人間この信じやすきもの
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本
福島から来た被災者に対して「放射能がうつる」などと宿泊拒否するホテルがあった。
福島から転校してきた子どもに対するイジメもあるらしい。
高度に発展した現代社会でさえも、まだまだこういうことを言うアホがいると思うと嘆かわしい。
でも、ひとごとじゃない。
自分も意識せずに加害者である場合があると思うからだ。
さて、今回紹介する本
『人間この信じやすきもの』
迷信、誤信はどのように生まれ形成されていくかを考察する書である。
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
根拠のないカルト宗教を信じたがために繰り返される悲劇。
根拠のない偏見によって虐げられる女性。
根拠のない迷信によって殺戮され絶滅の危機に瀕してる動物たち。
動物の例を少し。
強壮剤としてサイや熊が大量に殺戮されている。
媚薬としてオットセイのペニスが売買されている。
(倉庫からオットセイのペニス4万本押収というニュースに絶句する)
迷信とは、それを信じる人だけの問題ではない。
豊富な事例がある中で、一部を紹介。
偏りの錯誤と回帰の誤謬という耳慣れない言葉がある。
良い事や悪い事がいくつか「引き続いて」起こると、それに対して必要以上の意味付けがなされる。
その意味付けは、回帰現象と組み合わせていっそう強固されることだ。
イスラエルのある地域では女性は葬儀に参列できない。
なぜなら、かつてその地域で原因不明な死が相次いだときに、以前は禁じられていた葬儀への女性の参列が神を冒涜したためだとした。そして再び葬儀への女性の参列を禁じた。それと同時に死人の頻発がおさまった。
バカバカしい。
でも、こんなバカバカしいことで差別や偏見に苦しんでる人は世界中にたくさんいる。
気づかないだけで我々の身の回りにもあるはず。
サラリーマン社会にもこういう事例がある。
褒めるより叱るほうが部下指導にいいと信じてる上司が多い。
営業成績が落ち込んでる部下を叱ったら、経験上、成績があがることが多いし、褒めたあとは成績が下がることが多い。
褒めたら慢心するからだ、褒めるのは逆効果なんだ、いつも厳しく叱ればいいんだと刷り込まれる。
でも、ほとんどそれは単なる回帰現象にすぎない。
ほかにもいろいろな事例があるが、印象的な言葉を2つ。
「信じているとそう見えるんだ」(心理学者ピットマン)
「人間は真実であって欲しいと思うことを信じてしまうものだ」(フランシス・ベーコン)
人間は自分に都合のよい情報だけを捜そうとするし、思い込みでものごとを見る。
そして、自己本位に脚色する。
人づての話でさえ自己本位に脚色する。
だから、情報源をよく確かめる事が重要だ。
とくにテレビなんか全面的に信じるてはいけない。
都合のよい情報を誇張してる場合が多過ぎる。
じゃあ、我々はどうすればいいか?
自己中心性を矯正するための習慣を身につけることが必要だ。
我々の日常は偏っていることを認識し、2×2分割表を使う等、起こらなかった事象、逆の場合について考える習慣を身につける必要がある。
客観的に考える事は、人生をサバイブするためにとても重要。
迷信やデマに振り回されるな。
思考停止に陥るな。
とはいっても、このブログも、私にとって都合のよいこと、私の考えに近いことを誇張してると思うので、真実はご自分の目で確かめることをお薦めする。
(といって、アフリエイトに誘導する悪徳な私であった)
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