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ハイ・コンセプト

公開日: : 最終更新日:2014/07/05

不況だ、不況だ、大変だ、大変だ。
でも、不況もあれば、好景気もあるから、次は好景気の番、今はじっと我慢あるのみ。。。
いまどき、そんなことを考えてる脳天気な人はいないと思うが、もはや景気循環など存在しない。
世界がフラット化した現在、世界中の人間が競争相手、ハイパーコンペティションの時代に突入している。

私は電卓を打つのが早いです。
私はエクセルが得意です。
私は正確な事務処理ができます。
私は伝票の間違いがないかチェックすることに長けてます。

で、それがどうした?
そんなものは、コンピュータにやらせなさい。
そんなものは、外国にデータを送って外国人にやらせなさい。

実際、知らないうちに、単純労働だけではなく、知的労働といわれる業務も、日本人の何十分の一の給料の外国人に仕事はとってかわっている。
自分が経営者でも同じ選択をするだろう。
同じ能力であれば、高給の日本人を雇用する理由がない。

2005年のトーマス・フリードマンの『フラット化する世界』で記述されてた大連での日本企業の話を思い出した。
日本人エンジニアを1人雇う代わりに、中国人エンジニアを3人雇い、おつりでコールセンターのオペレーターを部屋いっぱい雇える。
7年前でこれだから、現在はもっと凄いことになってるはず。

最近凄い反響のあったこの方のTwitterを読んでみれば分かる。
日本企業の人に知ってほしい、外資系に見るグローバリゼーションの現実
http://togetter.com/li/245090

同じような話のブログ、Twitterは無数にある。
列挙すると
月給20万円で働く日本人、月給2万円で働くアジアの人々
http://togetter.com/li/244980
付加価値の高い専門職でさえも中国に流れていく時代
http://www.ngs-forum.jp/rblog/detail.php?cno=245
【どう生き残る?】日本のサラリーマンの絶望と希望を見つめる記事まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132850993257706701

うーん。
これでもか、これでもかと、読み進めるうちに、めまいがしてきた。
もはや、私のような特別なスキルのない中高年には絶望しか残っていない。

いったい、どうすればいいのか?
そういう私たちへの希望の書、いや最終通告の書が、これだ。
2005年にダニエル・ピンクが発表した『ハイ・コンセプトの時代』
(大前研一が翻訳)

簡単に言ってしまうと、
「新しいものを発想していく能力」のような「右脳型の能力」
がこれからの社会をサバイブするために絶対必要なスキルだ。
アップルはiPhoneを作ってない。
任天堂はDSを作ってない。
そういうこと。

今迄は、物事を論理的に考えたり、正確な事務処理ができる人、「左脳主導型」人間が重宝されてきた。
しかし、今や左脳型の仕事のほとんどは、新興国でまかなうことができる。
だから、海外の安い働き手にはできないレベルの仕事をする必要がある。
「業務を処理すること」よりも「人間関係を結ぶこと」
「ルーチンワークをこなすこと」よりも「斬新な課題に取り組むこと」
「1つ1つの要素を分析すること」よりも「全体像をまとめあげること」
など、「右脳主導型」の能力が重要になってくる。
芸術的手腕、他人との共感、長期的視野、超越したものを追求する能力
といった右脳型能力の有無が、人生で高く飛躍できるか、つまずいてしまうかを大いに左右する。

日本の教育は左脳型能力ばかり強化してきた。
でも、いまや暗記なんかせんでもググれば何でも分かる。
暗記する時間を、もっと芸術などの右脳能力向上にあてるべきだ。
ビジネスマンはすべてデザイナーでありストーリーテラーだからだ。

では、「右脳主導型」になるには、どういった資質が必要なのか。
以下の6つの資質が重要だ。

1.「機能」だけでなく「デザイン」
2.「議論」よりは「物語」
3.「個別」よりも「全体の調和」
4.「論理」ではなく「共感」
5.「まじめ」だけではなく「遊び」
6.「モノ」よりも「生きがい」

最後に、自問しよう。
未来は次の3つの問いにどう答えるかによって決まる。

1.この仕事は、他の国ならもっと安くやれるだろうか?
2.この仕事は、コンピュータならもっと速くできるだろうか?
3.自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか?

この質問を無視する人は苦しむことになるだろう。
かつて、ブルーカラーがロボットに職を奪われたと同じことが、急速にホワイトカラーに押し寄せている現実を直視せよ。

もう昔の社会には戻れない。
今まで通りのことをやってはいけない。
「境界」を自分で超えて行こう。

【参考図書】
フラット化する世界


コンピュータが仕事を奪う
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3587244

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