IoTを学ぶ第1歩にオススメの本『IoTの基本・仕組み・重要事項が全部分かる教科書』について
個人的な印象ですが、昨年1年間を振り返ってみると、新聞やニュースでは毎日のようにIoTとかAIって言葉が踊ってました。僕が流行語大賞を選ぶなら絶対「IoT」か「AI」です。
この田舎の広島でさえ、毎週のようにどこかで、IoTかAIのセミナーは行われており、関心の高さが伺えます。
そんななか、中小企業向けのセミナーで、IoTを「カイゼン」の一種、延長と捉えて教えているのを見かけることがあります。確かに、教える方、教わる方も「カイゼン」の延長戦上として考える方が理解しやすいです。今やってることをデジタル化するだけ、有線だったことを無線にするだけのこと、保管場所がクラウドになっただけのこと、だからIoTって難しくないんですよ。と言う話なら、すんなり受け入れることができます。
でも、本当に、IoTの説明ってそれでいいのでしょうか?
第4次産業革命に日本が出遅れた理由の1つに、経営者のITリテラリーの無さだと個人的に思っています。テクノロジーに疎い、関心のない経営者が、ITを重視しなかった。ITベンダーに丸投げしたからなのだと。
現代のように、企業の経営戦略に占めるデジタル戦略が重要な時代はないでしょう。
だから、今後の企業の存続を左右するデジタル戦略を、外部に任せてはいけない、自らの頭で考え実行しないとうまくいかないと思います。そのためには、ITベンダーやコンサル会社と対等に話せる社内の人材が必要です。
とはいえ、
何から始めたらいいのか。
そんな企業の方々に、オススメしたいのがこの本です。
株式会社ウフル イノベーションセンターの『IoTの基本・仕組み・重要事項が全部わかる教科書』
表紙カバーには「すべてのハードウェア・ソフトウェアのエンジニアに必須の知識を完全網羅」と書いてますが、一般的なビジネスマンとしてのITリテラシーさえあれば大丈夫な内容です。ここに書いてあること全てを覚える必要はありませんが、非エンジニアでも一読すれば、なんとなくIoTの全体像をつかむことができると思います。
タイトルに「教科書」とある通り、トートロジーですが、まさに「教科書」です。
IoTの歴史から始まって、センサー、通信、クラウド、エッジコンピューティング、セキュリティなどといったIoTを取り巻く全てを網羅しています。
さらに、技術的知識だけではなく、IoTサービスを展開する時の考え方、自社のカイゼンだけではなく業界の境目を超えたビジネス、プラットフォーム、バリューチェーン全体について述べているところが秀逸です。
意外にも僕の知る限り、このようなIoTについて全体を網羅した教科書的な本は見たことが無いです。IoTについては、ガチな技術本かマーケティング本といった両極端のようです。
今は、理系・文系、エンジニア・企画といった属性に関係なく、テクノロジーについてのそこそこの知見がないと第4次産業革命を生き残ることができない時代に入っています。
文系だからIoTのことはよく分からん。ITベンダーに任せればいいなどと言っておられません。
経営者自ら無理だとしても、経営企画の人間は、ITベンダーやコンサル会社と対等に話すことができ、自社のデジタル戦略を立案できる人間が不可欠だと思います。
お前何様?みたいな、偉そうな話になってきましたので、ここまで。
というわけで、繰り返しますが、IoTの基礎を学ぶにはこの本は適切だと思います。
企画系の方は、全部読まなくても、第1章「IoTの現状と取り巻く環境」と第8章「サービス展開をするシステムの考え方」だけ読んでもいいと思います。
決して、IoTがカイゼンという持続的イノベーションの延長上ではないことが分かることでしょう。それであとは関心のあるところから読んでもいいと思います。そして読んだ後はリファレンス的な使い方もできるので、まさに教科書です。
この本は約1年前2017年11月に出版。
その後のウフルさんの知見を加味し、活用事例が豊富なこの本も合わせて読むことをオススメします。
「IoTシステム開発テクニック」
最後に、本書で得た知識を血肉にするには、実際に手を動かすことが重要です。
センサーからクラウドへデータをあげるというIoTの基本を自分の手を動かし体験することで多くの知見を得ることができます。
ハンズオンという形式の自分の手を動かすタイプの勉強会は全国いたる所で開催されてますので、connpassというエンジニア向け勉強会サイトや自治体のHPなどでチェックされてはいかがでしょうか。
参考までに、以下の3つのコミュニティはIoTのハンズオンをされていますので、参加してみましょう。
ALGYAN
SORACOM
https://soracomug-tokyo.connpass.com/
SIGFOX
そして、一番勉強になるのは、ハッカソンです。
IoTのハッカソンではウフルのハッカソンをお勧めします。
さっきからウフル推しですが、本当にこの種のハッカソンが他にないからです。
ハッカソンには、ガチのエンジニアばかり集まるんじゃないかと不安だと思いますが、ウフルのハッカソンは、実践的な課題解決型のハッカソンなので、プランナー、マーケター枠があります。
僕も1年半前に初めてウフルのハッカソンに参加した時は、IoTのこと何も知らない状態でした。
Arm? mbed? LPWA? 何それ美味しいの?状態でした。
でも、ハッカソンに参加して、一気に(普通のサラリーマンにしては)IoT戦闘力がアップしました。
こちらのブログ参照
これは、僕だけでなく、僕の同僚も同じでした。彼はIoTの略が「Internet Of Things」程度の知識しかなかったですが、ウフルのハッカソンに参加したあとは、職場の中ではIoTの専門家のような存在になり、現在は職場のIoT推進部署を引っ張っています。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
IoTに興味があるのなら、本を読むことも重要ですが、手を動かすこと、そして他流試合。
怖いけど、得るものは大きいです。
ちなみに、ウフルのハッカソン、
直近では1月と2月にありますので、思い切って参加されてみてはいかがでしょうか。
高知(1/12、1/13)
https://uhuru.connpass.com/event/109579/
新潟(2/16、2/17)
https://uhuru.connpass.com/event/113717/
本の話から飛躍しましたが、
ハンズオン、ハッカソンを紹介したのは、本で基礎的知識を得たあとは、手を動かす、他流試合することで、新しい知識が血肉になるってことを経験則でお伝えしたかったからです。
ではでは。
PS.その他オススメ本
もっと初心者なら
もっと技術的なことなら
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