ワーク・シフト
現代は産業革命以来の凄まじい変革の時代です。
産業革命のころのイギリス人もこれが産業革命だなんて実感を持ってなかったと同様に、我々も変化のまっただ中にいると、本当に変化が起こってるのか実感が湧きません。
でも、5年前、10年前を思い起こせば、なるほど納得、社会は凄まじい勢いで変化していることに気づきます。
テクノロジーとグローバル化によるプレッシャーはますます大きくなり、ビジネスパーソンを疲弊させています。
今までの延長線上で将来を予測することが困難なので、将来に対してネガティブな印象を持ってしまい、現代社会は閉塞しきっているように感じます。
では、これからの社会はどうなるのでしょうか?
今話題の書『ワークシフト』にその解を求めてみましょう。
本書では2通りの未来を紹介しています。
「漫然と迎える未来」と「主体的に迎える未来」という未来。
2025年にはどうなっているか。
この2種類の未来を小説仕立てで記述しており、イメージが明確に伝わります。
はっきりいって、「漫然と迎える未来」はとても暗いです。
従来の常識をシフトさせ「主体的に迎える未来」に向かって、今すぐ意識を変えないと未来は大変なことになるでしょう。
そのためには、3つの常識をシフトさせなければいけません。
1.ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
全世界の人間がインターネットに繋がる時代にはゼネラリストの時代は終わります。
専門技能を持つだけでも十分ではありません。
必要とされる技能の陳腐化も激しいため、状況に応じて専門分野を変えていく「専門技能の連続的習得」を通じて自分の価値を高めなければいけません。
また、全世界の人間が同じ土俵での競争であるため、先進国だろうが発展途上国だろうが関係なく、本当に実力のある者に仕事が集まる世界になるでしょう。
そうなると個人の差別化は困難な時代となり、セルフマーケティングで自分を売り込む技能も必要となってきます。
2.孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
今以上に時間に追われ、孤独な社会になるのは必至なので、コラボレーション、人的ネットワークの重要性が極めて大きくなります。
コラボレーションを可能とする自分なりの「ポッセ」の構築と「ビッグアイデア・クラウド」がキーワードとなります。
仕事は世界中の多くの専門家とのコラボレーションにより成り立つ「コ・クリエーション」が主体となり、世界中の多様なアイデアが混ざり合うのでイノベーションは加速することでしょう。
そう、ダイバーシティ(多様性)はモノカルチャー(単一性)を凌駕するのです。
3.大量消費時代から「情熱を傾けられる経験」へ
これまで通り貪欲に大量のモノを消費することが幸せなのかという問いに真剣に考えましょう。
消費よりも質の高い経験に価値を置く生き方へ転換しなければいけません。
そして、なぜ働くのかを再度問い直してみましょう。
決して給料を受け取るためでもなく、テレビに洗脳されて消費するためだけでないことは分かってるはずです。
仕事を通じて、充実な経験をするために働くのではないのでしょうか。
一見、未来は厳しいものに見えるかもしれません。
確かに、今を漫然と過ごし続ければ、暗い未来が待っています。
たとえ先進国にいたとしても、世界最下層の貧困に陥ることはありえることでしょう。
そういう迷える私たちに、これら3つのワークシフトは、今後の人生の指針となるでしょう。
一方で、向上心のある人間にとっては素晴らしい未来が待っています。
自分自身のビジネスを始めるチャンスが増えるし、世界中のいろんな人間と働くことができる刺激的な社会になるはずです。
さらに、全世界の人間の叡智が繋がることで、世界中の諸問題は解決され、よりよい世界になることに違いないと思います。
未来が暗くなるのも、明るくなるのも、結局は自分次第なのです。
【参考図書】
『シェア』
http://tatsuya1970.com/?p=572
『ハイ・コンセプト 新しいことを考えだす人の時代』
http://tatsuya1970.com/?p=627
『フラット化する世界』
『10年後に食える仕事 食えない仕事』
http://tatsuya1970.com/?p=663
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読書日記375:ワーク・シフト ー 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図 byリンダ・グラットン
タイトル:ワーク・シフト ー 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 作者:リンダ・グラットン (著), 池村 千秋 (翻訳) 出版元:プレジデント社 その他: あらすじ—————