面倒くさい老害による映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の感想
私は天邪鬼で、流行ってるものに関心がないというか、関心がない風を装うイヤなヤツである。
そんな私でも、『鬼滅の刃』ブームには見て見ぬ振りができなかった。
すごく流行ってるという風の噂をきいて、1年前はじめてKindleで単行本を1巻から18巻(上弦の参・猗窩座を倒すところ)まで一気に購入した。それから単行本が発売されるたび購入し、気がつけば23巻まで全巻買っていた。
映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が公開され、日本映画史の歴史を塗り替える大ヒットになって、社会現象までになっていたが、異常に流行ってることと、disる人がまったくいない状態、日本人特有の同調圧力に正直気持ち悪いなあと思い、天邪鬼の私は、映画館に行く気は起きなかった。
同調圧力の例を言うと、
まるでサッカーワールドカップのときのような雰囲気。
日頃サッカーに興味のない人まで熱狂し、日本代表のTV中継を見ない人を非国民扱いしたり、負けても「よく頑張ったー、感動をありがとう」っていうあの雰囲気。
そんな状況を、誰が呼んだか、まさに鬼滅ハラスメント、略して『キメハラ』の状況。
しかしながら、現在の世界を生きている者、ビジネスの世界に生きている者としては、流行ってる者を知らないといけない、そんな義務感で観にいった。
(なんか、めんどくせー奴)
実際に映画を観ると、戦闘シーンは、描写、音響が凄まじく素晴らしくて、ワクワクした。もし自分が子供のときこの映画を見たら将来はこんなアニメを作る大人になりたいって思ったに違いない。
戦闘シーンから受ける高揚感は、アヴェンジャーズなどのハリウッドアクション大作に遜色ないとも思った。
凄まじいアニメーション技術とエモさ全開で、問答無用に力技であらゆる理屈を跳ね返す力強さを感じた。
そう、戦闘シーンは凄かった。
ただその他の部分、これは好き嫌いの問題になるけど、原作でも感じてたコメディ路線のうざさを、大画面それもIMAXで見せられるのは苦痛だった。
そして、一番残念だったのが、原作を読んでることが前提で、すごく不親切なところ。
長い原作の1つのエピソードを切り取ってるからしょうがないけど、原作知らないと、
柱って何?
鬼殺隊って何者?
猪人間?
最後無限列車が脱線して終わったと思ったら伏線も何もなくいきなり強い敵がでてきて煉獄さん死んで終わったバッドエンド?
1つの映画作品としてみると物語になってない。
いやいや、スターウォーズとかアヴェンジャーズも途中から見たら分からないよって反論があるだろうけど、あれらは映画を1作目から見たらわかる。鬼滅の刃はいきなり無限列車から始まる。ネトフリを1話から見たらいいじゃんという反論は少し違うと思う。
海外展開や、後世のことをもう少し考えたらいいのに、もったいないなあって思った。
10年後の人が見たら絶対意味がわからない。
例えば、冒頭に『マッドマックス 怒りのデスロード』のようにナレーションやセリフ、文字情報に頼らなくても物語の背景、世界観を観客に分からせるような描写があったらよかった。
以上、書いてる自分でも思ったけど、普通に楽しめばいいのに、面倒臭い老害な感想でした。
PS,
映画を観た帰り道のイルミネーションが煉獄さんを追悼してるかのようだった。
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