*

のぼうの城

公開日: : 最終更新日:2024/05/04 映画感想文

(注意)ネタバレあり
私たちの多くは判官贔屓だと思う。
源義経、真田幸村、坂の上の雲、漢の劉邦
フィクションでは、
ウィリアム・テル、水滸伝、
ロード・オブ・ザ・リングもこの系譜に入るかも。
というように、
弱い者が知恵を駆使して、傲慢な強いヤツをたたくという設定が大好きだ。

映画「のぼうの城」を観た。
これも、判官贔屓にはたまらない話。
豊臣秀吉の小田原攻めの中の一戦
石田光成 2万人 Vs 成田長親 500人 の戦いを描いた作品だ。

3年前くらいに原作を読み、とても面白かったので、映画化が決まったときには期待と同時に不安も多かった。
原作を先に読んだ場合、映画はだいたい期待はずれなケースが多いけど、本作は期待を裏切らない。
役者はイメージ通り、演技のうまい役者ばかりで固めてる。
なにより、主人公演じる野村萬斎が素晴らしい。
外見は「でくのぼう」だけど、器の計り知れない人物を怪演してる。

よく、人の上に立つもののタイプとして、中国の項羽と劉邦が取り上げられる。
劉邦はいつも項羽にこてんぱんにやられ、連戦連敗。しかし最後の最後には勝利し、後に400年も繁栄する漢を作った人物。
項羽は強烈なリーダーシップと強大な武力がある一方で、劉邦には何も取り柄が無かった。
しかし、誰からもしたわれる「徳」があった。
成田長親も、劉邦タイプのリーダーだと思う。
領内の百姓からも「のぼう(でくのぼうの意味)さん」と呼ばれるほど、一見愚者である。
しかし、戦に反対してた農民に「のぼうさんが戦をするのなら、しょうがないなあ」といわしめ、
敵に射撃され重傷を負った際、「よくも、のぼうさんを撃ったなあ」と農民の闘争心に火をつける。
まさに「徳」
人の上に立つ者は、人心を掌握する「徳」が必要なんだなあと、しみじみ思う。

おっと、いつものように小難しいこと書いたけど、
何も考えずに痛快な娯楽作品を楽しみましょう。

原作もどうぞ。

ad

    この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
    ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が良かったらビットコインで寄付をお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット



関連記事

イングロリアス・バスターズ

タランティーノ、お帰りなさい。 キルビル以来の本格的なタランティーノ映画が帰ってきた。 (デスプルー

記事を読む

映画『ダンケルク』を観て

      人間は何度も何度も困難に打ちひしがれると絶望になる。   三途の川にある賽の河原では、

記事を読む

人間の感覚を失う恐怖〜「サウルの息子」を観て

              numb 発音nʌ'm   (形容詞)麻痺している、感覚を失った    

記事を読む

Tatsuyaのベスト映画2013

今年を振り返る自己満足企画第3弾。 今度は映画編です。 今年は14本の映画を劇場で観ました。

記事を読む

no image

アーティスト

アカデミー賞作品賞の映画は一応観ることにしてる。 最近のアカデミー賞はなんだか小粒。 昨年の「英国王

記事を読む

ad

Comment

  1. 職務経歴書 より:

    とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

2024年Tatsuya’s Blog 年間アクセスランキング

    2024年最後のブログは、毎年恒例の 「Tatsuya’s

Tatsuyaの2024年劇場映画ベスト3

      今年を振り返る自己満足企画「個人的映画ベスト3」です。今

トム・ヨークのライブに行ってきたよ

  11月19日、広島文化学園にRadioheadのボーカルのトム・ヨ

プラ鉄への道

  この記事は 3D都市モデル Project PLATEAU Adv

映画「シビル・ウォー」観た。

  映画「シビル・ウォー」観た。 ポスターのようなハリウッドスペクタ

→もっと見る

    • 1867229総閲覧数:
    • 252今日の閲覧数:
    • 337昨日の閲覧数:
    • 6現在オンライン中の人数:
    • 2014年4月29日カウント開始日:
PAGE TOP ↑