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ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

公開日: : 最終更新日:2015/08/02 , ,


全世界の経営者の必読書の第3弾登場!
『ビジョナリー・カンパニー』 では、偉大な会社になるための条件を、
『ビジョナリー・カンパニー2』では、良い会社が偉大な会社になるための条件を分析し、我々に提示した。
「時計を作る」「弾み車」「針鼠の概念」「コッテージ・チーズ」など、本書からたくさんの用語が生まれ定着した。

今回は、偉大な企業がなぜ衰退するのか、どのような特徴があるかを分析した本である。
「幸せな家庭はどれも似通っているが、不幸な家庭はそれぞれ違っている」
(『アンナ・カレーニア』/トルストイ)
偉大な企業になる過程に比べ、偉大な企業が衰退する過程の方が道筋は多く、分析は困難であったが、著者は以下の大きな枠組みにまとめた。
(以下抜粋)

■第1段階
成功から生まれる傲慢
・成功は当然だとする傲慢
・主要な弾み車の無視
・学習意欲の低下
主要な弾み車を無視してはいけない。
ピカソは一新を図ったとき、絵画をやめて小説家になったりはしなかった。
絵画という主要な活動の中で作風を変えた。(青の時代→キュビズム→シュールレアリズム)
ベートーベンは音楽から絵画に移ったりはしていない。
何よりも作曲家であり続けた。しかし、第3交響曲を9回作曲したりはしていない。
優れた経営者は自分の仕事について学ぶ姿勢を取り続けている。
会った人から知識を吸収したいという衝動を持っている。
ものを知っている人間は、ものを学ぶ人間と基本的に違っている。
ものを知っている人間は会社を衰退する道に導きうる。

■第2段階
規律なき拡大路線
・持続不可能な成長の追求と、大きさと偉大さの混同
・関連しない分野への規律なき飛躍
・主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率の低下
.官僚制による規律の崩壊
傲慢になると、拡大に次ぐ拡大を軽率に約束することになりうる。
そしてある日、期待をはるかに高めすぎていたときに失敗する。
そのときの打撃は大きい。
「パッカードの法則」の無視
偉大な企業が成長を担う適切な人材を集められるよりも速いペースで売上高を増やし続けた場合、衰退していく。
不適切な人を主要なポストにつけるようになると、不適切な人の欠陥を補うために、官僚的な手続きを確立するようになる。
その結果、適切な人材を追いやる。こうなると不適切な人が増えたのに対応して、官僚制をさらに強化することになり、適切な人材がさらに逃げ出す。

■第3段階
リスクと問題の否認
・良いデータを強調し、悪いデータを小さく見せる
・事実の裏付けのない大きな賭けと大胆な目標
・曖昧なデータに基づいて、とてつもないリスクをおかす動き
・組織再編への固執
「喫水線」原則
偉大な企業は大きな賭けを行うが、喫水線以下に大穴を開けかねない賭けは避けている。
特に注意すべき指標 ・・・粗利益率、流動比率、負債比率
組織再編とリストラを行うと、何か生産的なことをしているとの錯覚が生まれる。
悪いデータや警戒信号に対応するときに組織再編を主要な戦略として使うようになると、否認の段階に入っている可能性がある。
癌の診断を受けたときに、リビングルームの家具を並び替えて対応するものだ。

■第4段階
一発逆転策の追求
・特効薬の追求
・救世主のような指導者への期待
・パニックと拙速
・抜本的な変化と「革命」の喧伝
・リストラの繰り返しと財務力の低下
衰退企業は、外部から救世主を迎えて経営を託した時期に業績が一般に悪化している。
味方は少ししかおらず、周囲に敵がたくさんいるときの最前の方法は、
「おまえはここからここまでを担当しろ。おまえはそこからそこまでを担当しろ。オートマチックにして撃ってはいけない。弾は一発ずつ使え」
と指示することだ。

■第5段階
屈服と凡庸な企業への転落か消滅

以上の兆候に気づき、すでに衰退が始まっているのであれば、
一発逆転にすがるサイクルから早く抜け出すほど良い結果が生まれる。
回復への道は何よりも、健全な経営慣行と厳格な戦略思考に戻ることにある。
もちろん、何よりもまず資金の流出を止めなければならない。


どんな優良な企業でも一夜で消滅することもある。
しかしどこかに兆候はあるはずだ。
突然に癌になることはない。
元気なときに癌は進行しているのだから。

本書は最後に、チャーチルの言葉で締めくくる。
たとえ第4段階に陥っていようとも、不屈の魂を忘れてはならないのだ。

決して屈服してはならない。
決して屈服してはならない。
決して、決して、決して、決して、相手の大小を問わず、強弱を問わず、決して屈服してはならない。
名誉と良識の確信に対してでないかぎりは屈服してはならない。
力に屈服してはならない。
敵の力が圧倒的だと思えても、屈服してはならない。
(ウィンストン・チャーチル)

(参考)過去のブログ記事
ビジョナリー・カンパニー
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2251687

ビジョナリー・カンパニー2
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2353582

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