GEEK NIGHTへの道（その１：４７歳でバンドデビュー）

 

 

 

中学生、高校生の頃、

洋楽が大好きだった。

 

ポリス、U2、ブルース・スプリングスティーン、ビートルズ、ストーンズ、ドアーズ、プリンス、ヴァン・ヘイレン、ガンズ、デヴィッド・ボウイ、スミス。。。

 

MTVとかFENから流れる音楽に合わせて、適当な英語で歌ってた。

ほうきをギターがわりにしたり、エアギターしたり。。。

 

バンドしたかった。

 

でも、ギターは F で脱落。

 

 

 

大学生の頃、

三宅裕司のTV番組イカ天で空前の素人バンドブームがきた。

でも、勇気が無かった。

踏み出せなかった。

なんだかんだ言い訳をして、

イカ天も羨ましく横目で見る。

 

結局バンドをすることなく、

時は流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

２５年後

 

 

 

７月で、４７歳になった。

 

 

 

2017年10月末

 

僕は今、あるところのイノベーションを創発するミッションを持った部署で働いている。

その一環で、IT系のセミナーやハンズオン、ハッカソンなどのイベントを毎月のように開催している。

今まで地元のITコミュニティが単独で手掛けていたIoTのイベント 『IoT縛りの勉強会「IoT LT広島」』を共同開催することになった。

 

※『IoT縛りの勉強会 IoT LT』とは，IoT（モノのインターネット）に関するLT（ライトニングトーク，３～５分程度の短時間のプレゼンテーション）のイベントで，約5000人のメンバーを有する国内最大規模のITコミュニティ

 

 

ゲストスピーカーに、IT業界では著名な２組の方々をお迎えした。

 

１．ギャル電さん

 

電子工作をするギャルの2人組。

ギャル電さんとは、8月のMakers Faire東京 でツーショットを撮ってもらった。

その写真をツイッターのDMに添えて、

「ツーショット撮ってもらった者ですが、登壇していただけないでしょうか？」

とツイッターのDMで出演依頼をしたら、快く応諾をいただいた。

 

 

２．森中昭宏さん

 

AKB48などの舞台・照明の演出を手掛ける方で、自宅が広島県にあるのご縁から１０月にTouchDesignerのハンズオンをしてもらったことがあり、今回も快く応諾いただいた。

 

 

 

こういったイベントは、講演をしてもらって、夜は軽く居酒屋とかお好み焼き屋に行くのが普通だが、この２組の取り合わせを考えると、どう考えても、居酒屋とかお好み焼き屋じゃない。

 

 

ギャル電さんはパリピのための電子工作をしている。

森中さんはVJしてる。

 

 

クラブイベントしかない。

 

 

秋葉原で行われている GEEKのためのクラブイベントAkipartyが頭に浮かんだ。

Akipartyとは、この記事をご参照。

https://fabcross.jp/topics/tks/20160816_akiparty_nttokyo.html

 

 

ここから、私の冒険が始まる。

 

 

 

 

 

 

昼は、IoT LT

夜は、GEEKのためのクラブイベント

 

クラブイベントの名前は迷わなかった。

 

GEEK NIGHT

　

まるで人類が言葉を発した時から、この言葉は今日の日のためにあるかのように自然に決まった。

 

 

とはいえ、僕はこれまでの人生でクラブとかパーリーなどほとんど縁がない。

パリピやDJに知り合いはいない。

 

 

 

 

 

11月3日

偶然出会った昔の友人にこのことを話すと、「思い立ったら実行だ」と背中を押してくれた。

彼の知り合いの元DJが経営している焼き鳥屋を紹介してくれた。

その焼き鳥屋はDJブースがあり、業務後はクラブイベントをすることもある。

 

これで一安心。

と思いきや、業務後なので23時開始になる。

 

昼のイベントが17時に終わる。

 

それまでどうするのか。

多分、みんな帰るだろう。

 

うーん、どうしよう。

 

（開催日まで残り35日）

 

 

 

 

 

11月４日

もっと早い時間でできるハコ（会場のことをハコという。今回初めて知った）がないだろうか？

ネットで検索して片っ端から問い合わせる。

12月のパーティシーズンの土曜日、それも後１ヶ月もない。

すでにどこも予定が入っている。

 

諦めない。

クラブだけでなく、ライブハウスも当たってみる。

 

そんな中、１つのライブハウスに行き着く。

 

MAD HOUSE

 

看板の電灯は付いてなかったが、ドアは開いている。

中から人の声が聞こえる。

おそるおそる覗くと、

5人ほどのバーカウンターが常連客で埋まってる。

  

「すいませーん。ちょっと見せてもらっていいですか？」

 

突然の見知らぬ来訪者に、マスターは怪訝な表情を浮かべるも、ウェルカムな雰囲気を漂わせている。

 

 

「何かするの？」

 

「GEEK向けのパーティをしようと思ってまして。。。」

 

「は？　ギーク？？？」

 

 

 

fabcrossのAkipartyの記事を表示したスマホ画面を見せる。

 

「お兄さん、まあ座りんさい。話を聞こうじゃないか」

 

 

マスターとそこにいたお客みんなが興味深く僕の話を聞く。

 

この店は、バンドマンが集まる場所で、僕のようなへんちくりんな来訪者はまずいない。

ギークって言葉、初めて聞いたようだけど、Akipartyにはすごく興味を持ったようで、みんなから質問ぜめにあった。

 

 

ギークはオタクとは違う。

オタクは消費するだけだが、

ギークは創造する。

みんなが持ってるスマホやFacebook、

それらはみんなギークが作ったものだ。

ギークは世界を変える。

 

 

そんなことを熱く語っていると、

ギークとロックは通じるのだろうか、

いつの間にか、そこにいるみんなが、共感を持って聞いてくれていた。

 

 

そんな中、マスターは言う。

「お兄さん、ここは狭くてパーティできないし、パーティができる系列店もその日は開いてないんだよね。」

 

「やっぱり・・・」

 

 

 

その後は、いろいろな話をした。

僕もロック好きなので、ロックの話題で盛り上がる。

なぜか、日立の木の話になる。

「この木、なんの木」ってやつ。

４０歳以上なら誰でも知ってるはず。

 

おもむろに1人がギターを出して、「日立の木」を弾きだした。

 

僕は、それに合わせて歌い出した。

ラップ調にしたり、ロック調にしたり。。。

歌うのは楽しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄さん、ボーカルやる？」

 

 

「え？」

 

 

「毎月１回日曜日の夜に、系列店のAGITっていうところで、素人バンド１０バンドくらいでライブやってるんだ」

 

 

「マジですか？」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

３週間後

11月26日

 

広島市　AGITにて

 

ついにバンドデビュー。

 

曲は、

Every Breath You Take　 / The Police

 

 

 

最後残り1分くらいのところで一瞬伴奏について行かず頭が真っ白になってからはグダグダだった。

 

でも、

 

すごく楽しかった。

すごく気持ち良かった。

 

 

バンドメンバーの皆様、

こんなド素人のおっさんをボーカルにしていただき、

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

バンドのボーカルって人生の夢だった。

叶わぬ夢だと思ってた。

 

それが、まさか、

４７歳の今、叶った。

 

それも、子供の頃、すごく好きだったポリスの曲。

 

 

 

 

人生って面白い。

 

 

 

 

 

 

 

帰り際にギターのミチルさんから声を掛けられる。

 

「来月は何やろうか？」

 

 

 

 

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

ボーカルデビューが決まった夜にMAD HOUSEに遊びに来てた

ガールズバンド「マリーチェライ」のメンバーと。