『THE FIRST SLAM DUNK』を観て (ネタバレあり)
私は中学・高校と、下手くそだったけどバスケ部だったので、バスケットボールにはそれなりの思い入れはある。
私がバスケをしてた頃(1983年〜1989年)は、バスケットボールは今ほど人気のあるスポーツではなかった。
海外では、マイケル・ジョーダンがロサンゼルスオリンピックで脚光を浴びてたころだ。
週刊少年ジャンプで『SLAM DUNK』の連載が始まったのは、大学生に入ってからだ。
そのころはマイケル・ジョーダンをきっかけに日本でもNBAが大ブームになった。
バスケットボール漫画は売れないと言われ続けた時代に、NBAブームという追い風もあって、漫画『SLAM DUNK』は空前の大人気だった。
私の中では。いまだに漫画『SLAM DUNK』の山王戦の後半は、漫画の歴史に残ると思うほどの名作だ。
そして『SLAM DUNK』は人気絶頂のときに唐突に連載を終了した。
リアタイだった私にはとても衝撃だった。
最近は「鬼滅の刃」など人気絶頂でも連載を終了する事例は珍しくなくなってきたが、人気絶頂で連載終了するなんて当時の週刊少年ジャンプでは前代未聞のことだった。
そして、四半世紀がたった。
さて、本ブログのタイトルに「ネタバレあり」と書いている。
四半世紀も前の漫画に今更ネタバレと言われてもねーと思うでしょう。
いや、原作と主人公が違う。
アニメ化されてない山王戦を再現するだけの話かと思ってたところ、なんとまさかまさか宮城リュータを主人公に持ってくるとは完全に意表をつかれた。
たしかに宮城リョータは原作ではプライベートは描かれてなかったし、湘北のレギュラー5人の中で一番我々一般人に近く、新しく等身大の人間ドラマを作るにはもってこい。
ただ、父、兄がたてつづけて亡くなってて、尊敬する兄にコンプレックスを持っているという設定には、あまりにもドラマドラマしすぎるところが気になった。
試合中に都度リュータの過去の回想ドラマを挿入していく方法はいいのだけど、やはり私は四半世紀待たされた身としては、桜木と流川の話が観たかった。
ここは原作ファンにとっては賛否両論になるところだと思う。
でも、原作の井上雄彦先生がそういう物語にしたのだから、文句言う筋合いではない。
桜木と流川、赤木の話は四半世紀前にすでに描き切っており、同じことをする必要性はなかったのだろうけど。
設定の話ばかりになった。
映画の中身の話でいえば、
なんといっても、バスケットボールをしている動きがアニメーションと感じさせないほどスムーズで凄すぎた。
映画化するうえで、原作で山王戦の最後の最後、セリフ無しで絵だけで躍動感を伝えるあの名シーンをどう再現するか不安だった。
そこを完全に再現できていたのは唸った。
終始、本当に試合を見ているような没入感。
ときおりサブミニナル効果のごとく、漫画原稿が一瞬登場するところなど、新鮮な表現だった。
漫画の良さを消さずにアニメ化する新しい方向性を示したように感じた。
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