「アナと雪の女王」を観て思う ありのままに生きることの大切さと責任の重さ、そして真実の愛
(ネタバレ注意)
世界中で大ヒットの『アナと雪の女王』を観ました。
評判通りの素晴らしい映画でした。
氷の描写など鳥肌が立つほどの凄い技術のCGなのですが、CGがあまり話題にならないくらい、単純だけどよく出来たストーリーでした。
なかでも、2つのシーンが印象に残りました。
まずは、みんなが言うように主人公の姉エルサが 「Let it Go」 を歌うところは凄いです。
音楽、歌詞とエリザの動き、仕草がうまくシンクロして、エリザの13年間抑圧された思いを全て解放するシーンは圧巻です。
ありのままに。
しかし、ありのままに生きることは、困難の道の始まりです。
もう1人だけの問題ではなくなったからです。
エルサは1人で山にこもるので、他人に迷惑はかけないつもりでしたが、能力が強大なため、国家の大問題に発展してしまいました。
「大きな力には、大きな責任がともなう。」
(映画「スパイダーマン」より)
ありのままに生きるということは、それだけ大きな責任を伴います。
しかし、躊躇してはいけません。
スターウォーズのダースベイダーのように暗黒面に堕ちるのか、うまくコントロールして、ジェダイの騎士になれるのか。
いずれにせよ、才能がある人間が才能を隠すことはあってはならないことです。
それが氷を操る魔術であったとしても。
最後にはアナのおかげで、エルサはこの才能のコントロールの方法をマスターしました。
未知の才能を閉じ込めるのではなく、伸ばす方向へ持っていくことの重要さを教えてくれます。
鉄が使用せずして錆び、水が腐りまたは寒中に凍るように、才能も用いずしてはそこなわれる。
(ナポレオン・ボナパルト)
人は天賦の才を決して私物化してはならない。
(稲森和夫)
自分が持っているパフォーマンスを最大限に生かさないのは、人が持って生まれた才能に対する冒涜である
(堀江貴文)
2つ目に印象に残ったのは、ラスト近くのこの物語のクライマックス、「真実の愛」が判明するシーンです。
王子様のキスで幸せになれる。
王子様と結婚することで幸せになれる。
白馬に乗った王子様が助けに来てくれる。
本作はこういったシンデレラ・白雪姫的な展開をギリギリまで期待させながら、非情にもあっさりと裏切ります。
最後の「真実の愛」が判明するシーン、物語の主要人物が最後のある1つの点に集中していくまでの演出がとても素晴らしい。
主人公のアナは、そこで2者択一の選択をするのですが、その選択も現代社会の世相が現れています。
LGBTが社会的にクローズアップしている時代だからこそ、単純な男女間の愛、ボーイミーツガールという設定を越え、1人の人間としての真実の愛にまで膨らました素晴らしいシーンだったと思うのは考えすぎでしょうか。
それにしても、本作では男性は、ほとんど役に立っていません。
白馬に乗った王子様が助けてくれるなんて受動的な考え方では、これからの人生は戦っていけません。
アナのように自分が起こした問題は自分で解決する。
男性に依存しない。
そういった人間が社会に必要なのでしょう。
だから、この映画は子供にはとても良い影響を与えるものだと思います。
フェミニスト達にとって、ながらくディズニーは子供をプリンセス願望に洗脳しているという批判の対象でしたが、ディズニー自ら時代に合わせて今までとちょっと違ったプリンセスを表現したことは、ディズニーのマーケティング部門のしたたかさを感じてしまいます。(考え過ぎか?)
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