共に在りて 〜陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日
先週、陸前高田に行って参りました。
見渡す限り何も無い、あるのは瓦礫の山、
その光景が未だに頭から離れません。
さて、
本日は、震災関係の本をご紹介します。
著者は東京在住のライターで、
実家は岩手県陸前高田市の真宗大谷派岩峯山正徳寺。
本書は、震災後の避難所となった正徳寺の記録です。
当事者の目線と卓越した文章力が、読む者の心を揺さぶります。
震災当日の郷里の情報がなく不安な日々
そして「壊滅」という情報が入ってきた時、
このあたりのページは、
涙なくしては読めません。
たしかに、あの日はまったく情報がなく、陸前高田についての第一報は「壊滅」でした。
それを聞いたときの著者のショック、深い悲しみを思うと、
そして自分の家族に同様のことが起こると思うと、
思わず本から目をそむけるほどでした。
このように、
著者の卓越した文章の力は、テレビやYouTubeの画像よりも、
読者に震災のリアルを伝えます。
改めて、文章の力を感じました。
「朝には紅顔ありて、夕べには白骨となれる身なり」
(蓮如上人の「白骨の御文」)
本書は全編にわたって、無常観が流れます。
震災という理不尽さ、無常さ、
しかし、前に向かって生きていかなければならない。
お坊さんは、その手助けができる存在。
死者を弔い、生存者に死者との区切りを付けさせ、前に向かって生きる手助けができる。
どんなに文明が発達しようとも、どんなに高度に教育を受けたセラピストがいようが、
人間のよりどころは、やはり宗教なのでしょうから。
一刻も早い東北の復興を願ってやみません。
[参考]
陸前高田市の市長さんの書も是非。
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=4010142
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