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戦場でワルツを

公開日: : 最終更新日:2014/07/23 映画感想文 ,

この映画はなんて表現したらよいのだろう。
アニメーション?
ポップアート?
ドキュメンタリー?
戦争映画?
ジャンルなんかどうでもいい、
いずれにせよ、今まで観たことも無いような斬新な映像だ。
監督自身の体験をもとに、
1982年のレバノン侵攻を描くドキュメンタリー。
中年のおっさんが
実写で自分の戦争体験を告白するドキュンタリーを作っても、
多分、誰も見ないだろう。
しかし、
このようなクールなアニメーションにしたことで、
若者をはじめ多くの人間に興味を抱かせることができるし、
単純化、強調化できるアニメーションの技法により、
実写よりも心にぐさっと刺さるリアリティに成功していると思う。

原題は、
WALTZ WITH BASHIR
(バシールとワルツを)
バシールは、1982年のレバノンの大統領。
当時のレバノンではバシールはカリスマ的人気。
しかし、バシールは大統領就任後すぐに暗殺され、それを引き金としたレバノンの親イスラエルのファランヘ党によるパレスチナ難民への虐殺事件があった。
(サブラ・シャティーラの虐殺事件)
イスラエル軍は虐殺の事実を知っていたにも関わらず黙認していたという。
パレスチナ問題は、私のような者が軽々しく語ることができない問題ですが、
少しでも多くの人がこの映画を観て、
戦争の悲惨さ、理不尽さを改めて感じてほしいです。

題名のシーン、
兵士がバシールのポスターの前でワルツを踊るかのように機関銃を乱射するシーン
は、後世に語り継がれる名シーンだと思う。

PS.
音楽も最高。
イギリスのマックス・リヒターの楽曲をはじめ、
ショパンやバッハなどのクラシック、
PILやOMDのポップソング、
その他ロックミュージック・・・

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