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竜馬がゆく (四)

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司馬遼太郎の「竜馬がゆく」をNHK大河ドラマ「龍馬伝」の進行に合わせて紹介するシリーズ。
と言いながら、私のブログは、あっという間に大河ドラマに追い抜かれました。
大河ドラマでは、亀山社中まで行ってるのに、私の方はノンビリと、武市半平太切腹、竜馬初の軍艦を手に入れた第4巻です。
そこから、印象に残ったセリフ、シーンをご紹介します。

■竜馬の山内容堂評
わずかに他人よりすぐれているというだけでの智恵や知識が、この時勢になにになるか。
そういう頼りにならぬものにうぬぼれるだけで、それだけで歴然たる敗北者だ。
しかも、いかに一世を蓋う才智があろうとも、とらわれた人間は愚物でしかない。
■列強が日本侵略を躊躇した理由
列強間での相互けん制、それぞれの国内事情、遠方なので補給が困難などの理由があったが、それらよりも第一に長州藩の攘夷活動の凄まじさが、日本との戦争の前途に荷厄介さを感じさせた。
もし内陸戦となった場合、剽勇敢死、外国人と見れば狂人のごとく襲いかかる無数のサムライと戦わねばならないことを第一に物憂く思った。
裸で戦えば日本人にはとてもかなわない、という畏怖感があった。
■竜馬と新撰組のエピソード
文明は前進させねばならぬ。おなじ命を捨てる気なら、そのほうで死ね。
(竜馬が藤堂平助に言った言葉)
われわれの気を一瞬に融かして行ってしまった。
われわれの仲間の人相が一変してしまってます。
みな、子供にでもよりつかれそうに、なごやかな顔になってしまっている。
(沖田総司が竜馬と対峙後に土方に言ったセリフ)
妙な男だ。なにか容易ならぬ大事を企てているようでもあるし、単に、猫好きの怠け者のようにもみえる。
(土方歳三が竜馬と対峙後に思ったセリフ)
■檜垣清治とのエピソード
竜馬は檜垣の長大な刀のことを「無用の長物」と言って自分の短い差料を見せた。
檜垣は短い差料に変えたて竜馬に会うと、竜馬は「今はこれだ」といって懐からピストルを出した。
檜垣はピストルを手に入れ竜馬に会うと、竜馬は「今度はこれだよ」と万国公法を見せた。
■切腹についての司馬遼太郎の思い
日本人に死を軽んずる伝統があったというのではなく、人間の最も克服困難とされる死への恐怖を、それを押さえつけて自在にすることによって精神の緊張と美と真の自由を生み出そうとしたものだと思う。
その意味で切腹は単にそのあらわれにすぎないが、その背後には世界の文化史のなかで屹立しているこの国の得意な精神文化がある。
その是非を論ずるのではない。ある、ということを知るだけでよい。
■竜馬が藩の帰国命令に逆らった日に手帖に記した文
世に生きものというものは、人間も犬も虫もみなおなじ衆生で、上下などはない。
俸禄などというのは鳥にあたえる餌のようなものだ。天道は人を作った。しかも食い物も作ってくれた。
鳥のように鳥籠に飼われて俸禄という名の餌を与えられるだけが人間ではない。
米のめしなどは、どこへ行ってもついてまわる。されば、俸禄などわが心に叶わねば破れたる草鞋を捨つるがごとくせよ。
藩じゃとか大殿様じゃとかのご意向をいちいち気にしていては、世の大事は成らぬ。
■初の軍艦を手に入れた竜馬を見て菅野覚兵衛が言ったセリフ
もとは、一介の剣術使いだった男だ。
それが軍艦にあこがれ、とうとう軍艦を一隻手に入れてしまった。
しかも浪人の身で。

ついに、軍艦を手に入れた竜馬。
竜馬のサスセストーリーが始まった。
このあたりのくだりは、とても感慨深く、夢あふれる展開で、とても好きな個所でした。
そして、藤堂平助など新撰組ともたくさん関わるシーンが多く、新撰組ファンにもたまらない巻でした。

第1巻についてのブログ記事はこちら
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2723800
第2巻についてのブログ記事はこちら
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2822622
第3巻についてのブログ記事はこちら
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2923367

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