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LGBTについて、あれこれ

公開日: : 最終更新日:2015/11/29 未分類 ,

ソチオリンピックですね。
開会式の日、Googleは色鮮やかな虹色のロゴを出しました。

私も初めて知ったのですが、このロゴには強烈なメッセージが含まれていました。
先日エクソンモービルを抜いて時価総額世界2位になったGoogleという大企業がしたからこそ、世界中にインパクトがあり、とても意義があることでした。
いったい何かというと、虹色はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の尊厳を表す色なのです。
そう、ロシア政府の性的マイノリティへの人権侵害に対する抗議を含んでいたのです。
昨年の同性愛宣伝禁止法や、プーチン大統領、ソチ市長の発言に、文明社会は耳を疑いました。
プーチン大統領
「ソチオリンピックではあらゆる差別はない。同性愛者も安心してくれ。ただし、子供たちには近づくな」
ソチ市長
「ソチにはゲイはいない」

そういうわけで、今回のオリンピックには多くの国の首脳が欠席しましたが、日本の安倍首相は参加しました。
余談ですが、南アフリカのマンデラ元大統領の葬儀には、各国首脳は参加して、安倍首相は不参加。
この国際的な感覚のズレが気になります。

さて、LGBTですが、
人権問題のことはさておき、ビジネス面では、近年とても注目されています。
というのが、全世界の人口の5%はLGBTだからです。
私たちは、今までこの巨大マーケットに気がついていませんでした。
アメリカの市場規模は77兆円、
日本は6兆円と言われています。
これは、旅行市場5兆円、化粧品市場1兆円と比較してみれば、どれだけ巨大な市場なのか分かるでしょう。
この巨大市場については、
週刊ダイヤモンドの記事『「LGBT市場」を攻略せよ!』

国内市場5.7兆円 「LGBT(レズビアン/ゲイ/バイ・セクシャル/トランスジェンダー)市場」を攻略せよ! (週刊ダイヤモンド 特集BOOKS(Vol.4)) 国内市場5.7兆円 「LGBT(レズビアン/ゲイ/バイ・セクシャル/トランスジェンダー)市場」を攻略せよ! (週刊ダイヤモンド 特集BOOKS(Vol.4))
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週刊東洋経済の『知られざる巨大市場・日本のLGBT』

知られざる巨大市場・日本のLGBT―週刊東洋経済eビジネス新書No.17 知られざる巨大市場・日本のLGBT―週刊東洋経済eビジネス新書No.17
週刊東洋経済編集部,張 子溪,野津 滋,福田 淳,高橋 志津子,日高 祐也,茨木 裕,小林 由衣東洋経済新報社
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が参考になると思います。
こうした過去の週刊誌の記事が、細切れで100円、200円で、電子書籍で購入できます。
便利な時代になりました。
Kindle持ってる人は是非お読みください。


さて、
これらの記事を、私なりにまとめます。

LGBTの存在を無視してマーケティングはできません。
LGBTの特徴として、
・テクノロジーに強い
・可処分所得が高い
・クリエイティブ
・情報感度が高い
・ブランドに対するロイヤルティが高い
というのがあげられ、消費者のリーダーとなる存在です。
そして、LGBTは、
社会的に良い活動をしている会社
差別のない会社を支持します。
LGBTにフレンドリーであるか、という企業姿勢を重視します。

Human Right Campaign という団体が、
Webページとスマートフォンアプリで企業のLGBTフレンドリー度合いを計る指標を公表しています。
Corporate Equality Index
http://www.hrc.org/campaigns/corporate-equality-index
こちらがアプリ(iPhone)
https://itunes.apple.com/jp/app/hrc-foundation-buying-for/id345618414?mt=8
このインデックスのスコアが売上に直結するので、
多くの企業はこのスコアを上げるように取り組んでいます。
ということで、
米国では、娯楽だけでなく保険や金融機関まではっきりとLGBT向け商品を打ち出しています。
スバルはアメリカでLGBTに絶大な人気があります。
広告でレズビアンのナブラチロワを使い、LGBTの団体を支援しているからです。
ブリジストンも、LGBTメディアへの広告などを通じ、LGBTに支持されています。
我が国でも、当初そんなつもりではなかったけど、意外なところにLGBTフレンドリーの企業があります。
例えばソフトバンク。
ゲイカップルにも適用できる家族割引「ホワイト家族」やカラフルな携帯でLGBTの支持を集めています。
他に同性結婚式ができるディズニーランド、パークハイアット。
さらに、同性カップルが利用できる生命保険信託「安心サポート信託」を提供するプルデンシャル生命と三井住友信託銀行。
など。
まだまだ例は少ないですが、今後企業のマーケティングにLGBTは重要な位置をしめることでしょう。

また、LGBTは優秀な人間が多いので、LGBTフレンドリーな会社は優秀な人材を世界中から集めることができます。
それを見越して、ゴールドマンサックス日本法人はLGBT学生向けに就職説明会をしています。
日本でのLGBTの学生の特徴は
・自分の性のことで将来を案じ勉学に励むので高学歴が多い
・団体に属することが難しいため「個」を磨き自分の視点を持っている(組織にいても自立心が高い)
・日本より生きやすい場を求めて語学の習得に注力している。
これって、日本企業が求めている理想のグローバル人材そのものです。


さて、話は大きく変わって、以下の地図を見てください。
(Wikipediaより)
http://bit.ly/1iWApAn
同性愛者の権利を国別に表した地図です。

アラブ、アフリカ諸国が恐ろしいことになってます。
同性愛に対して偏見のない社会の幸福度は高いと言われます。
それは、同性愛に限らず、他人と違う人間を認め合う社会、つまり他人に対する「寛容さ」があるからです。
同性婚を認めている国を列挙すると、
(カッコは国連の世界幸福度指数2013年度版の順位)
http://unsdsn.org/files/2013/09/WorldHappinessReport2013_online.pdf
オランダ(4)、ベルギー(21)、カナダ(6)、米国(17)、スペイン(38)、ノルウェー(2)、スウェーデン(5)、アイスランド(9)、ポルトガル(85)、デンマーク(1)
ちなみに先進国で性的マイノリティの法的権利が認められていない国は、日本(47)とロシア(68 )だけです。
そして、同性愛が死刑の国
サウジアラビア(33)、イラン(115)、スーダン(124)、モーリタニア(112)

一概に幸福度指数をピッタリ相関してない部分もありますが、
示唆に富む結果ではないかと思います。
我が国は男女平等指数も低いですので、
まだまだ文明国の仲間入りをしたとはいえない状態といえるでしょう。
寛容さと幸福度については、この本が参考になりますので、是非ご一読を。

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言 幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
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話はソチに戻ります。
オリンピックが華やかに開催されている裏で、同性愛者は弾圧されています。
これはNEWSWEEKの記事。
The Dangers of Being Gay in Russia
http://www.newsweek.com/being-gay-russia-just-got-harder-228592

スポーツと政治は関係ないですが、いまいちどオリンピック憲章の意義を再確認し、人権について考える機会だと思います。

「スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる。」
– オリンピック憲章より

最後に、
私の大好きな映画「MILK」を紹介します。
アメリカの実在したゲイの活動家ハーヴェイ・ミルクの人生を描いた映画です。

私は、ミルクのこの言葉がずっと印象に残っています。

Without hope,
Life is not worth living.
So you got to give them hope.

自分とは違う人間を排除しない寛容な世界、
お互いが違いを認め合う寛容な世界、
そういう世界になれば、どれだけ人類は平和に暮らせるだろうに。
そういう世界になることへ希望を持つこと、
そして、希望を与えられる人間になりたいものです。

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