*

クリステンセンの『イノベーションのDNA』を読んで「異能ベーション」になろう!

公開日: : 最終更新日:2019/02/14 イノベーション, , , ,

 

最近、総務省が和製ジョブズを育てるプロジェクト「異能ベーション」という冗談のような企画を発表して話題にあがりました。

詳しくはこちら。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000087.html

独創的な人・事業を、総務省の受験エリートたちに分かるのかどうか、そもそも異能な人間は義務教育でつぶされているのではないか、ただ口のうまいヤツのふところに金が流れるだけなのではないかとひとごとながら心配するのですが、今後のなりゆきに期待せずに注目します。

「イノベーション」って言葉は、最近あまり言わなくなりましたが、ジョブズが流行ってたころは、本屋に行けば、イノベーションという単語が使われた本だらけ、自分を含めイノベーションとは無縁の人たちもイノベーションが大事だとかなんとか言い始めるし、エンジニアでもないのになぜか意識高い系のひとたちは、猫も杓子もイノベーションとか分かった気になって、イノベーションというより、そこらじゅうマスターベーションだらけだったような気がします。

さらに、増改築って言葉まで、いつの間にかリノベーションといったオサレな名前になったりしました。

そんなイノベーションですが、いったいぜんたい、どうしたらイノベーションを起こせるのか知りたいのは、世の常です。

そんなあなたに、この本をオススメします。

世界中のイノベータの資質を分析した

ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授の

『イノベーションのDNA』

ご存知の通り、クリステンセン教授は、ビジネス書の名書中の名書『イノベーションのジレンマ』で、破壊的イノベーションについて考察され、全世界に衝撃を与えました。

ビジネス界は、平家物語でいう「盛者必衰のことわり」がずっとリピートされ続けています。

数年前は誰も注目してなかった企業が破壊的イノベーションで、盛者を絶滅の危機に追いやります。

iPodがウォークマンを滅ぼし、

iPhoneがガラケーを滅ぼし、

iTunesがCD業界を滅ぼし、

スターバックスが純喫茶を滅ぼし、

アマゾンが本屋を追いつめ、

SkypeやLINEが既存の通信会社を追いつめ。。。

こうしたイノベーションを起こす人間は、一握りの特別な人間だと思うので、総務省のような官僚なんかに発掘できるようなものでもないですし、マネしようにもマネはできないと思うのですが、どこか共通点はあるはずですし、少しは何かを得ることはできるような気がします。

クリステンセン教授は75カ国、500名以上のイノベータを調査、分析し、イノベータDNAと呼ぶ5つのスキルを発見しました。

1.関連づける力

「創造とは結びつけることだ」

「創造的な人は、どうやってそれをやったのか聞かれると、うしろめたい気持ちになる。実は何をやったわけではなく、ただ何かに目を留めただけなのだ。さまざまな経験を結びつけて、新しいものを生み出すことができたのだ」

(スティーブ・ジョブズ)

2.質問力

「答えは頭で考えるものではない。適切な質問を探すことによって、答えのベールをはぐのだ」

(ジョナス・ソーク博士、ポリオワクチンの最初の発見者)

3.観察力

4.ネットワーク力

「自分の所属する以外の集団と結びついてる人は、自然と価値あるアイデアを生み出し、傍目からは創造の才があると思われる。これは才能から生まれた創造性ではなく、いわば輸出入業としての創造性なのだ」

(社会学者ロン・バート)

5.実験力

「失敗などしていない。うまくいかないやり方を1万通り見つけただけだ」

(トーマス・エジソン)

「実験はイノベーションのカギだ。予想通りの結果は出ることはめったになく、多くを学べるから」

(ジェフ・ベゾス)

以上。

これらのスキルの中で、私が一番なるほどだなーって思ったのは、

「関連づけ」

ですね。

「関連づけ」とは能力でもなんでもなく、どれだけ多種多様な知識があって、多種多様な経験をしてるかどうかにかかってます。

人間は新しい経験をしたり、新しい知識を得ると、それまでの持っている知識と関連づけをはじめます。

だから、常日頃から多種多様な人に会って話をきいたり、多種多様な本を読んだりして新しい知識を脳にインプットすることが重要なのです。

他にも、海外経験や転職経験もイノベーションにかかせません。

海外生活を3ヶ月以上経験した人は、そうでない人に比べて、イノベーションをおこす可能性が高いし、同様に、勤めた産業や企業の数が多いほど、イノベーションの実績をあげている確率が高いという研究成果がでています。

これも、多種多様な経験をすることの重要性を物語っています。

つまり、同質な集団の間にいてもアイデアは生まれないってことです。

そして、新しいアイデアが生まれるのどういうシチュエーションなのでしょうか?

多くの起業家にインタビューした結果によると、

シャワータイム、散歩中など、

リラックスして考え事ができるときでした。

なかには、イルカと戯れてるときといった意見もありました。

決してオフィスや会議では生まれません。

それらを総合すると、

つまり、

創造的な仕事をしたければ、オフタイムが大事だということです。

休日を、昼まで寝てたり、ゴロゴロしてたり、テレビばかり見てたり、パチンコばかりしてたら、

創造的にはなれないのです。

いろいろな人間に会うこと、

新しい知識を仕入れること、

新しい体験をすること。

そうやって、創造性がDNAに刻み込まれるのです。

【参考図書】

イノベーションのジレンマ

http://tatsuya1970.com/?p=489

51A8W7U0cSL

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション

http://tatsuya1970.com/?p=509

 Img338

ホンダ イノベーションの神髄

http://tatsuya1970.com/?p=725

 51xb7QVEchL SX230

リバース・イノベーション

http://tatsuya1970.com/?p=924

9784478021651

 

 

ad

    この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
    ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が良かったらビットコインで寄付をお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット



関連記事

Tatsuyaが選ぶ2016年ベストBOOK

      年末恒例のTatsuyaの今年を振り返る自己満足シリーズ第3弾。 今回は、もともと

記事を読む

大和ハウス工業から学ぶ経営哲学〜『熱湯経営』『先の先を読め』を読んで

    テレビのコマーシャルでよく見る大和ハウス工業ですが、どんな会社かよく知らない人も多いと思いま

記事を読む

no image

ワンクリック ―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛

アマゾンという会社のことを知ったのは、確か1990年代の後半だったと記憶している。 第1印象は、なん

記事を読む

no image

竜馬がゆく (一)

NHKの大河ドラマ「龍馬伝」 毎週楽しみにしてます。 あのソフトバンクの孫正義氏も、Twitter

記事を読む

デジタルって言葉が流行ってる今だから改めて読む本『アフターデジタル』の紹介

ここ最近、「デジタル」って言葉が流行ってる。 新聞、テレビのニュースでは、連日猫も杓子もデジタルデジ

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

生成AIで作ったキャラクターをLive2Dで加工しUnityで動かす(まばたき、話す)

  ChatGPT(DALL-E3)で作ったキャラクターをもとに、Ch

24時間のトランジットならビザなしで中国に入国できる(上海浦東空港での体験)

中国での入国を伴うトランジットについて、私は事前にググりまくって情報を

『東京都同情塔』を読んで

ChatGPTを活用して作ったという芥川賞受賞作「東京都同情塔」を読了

『ボーはおそれている』を観て

    3月1日の映画の日はミッドサマーの監督の最新作を鑑賞(ミッド

生成AIを使ったテレビニュース風の動画の作り方(HeyGen + Canva)

  イベントの宣伝用にこんな動画を作りました。   誰でも簡単に作れ

→もっと見る

    • 1678405総閲覧数:
    • 705今日の閲覧数:
    • 184昨日の閲覧数:
    • 1現在オンライン中の人数:
    • 2014年4月29日カウント開始日:
PAGE TOP ↑