イギリスのEU離脱について雑感。「グローバリゼーションの終焉。そして世界は縮小する」
最近、「グローバリゼーション」って言葉を聞かなくなった。
死語なのかもしれない。
10年前くらいにトーマス・フリードマンの「フラット化する世界」を読んで、グローバリゼーションは全人類を発展させるものだと僕は大きな夢を抱いた。
確かにグローバリゼーションは、世界中の貧困を減少させ、国家間の格差を縮小させた。
しかし、その一方で、先進国と言われる国家はその煽りを受けている。
国家間の移動がかつてなく簡単になり、移民・難民によって仕事を奪われた先進国の失業者は面白くない。
EU / Derek Bridges
イギリスがEUを離脱した。
予想外のことに、大変驚いた。
ニュースを見ると、日経平均は1200円も下げ、ドル円は一瞬99円まで円高になるほど、マーケットは大パニックだった。
このようにイギリスEU離脱は、主に経済問題が議論される。
しかし、実際のところは、難民・移民問題なのではないかと思う。
中東の混乱から生じた多くの難民。
EU離脱に集まった票は、難民受け入れ反対に集まった票であろう。
つまり、イギリス国民の過半数は、難民を受け入れたくないと思ってるということだ。
難民を支援する金があるんなら、国民の賃金を増やすべきだ。雇用を守るべきなのだと。
そもそも中東を混乱させたのは、お前らイギリスがオスマントルコを分断し、適当な直線で国境を引いたからだろうに。
めぐりめぐって自らの首を絞めた結果がこれだ。
笑えない冗談だ。
ナチスは、国内の不満を、ユダヤ人にぶつけることで、精力を拡大した。
中国共産党は、たまに反日をうたい、国内の不満を背けさせる。
ドナルド・トランプは、イスラムを敵視することで、人気をとっている。
2016年にもなって未だに、大衆を操作するには、徹底的な敵を設定することが有効なのだ。
今回のことで思った。
国家は簡単に分断されるものだと。
じゃあ国家の意味は何なのだろう。
ジャック・アタリは、今後国家の影響力は減り、個人の時代、ノマドの時代がやってくるという。
ノマドになれない人間には辛い人生が待っている。
世界の格差がなくなるということは、住んでる国、人種に関係なく、同一労働同一賃金になるということだからだ。
だから、グローバリゼーションの反動が、世界中のいろいろなところで起こっている。
グローバリゼーションは終焉し、世界は縮小していくのだろうか。
そして、世界は分裂していくのだろうか。
キナ臭い時代になりそうな予感がする。
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