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地方創生で有名な徳島県神山町で1週間山籠りでアプリ開発をしてきました

公開日: : 最終更新日:2018/07/09 地方創生 , , , , ,

 

私が勤める会社は1年に1回、1週間連続した休暇の取得が義務付けられています。

若い頃は、無計画で1週間無駄に過ごすことが多かったのですが、東日本大震災で東北にボランティアに行って以来、時間は有限で貴重なものという意識が見栄え、以来、まとまった休暇は海外に行って見聞を広めたり、新しいことにチャレンジしたりして、何か成長できることに費やすことを心がけています。

ちなみにここ数年の1週間休暇の様子です。

2011年11月 南三陸町へボランティア&東北観光

2012年7月 フィリピンセブ島での英語合宿

2013年8月 東南アジア3カ国の友人を訪ねる旅

2014年9月 インドひとり旅

2016年2月 渋谷で1週間のプログラミング合宿

このように1週間もあれば、いろいろなことができます。

私はここ数年は「グローバリゼーション」を信仰し、グローバリゼーションが全ての問題を解決するものだと信じていました。だから、なるべく海外に足を運んで、皮膚感覚で海外を感じるように努めてきました。

しかし全ての人間がグローバリゼーションの恩恵を受けることはできません。

人口減少社会の我が国が生き残る道はグロバリゼーションよりも「地方創生」なのかなあと漠然と最近思い始めてきました。

ただ、地方創生について学ぶのに、スーツを着て会社の団体ご一行様で視察するのでは面白くないし、皮膚感覚では理解できないと思うので、実際にその場に行って自分で体験してみることにしました。

 

 

何をするのか?

地方創生で全国的に有名な「徳島県神山町」で、

作家が執筆のために山籠りするように、1週間山籠りでアプリ開発をします。

 

 

理由

神山町の成功の要因の1つ

「IT系の仕事なら別に田舎でもできるじゃん」

を自分で体験することにしました。

私は趣味でアプリを開発しており、今までアップルストアに10本公開しています。

それと最近学んだRubyでWEBサービスをチマチマ作ってるところです。

とはいえ、本業があるので、どうしても週末しか時間が取れず、集中して開発したいと思っていたところ、今回のアイデアが浮かびました。

では、前置きが長くなりましたが、そろそろ本題です。

その経験をツラツラと綴ります。

 

「神山町とは」

地方創生の成功事例と言えば、ほとんどの人が「徳島県神山町」を挙げることでしょう。

徳島市内からバスで1時間。

人口約6000人のこんな感じの田舎町です。

IMG 2436

 

中心街

 IMG 2466

 

ポケモンGOの画面

IMG 2443

 

 

 

 

と、一見したところどこにでもある田舎町のようですが、なぜここが全国から注目を浴び、若者が集まってきているのでしょうか?

それについて、私が見聞きしたことを述べます。

(詳しくは、「神山 地方創生」などで検索してください。あくまでもたった1週間で私が見聞きしたことに基づいていますので、内容におかしな点があったら教えてください)

 

地方創生の成功しない理由は、雇用がないからです。

いくら住居や生活費など補助金を充実させても、仕事がないと移住なんかしません。

脱サラして農業なんて敷居が高すぎます。

神山町はそう言った地域おこしと考え方が180度違います。

徳島県はテレビ局が少ないため、地デジに移行する際に全県にわたってブロードバンドを充実させました。

神山町はそれをうまく利用し、サテライトオフィス、コワーキングスペースを充実させ、都会からこちらへ仕事を持ってこれるような環境を構築し、日本中からIT企業やエンジニアを呼び寄せることに成功しました。

また、1999年から毎年「アート・イン・レジデンス」(住み込みでアート作品を創作するイベント)を開催し、世界中からアーティストを招待するなど、この成功は一朝一夕で簡単に真似できるものではなく、過去からの地味な積み重ねの上に成り立っています。

神山では地方創生のカギを握るのは、

「若者」「よそ者」「バカ者」に寛容であること。

そして「本物」であること。

若い本物のエンジニアやアーチストが来ると、それに釣られて人が集まってくる。神山に行けば面白い人に会える。そう言った良い循環になってるらしいです。

実際に私がお会いした人は皆、興味深い経歴を持ち、「本物」の方ばかりです。

・アップルで11年間アジア本社マーケティング部門で働いた方。

・オランダでフリーランスの料理人をしていた方

・イタリアでバリスタをされていた方

などなど

このように会う人会う人興味深いです。

「多様性」というものはイノベーションを生みます。

神山は自然環境もそうですが、それ以上に「多様性」が多くの移住者を魅了しているのでしょう。

ちょうど滞在期間中にお祭りがあったので、民泊のホストの友人の方に連れて行ってもらいましたが、そこで見た光景は田舎のそれではありませんでした。

アート・イン・レジデンスの関係で外国人が多く、日本人で語学堪能な方が多く、それがさも普通の日常に溶け込んでいる風景に驚きました。

そして、田舎の祭りなのに、ヤンキーとかDQNがいない。

神山は、都会よりも都会なのではないかとの印象を強く持ちました。

 

 

お祭りの様子

(ほんまもんの阿波踊りが見れます)

IMG 2318

 

 

言語化が難しいのですが、「内なるグローバリゼーション」という言葉が勝手に脳内に閃きました。「宇宙の果てまで突き詰めると実は自分の原子の一部だった」ような感覚です。

何を言ってるのかこのオッサンと思うでしょうが、グローバル化は海外に出なくても、インバウンドでも十分可能なのだということです。

なお、神山町について知るにはこの本がオススメです。

 

民泊先の「カフェ・オニヴァ」に置いてあったのを読み出したら止まらず、買ってしまいました。

地方創生に関わる方は必読です。

レビューはまた後日アップいたしますね。

 

「仕事風景」

じゃあ、私が何をしていたのかご紹介します。

前半は、民泊サイトAirBnBで見つけた「カフェ・オニヴァ」の離れで泊まりがけで開発作業をしました。

ちなみに、ここのオーナーの女性はアップル社で11年勤務、アジアを統括する部署でマーケティング担当という凄い経歴の持ち主です。

部屋はこんな感じです。

Wi-Fi完備、コンセントも充実(延長コードいるかも)、窓際にテーブルがあって仕事ができます。

実際に外国人の作家が執筆で長期間滞在したこともあります。

これで、1泊4483円なーりー。(平成28年8月現在)

予約はこちらから。

 IMG 2372

 

 

後半は、「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」を利用しました。

IMG 2382

 

ここは縫製工場を改築したコワーキングスペースです。

隣接する「WEEK神山」の宿泊者なら無料でほぼどこでも自由に使えます。

(詳しくは管理人さんに聞きましょう)

IMG 2470

IMG 2473

 

IT企業が数社入居、徳島県庁の分室があったり、その他いろいろな人が思い思いに自由に利用しています。

私が滞在している間は、岡山商科大学や慶応義塾大学SFCの方々が滞在しており、熱心に研究や議論をされていました。

夕食をご一緒した慶應義塾大学の教授の方のお話によると、東北の震災で打撃を受けなかった集落はどこも千年以上の歴史があるという共通点に気づき、災害に強い未来の都市作りのために、全国の千年村を研究しているということでした。(詳しくは「千年村プロジェクト」のサイトご参照)

工作室では、地元の女子高生が放課後に訪れてキャッキャッ言いながら楽しそうに3Dプリンターかレーザーカッターでなんか作ったりしてました。

さて、そういう利用者を横目に、私はアプリ開発に励みました。

9時から12時までアプリを開発、昼食はマウンテンバイクに乗って4キロ先のカフェまたは食堂へ、そして昼寝して、15時から18時までアプリ開発。18時から19時までマウンテンバイクでブラブラし、19時から夕食という生活を続けました。

人間的な生活をしてるなあと我ながら思います。

しかし、肝心のアプリ開発が、バグの多発で思うように進みません。

どうしてもググってもわからないものはインターネット上の質問サイトで聞き、それでも解決しないものは、金の力にものを言わせ、クラウドソーシングで解決を図りました。徳島県の山奥でウクライナ人やノルウェー人とチャットでやりとりするのは不思議な感覚です。スキルさえあれば、IT系の仕事ならリモートワークは可能だと確信しました。

 

チャットの様子

 IMG 2447

 

夕食の席でご一緒したあるIT企業の社長さんは、本社が東京青山なのに社長は神山に移住、屋久島に移住している社員もいるのですが、打ち合わせはスカイプでできるので仕事に支障はないと言われてました。

リンダ・グラットンの「ワーク・シフト」で書かれてることが、私の知らない間にどんどん実現化されているのです。

ネット環境が整備されれば会社に出社する必要はありません。

リモートワークが一般的になれば、長時間労働の解決や女性の社会進出が当たり前の社会になることでしょう。

 

 

 

「移住に興味ある方へ」

結局、肝心のアプリは完成できませんでしたが、ITスキルさえあれば、どこでも生活することができることが分かりました。

現在は、神山に限らず、日本中の自治体が移住者を求めてます。

移住者にとっては売り手市場です。

ITスキルのある方は、都会を離れ、移住を考えてみたらいかがでしょうか?

そうは言っても、どこで情報を仕入れたらいいのでしょう。

私がお会いしたうち3人の方が「日本仕事百貨」というサイトで神山の求人を知ったと言ってました。

実際に移住した人がそれも私が1週間で会った少ない人数の中で3人ですから、本当に為になるサイトに違いありません。

確かにこんな情報は普通の求人誌には載っていません。

地方創生で若者を呼びたいと考えている地方自治体の方も「日本仕事百貨」に掲載してもらえばいいのではないでしょうか?

こちらが「日本仕事百貨」のURL http://shigoto100.com/

 スクリーンショット 2016 09 03 18 36 21

 

 

神山体験記は、まだ続きます。

今後は、宿泊施設や観光スポット、グルメについて、記事にする予定です。

徳島県神山町の宿泊先のご紹介(その1:カフェ・オニヴァでの民泊)

徳島県神山町の宿泊先のご紹介(その2:WEEK神山)

徳島県神山町をブラタツヤ

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