The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛
ノーベル平和賞のアウンサン・スー・チーさんの激動の半生を映画化した
『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』
を見た。
私はミャンマーという国って、あまりイメージがわかない。
古くは「ビルマの竪琴」の中井貴一のイメージ。
そして、我々ビジネスマンにとっては、ミャンマーといえば、ネクストフロンティア。
急速に市場を開放しつつあり、豊富な天然資源、安価で勤勉な労働力が注目され、日本企業も続々進出している。
あの冒険投資家ジム・ロジャーズが一番注目している国でもある。
とはいえ、政治的な負の面が払拭されたわけではない。
2010年11月にアウンサンスーチーさんの自宅軟禁を解除し、現在は急速な民主化がすすんではいるが、いまだに拷問など政治的弾圧を受けている人間は多い。
さて、映画のほうだが、
まさにスーチーさん本人が出演してるかのような、ミッシェル・ヨーの白熱の演技に心を奪われる。
信念の人、強い人というイメージが先行するスーチーさんを、ひとりの普通の女性として描いているところが、物語への感情移入を容易にさせてくれる。
私は40代になって急速に涙腺がユルくなったのだが、今回も2カ所で涙腺が決壊した。
ノーベル平和賞の受賞をラジオで聞いた後に弾くピアノのシーン。
そして、夫の死をテレビで知り、泣き崩れるシーン。
家族をとるか、ビルマをとるか、
究極の選択を迫られる中での壮絶なプレッシャーの日々をずっと耐えてきた。
それでも、夫の死に目に会えなかったことで、彼女の中で抑えていた感情がすべて解き放れて泣き崩れるシーンには、もはや何もいうことはない、ただただ一緒に涙するだけだ。
とにもかくにも、本作は
「2時間で分かるアウンサンスーチー入門」といったところ。
現在世界で最も注目される国の1つのミャンマーの歴史を知るにはちょうどいい。
だから、生粋の映画ファンよりもビジネスパーソンにこそすすめたい。
そして、強く思ったこと。
世界の多くの人たちは死ぬ思いで民主主義を獲得しようともがいてる。
しかし、我々は生まれながらにあたえられた権利をドブに捨ててる人がいかに多いことか。
自由は当たり前ではない。
投票に行かないなんてもってのほか。
じゃあ、エラそうなこと言う私に何ができるか。
何もできない。
クーラーのきいた部屋で世界のかわいそうな人を「かわいそう」って傍観するだけ。
しかし、そういう事実があるってことを心に留めるだけでもいいと思う。
そういう意識を持つ人間が多ければ、きっと世界は良い方向に変わるはず。
最後に、ロックアーチストながらもアクティビストでもあるボーノ率いるU2のスーチーさんに捧げる曲「WALK ON」を紹介する。
この曲は映画では使われてないが、U2の他の曲が2曲使用されている。
スーチーさんの息子がU2のTシャツを着てるシーンには、U2ファンとしてはニンマリしたところ。
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