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のぼうの城

公開日: : 映画感想文

(注意)ネタバレあり
私たちの多くは判官贔屓だと思う。
源義経、真田幸村、坂の上の雲、漢の劉邦
フィクションでは、
ウィリアム・テル、水滸伝、
ロード・オブ・ザ・リングもこの系譜に入るかも。
というように、
弱い者が知恵を駆使して、傲慢な強いヤツをたたくという設定が大好きだ。

映画「のぼうの城」を観た。
これも、判官贔屓にはたまらない話。
豊臣秀吉の小田原攻めの中の一戦
石田光成 2万人 Vs 成田長親 500人 の戦いを描いた作品だ。

3年前くらいに原作を読み、とても面白かったので、映画化が決まったときには期待と同時に不安も多かった。
原作を先に読んだ場合、映画はだいたい期待はずれなケースが多いけど、本作は期待を裏切らない。
役者はイメージ通り、演技のうまい役者ばかりで固めてる。
なにより、主人公演じる野村萬斎が素晴らしい。
外見は「でくのぼう」だけど、器の計り知れない人物を怪演してる。

よく、人の上に立つもののタイプとして、中国の項羽と劉邦が取り上げられる。
劉邦はいつも項羽にこてんぱんにやられ、連戦連敗。しかし最後の最後には勝利し、後に400年も繁栄する漢を作った人物。
項羽は強烈なリーダーシップと強大な武力がある一方で、劉邦には何も取り柄が無かった。
しかし、誰からもしたわれる「徳」があった。
成田長親も、劉邦タイプのリーダーだと思う。
領内の百姓からも「のぼう(でくのぼうの意味)さん」と呼ばれるほど、一見愚者である。
しかし、戦に反対してた農民に「のぼうさんが戦をするのなら、しょうがないなあ」といわしめ、
敵に射撃され重傷を負った際、「よくも、のぼうさんを撃ったなあ」と農民の闘争心に火をつける。
まさに「徳」
人の上に立つ者は、人心を掌握する「徳」が必要なんだなあと、しみじみ思う。

おっと、いつものように小難しいこと書いたけど、
何も考えずに痛快な娯楽作品を楽しみましょう。

原作もどうぞ。

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  1. 職務経歴書 より:

    とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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