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『ビットコインはどのようにして動いているのか?』を読んで、ブロックチェーンの仕組みを大雑把にまとめてみた

最近「フィンテック」なる言葉をよく聞くようになりました。

金融(Finance)と技術(Technology)をかけあわせて、フィンテックといいます。

インダストリー4.0、IoTとかと並んで、よくわからないけど、言葉が先行して、なんかトレンドになっています。

こういったブームのおかげで、今までは詐欺とか胡散臭いと言われてきたビットコインも、一応フィンテックらしいので、ようやく日本でも注目を浴びるようになってきました。

今回は、ビットコインを考える上で、その仕組みを知ろうと思い、わかりやすく解説した本を読みました。

ビットコインの仕組みはとても難しいです。

とはいえ、せっかくですので、私の備忘録を兼ねて、以下に大雑把にイメージをまとめてみました。

(違ったら、どなたかご指摘ください。)

ビットコインで、まず最初に浮かぶ疑問は、管理するものがいなくて、本当に大丈夫なのかということでしょう。

それを解決するために、最近話題の「ブロックチェーン」という技術が出てきます。

大雑把にいうと、過去の取引の履歴をすべて記録したひとつのデータベースを参加者全員でチェックすることで、管理人不在でも信頼性を確保することができます。

そのデータベースのことを「ブロックチェーン」と呼びます。

ビットコイン上での、すべての取引の履歴のデータ1つ1つをチェーンのようにつなげ、ある程度まとまったらそのチェーンをブロックにまとめます。(ブロックとチェーンだから、ブロックチェーン)

そのブロックの情報を暗号技術で使われているハッシュ関数というものに入れ、256桁のハッシュ値を得ます。

次に、直前のブロックのハッシュ値と現在のブロックの情報をハッシュ関数に入れ、2番目のハッシュ値を得ます。

そうやって、ハッシュ値をどんどん計算し、それらのハッシュ値を並べていき、ハッシュ値のチェーンをつくっていきます。

ハッシュ値は、入力がたった1文字でも違うとまったく別のハッシュ値を返す性質を持っていますので、様々な用途の暗号技術に使われています。

ハッシュ値を当てずっぽうに推測しようと思えば、宇宙にあるすべての原子の中から1つの原子を探すくらいの途方もない確率だそうです。

だから、これで安心かと思いきや、コンピュータを使えばハッシュ値の計算をすることは難しくはないです。

じゃあ、どうすればいいのか?

ここからが、ビットコインの面白い仕組みなのですが、

そもそも、悪意を持った者が、改竄したくなくなる仕組みにすれば、いいじゃん。

という考え方で仕組みを作っています。

ブロックチェーンの過去の情報に手を加えたとしても、それを現実的に計算し直すことは不可能になるくらいにハッシュの計算に時間が掛かるようにすればよいのです。

1つのブロックのハッシュ値を、先頭にゼロが17個並ぶハッシュ値を採用することにしています。

そのためには、256桁のハッシュ値で、先頭にゼロが17個も並ぶハッシュ値が出現するまで何万回も何千万回も計算をし続けなければいけません。

ハッシュ値をだけでもすごい確率なのに、それが先頭にゼロが17個並ぶハッシュ値なんて途方もない手間がかかります。

そして、17桁のハッシュ値を見つけたマシーンにご褒美として、新規のビットコインという報酬が与えられます。

これがビットコインの採掘とよばれるものです。

悪意のある人が、改竄しようと思えば、過去すべてのブロックのハッシュ値も改竄しなければいけません。

改竄している間に新しいブロックができ、それから計算された先頭にゼロは17桁続くハッシュ値も続々とできています。

それらすべてを計算しなおすくらいなら、改竄するより自分もビットコインを採掘したほうが得だし楽なので、そもそも悪事を働くインセンティブが働かないのです。

・・・・

多分、こういうことだと思います。

違ったら、ご指導願います。

さて、このようなビットコインに採用されているブロックチェーンの仕組みは、通貨にとどまらず、個人と個人、お互いの共通の合意を形成することができます。

証券保管振替機構や、会社・不動産の登記などのあらゆる民事的な契約、デジタルコンテンツなど、あらゆることに応用が可能です。

裁判所や、公証役場といった公的機関を通すことなく、契約や登記などを行うことができます。しかも、契約事項は公正で、即座に参加者全員が知ることができ、その内容は偽造できず、将来にわたって保持されます。

このように、国家の管理を必要としない社会が、ブロックチェーンによって可能になるかもしれません。

そんなわけないだろうと思われるかもしれませんが、すでに私たちはインターネットという管理されていないネットワークに慣れているはずです。

私たちがインターネットがない世界に戻れないように、ブロックチェーンのない世界が考えられない世の中になるかもしれません。

通貨の概念、国家の概念が根本的に変革した未来がくるような気がします。

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