企業が「帝国化」する 〜アップル、マクドナルド、エクソン 新しい統治者たちの素顔
今さらながら、ジャレド・ダイヤモンドの名作、ピューリツアー賞受賞作「銃・病原菌・鉄」の上巻を読み終えたところです。
その中の一部、いち早く狩猟民族から農耕民族へ体制を変え、分業に成功できた民族が帝国化し、他の民族を支配していく様子のあたりを、大変興味深く読みました。
さて、現代のフラット化した世界においては、どうなのでしょうか?
現代では、国家に変わり、国家よりも巨大な企業が表れ、それが帝国となっています。
私たちは、知らず知らずのうちに、Apple、マクドナルド、エクソン、モンサント、アマゾン、グーグルなどのグローバル企業に支配されていることに気づいていません。
彼らの影響力は絶大で、マクドナルド、モンサントなどは、私たちが口にするもの、私たちの健康を支配しています。
インターネットの巨大企業にどれだけの個人情報を把握されているでしょうか?
iPhoneやナイキのシューズを1つ作るのにどれだけの途上国の人間を奴隷として使っているのでしょうか?
石油メジャーにより、アフリカは一体どれだけ搾取されているのでしょうか?
帝国化した巨大企業が世界を支配し、私たちを含むその他大勢が奴隷になる時代がもうすぐそこに来ています。
そういった帝国の実態を書き連ね、来たるべき世界にどう備えればよいかを教えてくれる本「企業が帝国化する」を読みました。
ショッキングなデータがあります。
アメリカではここ5年の間で、マックジョブといわれる低賃金の仕事が60%も増加した一方で、ホワイトカラーの仕事は60%も失われました。
グローバル化、IT化の影響により、ホワイトカラーが不要になったからです。
これからは帝国の中枢にいるごく一部の層が高い所得を維持し、その他の大多数の凡人は、帝国が作ったシステムの中で低賃金で使われる時代になるのです。
いわゆる
Winner Takes All(勝者総取り)の
時代です。
それでは、私たちは一体どうしたら良いのでしょうか?
帝国の中に入る。もしくは、そのおこぼれにあやからなければ。
それには、自分自身のスキル、流動性を高めるほかありません。
つまり、勉強するしかないのです。
「天は自ら助くる者を助く」
なにせ、競争相手は数十億人です。
では、何を勉強したらよいのでしょうか?
本書では、これからの時代に必要な能力は
「高い専門性に裏打ちされた創造性」
だといいます。
これは、ダニエルピンクの「ハイコンセプトの時代」やリンダ・グラットンの「ワークシフト」にも書かれていたことです。
マニュアルをそのとおり実行する人間は不要です。
クリエイティブな人間の時代がやってきました。
もちろん英語は当り前です。
英語を習得することによって、情報収集力、就労機会の拡大など、得られるメリットは計り知れません
次に、専門技術を習得したら、移住を検討することも挙げられてます。
先細りを続ける日本市場にしがみつくのと、拡大を続ける海外市場に舞台を移すのとどちらが賢い選択なのか、ということを真剣に考えなければいけません。
実際に、この11年間で37万人もの日本人が海外へ移住しており、人口の1%にあたる118万人の日本人が海外に住んでいます。
もはや海外移住というのは特別なことではなくなっており、専門的な技能を持ってる人間は、国内と同じ感覚で海外での就労機会も検討すべきなのです。
以上、
今をのんべんだらりと過ごせば、絶望的な未来が待っていることは確実でしょう。
「天は自ら助くる者を助く」
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