僕の死に方 エンディングダイアリー 500日
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:
本
私は来月で43歳になります。
これまでの人生で一体何をしてきたんだろう。
精一杯生きてきたのだろうか。
昨年の10月に41歳で亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さんの
『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』
を読んで、本当にそう思います。
これは、金子さんが、ガンと宣告されてから亡くなるまでの、ご本人、奥様による記録です。
金子さんは、亡くなる前に、「ひとりひとりにお会いできないのなら、せめて自分の手で、これまでのことをまとめ、お詫びとお礼に代えたい」との一心で亡くなる1ヶ月前から本書を作成されたとのこと。
ですので、一見軽い文章なのですが、1つ1つの言葉が重いです。
1文字1文字、金子さんの命が宿ってるかのようです。
本書の前半は、金子さんの半生を描いています。
自伝、サクセスストーリーとして、とても面白く読みました。
自分自身をブランディングし唯一無二の存在になるために、大学から就職まで戦略的に周到に準備、選択していたことが分かり、若い人たちにも読んでもらいたい内容です。
新卒で入った会社を1年で辞め、独立、
そして、ついに、ブレーク!
そのサクセスストーリーがとても痛快です。
私は、2010年2月放送の、たかじんの「そこまで言って委員会」で、初めて金子さんを見たのですが、とても衝撃を受けました。
ぱっと見、さえない小太りのおっさん、
最初のうちは、たかじんをはじめ、強者揃いのパネラーの皆さんからは、なんだこいつは、早く帰れみたいな冷ややかな雰囲気を受けていましたが、独特のユーモアあるしゃべりとネタで、一気に番組の雰囲気全体を金子ワールドにしてしまったところに驚嘆しました。
そして、たくさんのメディアに出演するようになり、
一時期は、楽屋で一緒になった嵐のメンバーに「金子さんのスケジュールの方が忙しい」と言わせるほど。
しかし、
そういった絶頂期に、突然の末期がんの宣告。
死ぬまで仕事をしたいとの一心で、がんということを隠しながら、ハードな仕事を続けていく様子に、後半はとても読むのが辛い。
でも、ここからが、この本を普通の闘病日記ではなく、本書を本書足らしめてる、唯一無比な闘病日記となっています。
金子さんは人生最後の仕事を「自分の最期」をプロデュースすることとし、情熱をかけます。
遺言の作成に始まり、葬式の準備、
葬儀屋さんに「ご自分の葬儀ですか?」とビックリされるほど。
仕出しのお店、料理の内容、
葬儀に来れない方のために遺族が全国をまわるという「感謝の全国キャラバン」を企画。
納骨をどうするか、
通夜、葬儀の場所をどうするか、
遺影、死に装束をどうするか。
葬儀というより、1つのプロジェクトの企画をすすめていくかのようです。
そして、会葬礼状もご自分で書かれた。
その内容はこちらのリンク参照。
http://matome.naver.jp/odai/2134940000297206901
更に、正しい死に方を学ぶために、高野山大学大学院に入学。
などなど
死というものを、ここまでまっすぐに見つめ、周到に準備する人を見たことも聞いた事もありません。
延命治療は望まないため、凄まじい苦痛にたびたび襲われます。
すぐに死にたい、自殺したいがその体力がない。
これ以上生きたら経済的、精神的にも妻に迷惑がかかるので、そろそろ死のう。
といったご自分の心情を赤裸裸に吐露する箇所には胸が締め付けられる思いで読みました。
まさに、命を削りながら書かれた本。
同じ40代の私にとって人ごとではない。
「死」についてを深く考えさせられました。
悔いのないよう、人生を精一杯生きよう。
【参考】過去ブログ
超三流主義
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2765533
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