『御社にそのシステムは不要です。』を読んで
新型コロナ感染症により、日本がDX後進国ということが白日のもとにさらされました。
私は、日本のDXが遅れた原因は、
「ITのことはよくわからないので」といって、
自社でなく外部のベンダーに丸投げしている会社が多いからだとずっと思っていました。
IT人材が自社に所属している割合は、アメリカの70%に対し、日本は30%しかいません。
こういったところが、ここ30年でIT力の差がついた原因の1つだと思っています。
(全部がそうではないですが)ずっとベンダーに丸投げで、ベンダーにいわれるがまま不要なシステムを導入していたといえます。
まさに、今日ご紹介するこの本のタイトル
「御社にそのシステムは不要です。」という状況だったのではないでしょうか。
本書には、丸投げしてはいけない理由をこう書いてます。
・業者が考えて作りあげたシステムが、会社の実務や社員のニーズに合致しているとは限らない。
・会社にIT化のノウハウが蓄積されない。
そうはいっても、うちの会社にITに詳しい人材なんかいないと言われるかもしれません。
ただ、IT化担当者にふさわしいのは、必ずしもITに詳しい必要はなくて、熱量があって、顧客目線をもっていて、失敗を過度に恐れない資質があればいい。そして大事なのは担当者まかせではなく、IT化は社長を含む社員全員で取り組むことです。
本書では、
・何をすればいいのか?
・システム作りをどうしたらいいか?
(クラウドかオンプレか等)
・業者はどう選べばいいのか?
などノウハウがまとめられてます。
ただ、PLANをあーだこうだとねり過ぎるのはダメ。
とにかく中小企業にとってIT化は待ったなし。
すぐやらなければいけません。
できることからやるスモールスタートの大切さが説かれています。
著者が社長を務めている「ジョイゾー」はサイボウズのキントーンを中心に取り扱っています。
私もキントーンをハッカソンで利用したことがあり、プログラミング不要でとても簡単に業務用アプリが作れます。まさにスモールスタートに最適なサービスです。
私の知ってる事例を1ついうと、加古川市の職員がキントーンを使って、新型コロナ給付金のシステムを作ったというニュースが記憶に新しいです。
加古川市の給付金システムはオープンデータで公開されており、私もそれをもとに仮の給付金システムを作って見ましたが、わずか30分足らずで作ることができるほど、キントーンは手軽で簡単です。(サイボウズの回し者ではありませんw)
あと、ハッとしたのが採用が不利になるというところ。
私の主観では意外にレガシー企業ではこの点に実感をある意思決定者は少ないように思えます。
とくにいまだに「学生を採用してやっている」という認識の企業はヤバいです。
勤務先が支給するPC、通信環境、利用サービスが世の中の普通とかけ離れている会社に、デジタルネイティブは集まらないでしょう。
おおげさではなくて、ITに取り組む姿勢が会社の持続性をも左右しているのです。
以上、ITのことがよく分からないけど、何かしないといけないと思ってる人は、まずはこの本を手にとってみることをオススメします。
ad
- Tweet
-
この記事が気に入りましたら、ぜひTwitter、facebookボタンをお願いします。
ブログを書くモチベーションになります。よろしくお願いします。
ビットコイン投げ銭ウィジェット
関連記事
-
ワンクリック ―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
アマゾンという会社のことを知ったのは、確か1990年代の後半だったと記憶している。 第1印象は、なん
-
アジアで稼ぐ「アジア人材」になれ!
今週の日経ビジネス最新号を見た。 「2030年のアジア」 何年も前から分かってた事だけど、激動する
-
マイクロソフトでは出会えなかった天職
社会起業家とは何ぞや? この本にその答えが詰まっています。 原題は、 Leaving Micros
ad
- PREV
- 『コミュニティマーケティング』を読んで
- NEXT
- 『After GAFA』を読んで