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決断力

公開日: : 最終更新日:2014/04/29

この世の中には、どっちでもいいことが多いですし、どうしたら良いかわからないことが多いです。
だから、その場その時の声の大きい人の意見や、その場の空気に傾くことが、よくあるような気がします。
そんなんじゃいけないと分かっているけど、なかなか自信を持って決断することは難しいことです。
そんな優柔不断の私にピッタリの本を読みました。
その名のとおり、決断力。

決断力 (角川oneテーマ21) 決断力 (角川oneテーマ21)
羽生 善治KADOKAWA / 角川書店
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将棋の羽生善治三冠から「決断力」を学びます。

おおざっぱに私なりに要約すると
決断力
それも、ぎりぎりの場面で発揮できる決断力は、
大局観、直感力のバランスだと言います。
では、
大局観、直感力は、どうしたら身に付くものなのでしょう?
それは、様々な経験、刺激から総合的に研ぎすませれるものだそうです。
実践の中でいろいろな局面にぶつかり、乗り越えることで経験をつけること。
それだけでなく、将棋以外のこと、読書や音楽、将棋以外の人と会い、刺激を受けることで、総合的に研ぎすまされるものだといいます。
そして、積極的にリスクを負うこと。
羽生三冠は、
「リスクを負うことは未来のリスクを最小限にすること」
だと自分の言い聞かせているそうです。

ところで、
この本は「決断力」という題名ですが、
内容は、いろいろ多岐に渡り、羽生三冠からのビジネスの指南本という感じになっています。

たとえば、
集中力を磨く方法。
「集中しろ」
といって、集中なんかできるはずはありません。
好きなこと、興味があることなら、誰でも集中できるものです。
ということは、
本当に好きなこと、興味を持てること、打ち込めるものが見つけられる環境を与えてやることが大切で、それは、集中力だけでなく、思考力や創造力を養うことにもつながります。

そして、羽生三冠は、繰り返し、今の常識は陳腐するものだから絶え間なく学習することの是を説いてます。
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」と
7つの習慣でいう「第7の習慣:刃を研ぐ(Sharpen the Saw)」
の考えを、実践の経験から教えてくれます。
羽生三冠はイノベーションなどという言葉は使わずとも、その考えを根本的に理解しておられます。
将棋界にイノベーション?
って意外に思うことでしょう。
将棋って古くさいと思う人もいるかもしれません。
しかし、IT化、情報化の今の世の中では、私たちビジネスの世界と同じく、将棋界も凄まじいスピードで変化を続けています。
羽生三冠の以下の言葉が、私たちビジネスマンにピッタリとあてはまります。

過去にどれだけ勉強したかではなく、最先端の将棋を、どれだけ勉強したかが重要なのだ。ここ一年とか二年とか、本当に短い間にどれぐらいそれを勉強しているかが問われるようになった。
将棋では、自分がよく知った戦法ばかり同じようにくり返していると、三年、五年、さらに十年という長い目では、確実に今のポジションを落とすことになる。たとえば、昇段がかかっている、タイトルがかかっている大一番の対局では、誰しも手堅く、安全、確実な道を選びたくなるものだ。自分もそうすることがよくある。しかし、確実にという気持ちに逃げると、勝負に勝ち続けるのは難しくなってしまう。情報化の時代なので、安全と思われる道も、それはそれで相手に研究され、あっという間にそれも使えなくなってしまうことが起こるのだ。

IT化、グローバル化の時代、社会人になっても、昇進して課長、部長、社長になっても、ずっとずっと引退するまで、最新の経営、技術、トレンドをキャッチアップしなければ、直ぐに陳腐化することでしょう。

将棋界という、グローバル競争も真っ青な超絶競争社会で生き抜き、君臨し続けている羽生三冠の言葉の重さには、そのへんのコンサルタントなんかが出した本なんか足下に及ばない迫力、説得力があります。
これは、将棋という伝統的なものを身にまとってますが、れっきとした経営学とイノベーションの本なのです。


(参考図書)
イノベーションのジレンマ
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