕事に線を引かず、みずから率先して
~問題があって代案を考えないのは「越権行為だと遠慮する」のではなく責任転嫁である
・「もしこの現場が自分が経営する会社なら」といつも考えろ。
経営者になれ。そうすれば仕事のやり方が変わる。・言うとおりにやるやつはバカ、もっと上手にやるやつが利口。
・誰も読まない資料をつくる。使途がわからないデータをとるといったムダをしていないか。
今やっている資料作成は本当に必要か。資料でなく、紙量や死量を作ってないか。
・問題や課題が多いのは、決して悲観すべき状況ではない。
それだけ改善し、伸びる余地があるということだからだ。
「問題がない」ことのほうが問題だ。
・言いわけをする頭で実行することを考えよ。
・手を汚さんで仕事ができるか。
疑問に思ったり、困ったり、なにかヒントを思いついたら、現場に行けばいい。
現場こそ勉強の場。
現場を見れば考えたことがよいことなのか悪いことなのかが判断できる。
・大きな停電よりも短い停電に気をつけろ。
長時間の停電ならば、あちこちの問題が起きているので、みんな慎重に点検するが、
短時間の停電だと、ほとんど気にしない。
・人は困らなければ知恵が出ない。困れば困るほど知恵が出てくる。
困った中から生まれる知恵こそが、強いモノづくり力をつくる。
・自分を凌駕する部下を育成してください。
「人財」こそが企業の要であり、企業の盛衰を決めるのは「人財」である。
みなさん自身が厳しく己を磨き、部下から心服される管理者となり、
部下が人間として大きく育つように努めてほしい。
(豊田英二)
・「しっかりやれ」ではわからない。
「しっかり締めろ」「きちんと締めろ」と教える人がいるが、あいまいで個人差が出る言葉だ。
本人はそのつもりでも、実際にはできていないことがある。
そんなとき「もっとしっかり」「もっときちんと」では伝わらない。
たとえば「カチッと音がするまで締めろ」と言えば、即座に誤りなく全員が理解できる。
・不良を起こしたくても起きないライン
人間はミスをする存在だから、「気をつけてください」といくら注意してもミスは起きる。
トラブルは起きるものだと考え、どんどん表に出し、みんなに見えるようにする。
その上で「なぜ」を繰り返すことで、「真因」を追求する。
人間をムリに変えるのでなく、システムを変える。
そうすれば人間は変わる。
・部下の知恵が出ない、能力が伸びないのは上司の側に問題がある。
問題のある上司に限って、部下を「できる」「できない」で選別したがるものだ。
・適当に「わかった」と言うな。
・「なぜ」を5回繰り返せ。
・真因がわからないままに応急措置に走る。そのときはそれで解決したように見えても、
また同じようなトラブルが起きて、結局は同じことの繰り返しになる。
問題が起きたときは、たとえどれほど時間がかかっても真因がわかるまでとことん追求する。
それが問題を解決するということであり、実はもっとも効率のよいやり方だ。
・どうすればラクになるか考えろ。
・誰もができる仕事を増やす。
「あの人にしかわからない」という状態にならないように。・仕事は現場の人に対する粘り強い理解と説得であり。権限や権力でやるものではない。
・人間は感情の動物であり、力でムリに押しつけると、必ずどこかで反動がくる。
時間はかかっても、根気よく粘り強く理解と納得を得ることだ。
(熟した柿が落ちるのを待つ)
1番手強い敵は「みんなの気持ち」であり、もっとも強力な味方も「みんなの気持ち」である。
名言・至言の数々です。
しかし、著者が前書きで言っているように、実践しなければ意味がない。
「トヨタ語」は知識として覚えるだけではダメ。
実践してこそ、本当の意味がわかるし、自分を成長させ、仕事の競争力を高めてくれるのだ。
(著者:若松義人)
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