ウルフ・オブ・ウォールストリート
公開日:
:
最終更新日:2014/04/29
映画感想文 ウルフ・オブ・ウォールストリート
(注意)ネタバレあり
マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観ました。
これは、1980年代から1990年代のウォール街で、
若くして大金を稼ぎ、その後証券詐欺の容疑で逮捕された実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの栄枯盛衰の物語です。
ディカプリオのスーパーハイテンションの演技にグイグイ引っ張られ、あっという間の3時間でした。
ウォール街を舞台にした映画ですが、
証券詐欺の手法、資本主義の闇を追うような社会派問題作という側面はまったくなく、
胡散臭い最低のクソ野郎たちが、ウォール街で成り上がっていくクソのような話を延々と見せ続ける映画です。
(これ、いい意味で言ってます)
そして、多分、マジメな人が見たら激怒するか、途中退席するであろう、お下品な映画です。
だって、全般に渡って、
セックス、ドラッグ、(ロックンロールの代わりに)金、
セックス、ドラッグ、金、
セックス、ドラッグ、金、
てな感じの、欲、欲。欲まみれのリピートが続きます。
劇中「Fuck」という言葉が506回も使われており、
それは映画史上最多の「Fuck」数だそうです。
というわけで、絶対に初めてのデートで観に行ってはいけません。
私のようなマジメ人間の倫理観に触るような居心地の悪いシーンやセリフが随所にあるクソのような話なのですが、
そんな話を一気に引き込ませるスコセッシ監督の演出とディカプリオの貫禄の演技には圧倒されます。
こんなにもお下品な映画なのに、スコセッシにかかると、なぜか品位を保つことができているのが不思議です。
それに、ディカプリオは、このような最低のクズ野郎を演じさせたら天下一品です。
私の中では、ディカプリオのベストアクトだと思います。
今回こそはアカデミー賞をとらせてあげたいものです。
さて、めちゃくちゃな話なのですが、その一端を少し言いますと、
最初に入った証券会社の上司の指導からして、めちゃくちゃです。
「証券マンは冷静な判断が必要だ。
心を落ち着かせるためには、1日2回マスをかけ、ドラッグをしろ。
客に儲けさせたら、次を買わせろ、投資中毒、依存症にさせろ。死ぬまで逃すな」
このように全編、SESC(証券取引等監視委員会)が聞いたら、
ぷっつん切れそうなコンプライアンス違反のオンパレードなのですが、
主人公の詐欺師まがいだけど、顧客の心をわしづかみにするセールストーク、
従業員のやる気を鼓舞する朝礼?のセリフは、
実際の仕事の場面でも、とても参考になると思います。
ディカプリオのスピーチを聞けば、誰でもハイテンションで仕事できるに違いないです。
営業を仕事にしてる人や、組織で部下を持っている人にオススメしたいです。
最後に、主人公は、FBIの懸命の捜査によって逮捕されるのですが、
刑務所も金がモノをいう世界なので、刑務所暮らしもエンジョイし、わずか3年で釈放されます。
安月給で地下鉄で通勤するFBIの捜査官との対比が、この世の理不尽さを感じさせます。
この世の中、どこかおかしいと。
情報弱者はカモられる社会なのだと。
セールスマン向けのセミナーで
主人公は自分の持ってるペンを差し出して、こう言います。
「俺にペンを売ってみろ」
カモる方になるか、カモられる方になるのかは、
ペンの売り方で分かれます。
(詳しくは映画で)
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